元となった辞書の項目
what
解説
1. 基本情報と概要
単語: what
品詞: 限定詞(determinative)、疑問代名詞(interrogative pronoun)、感嘆詞的表現(exclamation)など、多くの品詞的用法がありますが、ここでは主に「限定詞(determiner)」としての用法に焦点を当てます。
意味(英語・日本語)
- 英語: Used to ask for information specifying something (e.g., “What color do you like?”)
- 日本語: 「何の」「どんな」という意味で、名詞の前に置き、その名詞が具体的にどのようなものかをたずねたり示したりする際に使われます。「What color~?(何色~?)」「What time~?(何時~?)」などが典型的です。
「どんな○○ですか?」のように、相手の答え方が開かれているニュアンスが強い単語です。
活用形
- 「what」は形としては変化しません。複数形や過去形・現在形は存在せず、常に “what” です。
- 他の品詞になる場合は、疑問代名詞として名詞を直接置き換える(例: “What is that?”)や、感嘆詞として感嘆文を作る(例: “What a beautiful day!”)などが挙げられます。
CEFRレベル
- A1(超初心者)~A2(初級): 「What’s your name?」などの基本的な疑問文で使う
- B1(中級)~B2(中上級): 「What kind of job are you looking for?」など、さまざまな修飾語を伴う疑問表現
- C1(上級)~C2(最上級): フォーマルな文書や複雑な構文の中での使用
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- “what” は古英語 “hwæt” に由来しており、明確な接頭語・接尾語がついているわけではありません。語幹に当たる “what” 自体が語全体となっています。
関連する派生語・類縁語など
- whatever: 「何であれ」「どんな~でも」という意味の限定詞/代名詞/副詞
- whatsoever: 「いかなる~でも」という強調形
- so what: 口語表現で「それがどうした?」
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- What time ~?(何時~?)
- What kind of ~?(どんな種類の~?)
- What color ~?(何色の~?)
- What sort of ~?(どんなタイプの~?)
- What day ~?(何曜日~?)
- What on earth ~?(いったい何が~?)※驚き・困惑の表現
- What’s the matter?(どうしたの?)
- What do you mean by ~?(~とはどういう意味?)
- What else?(他に何か?)
- What happened?(何があったの?)
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語の “hwæt”から派生し、中英語期に “what” の形に定着しました。古いゲルマン語派の疑問詞(*khw-, *hw-)と共通の起源を持つと言われています。
ニュアンスや使用時の注意点
- 疑問限定詞としての「what」は、答えがまだ特定されていない場合によく使われます。
- 相手を問い詰めるような強いニュアンスよりは、単に情報を求める柔らかいイメージで使われることが多いですが、「What on earth?」のように感情をこめる表現もあります。
- カジュアルからフォーマルまで幅広い場面で使えるので、TPOに合わせて使い方を変える必要があります。
4. 文法的な特徴と構文
- 疑問限定詞 (Interrogative Determiner)
- 名詞の前に置いて、その名詞が具体的にどのようなものかを尋ねる。
例: “What book are you reading?”(どんな本を読んでいるの?)
- 名詞の前に置いて、その名詞が具体的にどのようなものかを尋ねる。
- 感嘆文 (Exclamation)
- “What a + 形容詞 + 名詞”という形で、「なんて~なんだ!」という感嘆文を作る。
例: “What a beautiful day!”(なんて素晴らしい日なんだ!)
- “What a + 形容詞 + 名詞”という形で、「なんて~なんだ!」という感嘆文を作る。
- 可算・不可算
- “what” は他の名詞(可算名詞・不可算名詞どちらも)を限定できます。例: “What advice would you give?”(どんなアドバイスをしてくれる?)
- 疑問代名詞としての使い方
- 単に「何」を尋ねる。限定詞としての “what” と異なり、名詞を伴わない。
例: “What is your favorite?”(あなたのお気に入りは何?)
- 単に「何」を尋ねる。限定詞としての “what” と異なり、名詞を伴わない。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “What movie do you want to watch tonight?”
(今夜はどの映画を観たい?) - “What color should we paint the walls?”
(壁を何色に塗ろうか?) - “What snacks do we have in the kitchen?”
(キッチンにどんなおやつがある?)
ビジネスシーンでの例文
- “What information do we need for the presentation?”
(プレゼンにどんな情報が必要ですか?) - “What strategy will we adopt for next quarter?”
(来期はどのような戦略をとりますか?) - “What document should I send to the client?”
(クライアントにどの書類を送ればいいでしょうか?)
学術的文脈での例文
- “What research methodology will you apply in your study?”
(研究にはどの研究手法を用いますか?) - “What theoretical framework supports this argument?”
(この議論を支える理論的枠組みは何ですか?) - “What data sources are available for this experiment?”
(この実験にはどんなデータソースが利用可能ですか?)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- Which(どちらの)
- 「どの~?」と複数選択肢が想定されている場合に使います。
- 例: “Which drink would you like, tea or coffee?”(紅茶とコーヒー、どちらがいい?)
- “what” はよりオープンな質問に使います。
- 「どの~?」と複数選択肢が想定されている場合に使います。
- Whatever(どんな~でも)
- 限定をなくして「何でもいい」という意味を強調します。
- 例: “Choose whatever color you like.”(好きな色をどれでも選んでいいよ。)
- 限定をなくして「何でもいい」という意味を強調します。
反意語
- “what” の直接的な反意語はありません。しかし、明確な選択肢を問う “which” とは対比的な使い方をすることがあります。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /wʌt/ または /wɑt/ (アメリカ英語)、/wɒt/ (イギリス英語)
- アクセント: 1音節で、通常 “wha‿” の部分を母音として強く発音し、「t」は軽く発音します。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い: アメリカ英語の “what” は「ワット」に近い音、イギリス英語では「ワッ(ト)」に近い音で発音されます。
- よくある間違い: “h” を強く発音しすぎたり、スペルを “waht” と間違えることがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “waht” と書いてしまうミスがよくあります。
- “Which” との混同: 「どの~?」を表すのに、選択肢がはっきりしているのか、していないのかで “which” と “what” を使い分けましょう。
- 同音異義語は特になし: “what” とよく似た音の別単語はあまりないですが、 “watt(ワット)” など聞き取りで混同することがあります。
- 試験対策: TOEICや英検では、疑問詞を使った正確な文章構造の理解を問われる問題が頻出です。特に間接疑問文(e.g., “I wonder what time it is.”)などでも注意しましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「ホワット?」という日本語カタカナ英語もあり、聞き慣れた響きです。
- “W-H-A-T” の綴りは “H” が “A” の後ろに来る点でスペルミスを起こしやすいですが、覚える際は “W-hAt?” と疑問を投げかけるイメージにすると覚えやすいです。
- 辞書や英語教材では必ず最初に学ぶ疑問詞の一つなので、例文をたくさん声に出して使うと定着しやすいでしょう。
上記のポイントを押さえることで、限定詞としての「what」を正しく理解し、疑問文や感嘆文など幅広い場面で使いこなせるようになります。気軽な日常会話からフォーマルなビジネスシーンまで対応できる便利な単語なので、ぜひ活用してみてください。
意味のイメージ