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its
解説
限定詞「its」の詳細解説
1. 基本情報と概要
単語: its
品詞: 限定詞(所有格の代名詞/形容詞的用法)
意味(英語・日本語)
- 英語: “belonging to or associated with a thing previously mentioned or easily identified”
- 日本語: 「それの」「そのものの」という意味で、性別がない物や動物(場合によっては赤ちゃんなど)に対して用いられる所有表現です。
たとえば、「その犬のしっぽ」→ “its tail” のように、無生物や性別不明の生き物などの持ち物について述べる際に使います。
「it’s (it is / it has)」と混同しがちなので注意しましょう。
(CEFRレベル目安: A2 初級〜B1 中級レベル)
活用形
- 「its」は所有を示す限定詞(形容詞的な働き)なので、時制や複数形で形が変化することはありません。一貫して「its」です。
他の品詞形
- 「it」(人称代名詞) → 主格: it / 目的格: it
- 「it’s」→ 短縮形 (it is / it has) … 所有の「its」とは別です。
- 「itself」→ 再帰代名詞
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- 語幹: “it” (「それ」を示す代名詞)
- 接尾語: “’s” のようにも見えますが、実際は “its” 全体で「それの」という意味を示す固定した形です。アポストロフィなしの “s” がポイントです。
関連性や派生語
- “it” → それ
- “it’s” → it is / it has の短縮形(注意)
- “itself” → それ自体
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- its name (それの名前)
- its color (それの色)
- its value (それの価値)
- its origin (それの起源)
- its function (それの機能)
- its role (それの役割)
- its cause (それの原因)
- its effect (それの影響)
- its own (それ自身の…)
- its limits (それの限界)
3. 語源とニュアンス
語源
古英語の “hit” や “it” に由来し、かつては「it」の所有格として “his” が使われたり “of it” と言ったりしていました。17世紀頃から “it” の所有形として “its” が定着しました。
ニュアンス・使用上の注意
- 「人間」の所持物には普通使わず、モノや動物・赤ちゃん(性別を特に言及しない場合)など性別を意識しない対象に使う。
- 文書・会話など、フォーマル・カジュアル問わず幅広く使われる表現です。
4. 文法的な特徴と構文
- 限定詞(Determiner) として名詞の前に置き、所有の関係を示す:
例) its tail / its price / its location - 可算・不可算という区別にかかわらず、「持ち主が無生物/中性」であるときに使います。
- 「it’s (it is あるいは it has)」と混同しないことが重要です。
一般的な構文例
- “The machine has its own operating system.”
- “The dog wagged its tail.”
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “The phone lost its signal again!”
(その携帯電話、また電波がなくなっちゃった!) - “That tree is losing its leaves.”
(あの木は葉を落としてきてるね。) - “The laptop can’t start because its battery is completely drained.”
(そのノートパソコン、バッテリーが完全になくなって起動しないんだ。)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “Our company is updating its privacy policy.”
(弊社はプライバシーポリシーを更新しています。) - “The organization is expanding its operations overseas.”
(その組織は海外に事業を拡大しています。) - “The brand is known for its innovative designs.”
(そのブランドは革新的なデザインで知られています。)
学術的・フォーマルな文脈での例文(3つ)
- “The study focuses on the planet and its atmospheric conditions.”
(その研究は惑星とその大気状況に焦点を当てています。) - “The system derives its stability from multiple feedback loops.”
(そのシステムは複数のフィードバックループによって安定性を得ています。) - “Each theory has its own set of assumptions and limitations.”
(それぞれの理論には、それ独自の前提と限界があります。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(所有表現)
- “his” (彼の)
- “her” (彼女の)
- “their” (彼ら/彼女らの)
- “one’s” (人の、それぞれの)
「its」との違いは、どの所有者を指すかにあります。人間以外や無生物などに使うときは「its」、男性なら「his」、女性なら「her」、複数や不特定多数なら「their」という使い分けです。
反意語
- 所有の概念に対し明確な反意語はありません。ただし「it’s (it is / it has)」と混同しやすいので注意しましょう。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- /ɪts/
アクセント・発音のポイント
- 単音節で短く発音され、アクセントの移動はありません。
- アメリカ英語・イギリス英語ともに大きな違いはなく、短い “イッツ” のように聞こえます。
- よくある間違いは “it’s (it is)” と区別せずに発音・書き分けしてしまうことです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
“it’s” と “its” の区別
- “it’s” = “it is” or “it has”
- “its” = 所有を表す限定詞
置き換えて「it is」と読めるかどうかで判断すると間違いが減ります。
- “it’s” = “it is” or “it has”
スペルミス
- “it’s” のアポストロフィを入れない/入れすぎなどが頻発。「its」にはアポストロフィを付けないこと。
TOEIC・英検などの試験対策
- 毎回といっていいほど “it’s” と “its” の混同を問う問題が出やすいので要注意。
- 選択問題や穴埋め問題で区別を問われるパターンが多いです。
- 毎回といっていいほど “it’s” と “its” の混同を問う問題が出やすいので要注意。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 覚え方のコツ:
“It’s” を “it is” や “it has” に置き換えられるかを試す。もしできないなら「its」。 - 短いイメージストーリー: 「I have a pet robot. Its name is Robo. (自分のペットロボットがいる。その名前はRoboです)」と覚えると馴染みやすくなります。
- スペリング力アップには、単語帳に “it is → it’s / the robot and its parts” のように対比表を作り、混乱を防ぐ勉強法が効果的です。
以上が「its」の解説です。「it’s(it is / it has)」とは別物であることを念頭に置いて、使い方をマスターしてみてください。
意味のイメージ