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same
解説
以下では、「same」という単語について詳しく解説します。なお、「same」は主に形容詞や代名詞、名詞として使われ、実は一般的な用法としては“副詞”としては扱われません。ごくまれに方言的・口語的に副詞のように使われる例が指摘される場合がありますが、標準的な英語文法では認められていません。その点を踏まえつつ、学習者としては「same」は形容詞・代名詞・名詞として理解しておくのが基本です。
1. 基本情報と概要
英語での意味
- 「same」: “identical” or “not different from something else”
(何かと同一である、違いがない)
日本語での意味
- 「同じ」あるいは「同一」「変わらない」という意味を表します。
「同じものだよ」「全く変わりないものだよ」といったニュアンスで、何かが他と一致していることを表すときに使われます。
品詞
- 形容詞(adjective)
例: the same color (同じ色) - 代名詞(pronoun)
例: I want the same. (私は同じものが欲しい) - 名詞(noun)
例: It’s all the same to me. (私にはどれも同じことだ)
※「副詞(adverb)」としては標準的には扱われません。ごく一部の方言・口語で「副詞的に」使う表現がまれに見られますが、正式な文法としては推奨されません。
活用形
- 「same」は、形容詞・代名詞・名詞としても基本的に形を変えない単語です。
(比較級や最上級を取る場合は、“the same”の前に「exactly」「almost」など副詞をつけて表現することが一般的です)
他の品詞形
- 形容詞 → same
- 代名詞 → same
- 名詞 → the same
難易度(CEFRレベル)
- A2~B1(初級~中級)
「same」は日常会話の中でも頻出する基礎的な単語ですが、用法は複数あり、混乱しやすいので中級レベルにかけてしっかり理解しておくとよいでしょう。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「same」は、現代英語では特にわかりやすい接頭語・接尾語をもたず、単独で完結した語形を保っています。
派生語や類縁語
- sameness (名詞) : 同一性、一様である状態
- similar (形容詞) : 類似した(「same」と似た意味だが、「完全に同じ」ほどの強調はしない)
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- the same day → 同じ日
- the same way → 同じやり方・同じ方法
- exactly the same → まったく同じ
- remain the same → 同じままである
- stay the same → 同じ状態にとどまる
- look the same → 見た目が同じである
- feel the same (about) → 〜について同じように感じる
- much the same → ほとんど同じ
- virtually the same → 事実上同じ
- the same applies to ... → 〜にも同様のことが当てはまる
3. 語源とニュアンス
語源
- 「same」は、中英語(same, saam)や古英語の「same」に由来するとされ、さらに古ノルド語やゲルマン祖語にも類似の形が見られます。古くから「同じ」「同一の」という意味を担って使われてきました。
ニュアンスや使用時の注意点
- 「same」は「全く同一である」という強いニュアンスがあるため、「似ている」「近い」という意味ならば “similar” や “like” を使う方が自然です。
- 「It’s all the same to me.」は、「私にはどれでも構わない / どれも同じ」というフレーズ。カジュアルからフォーマルまで幅広く使えます。
- 「the same as ~」という形で「〜と同じ」と表現します。
口語・文章での使い分け
- 「same」は日常会話でも文章でもよく使われますが、副詞的用法は正式には認められないため、文法的に正確な文章を書く場面では注意が必要です。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞として使う場合:
- “the same + 名詞”
例: the same problem, the same idea
- “the same + 名詞”
- 代名詞として使う場合:
- “the same”
例: I’ll have the same. (注文時「同じものをください」の意味)
- “the same”
- 名詞として使う場合:
- “It’s all the same.”
例: It’s all the same to me. (私にはどれでも同じ、どちらでもいい)
- “It’s all the same.”
- 副詞としては文法書での記載がほぼなく、標準的な用法ではありません。
可算・不可算
- 「same」は名詞化しても抽象度が高く、状況によっては可算名詞としてカウントしづらいこともあります。ただし、「things are the same」のように複数形の名詞とセットで使うことは可能です。
フォーマル/カジュアル
- 「same」はどちらの文脈でも比較的使いやすい語ですが、「It’s all the same to me.」のような表現はカジュアルからセミフォーマルまで幅広く使われます。
5. 実例と例文
以下、それぞれの場面での例文を挙げます。
1) 日常会話
- “I’ll have the same drink as you.”
(あなたと同じ飲み物を注文するよ。) - “Is this the same movie we watched before?”
(これは前に見たのと同じ映画かな?) - “We always take the same bus to work.”
(私たちはいつも同じバスで通勤している。)
2) ビジネス
- “We need to ensure the product quality remains the same across all branches.”
(すべての支店で製品の品質が同じ水準を保たれるようにしなければなりません。) - “Please use the same format for the report as last month.”
(先月と同じ形式で報告書を作成してください。) - “Our policies should be the same for all employees.”
(私たちの方針は、すべての従業員に対して同じであるべきです。)
3) 学術的・フォーマル
- “All participants were given the same instructions prior to the experiment.”
(すべての参加者に、実験前に同じ指示が与えられた。) - “The results remained essentially the same throughout multiple trials.”
(複数回の試行を通じて、結果は本質的に同じままだった。) - “According to the study, these conditions yield the same outcome.”
(その研究によれば、これらの条件は同じ結果をもたらす。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- similar (似ている)
- “similar”は「ほぼ同じ」「類似」という意味。 “same”ほど完全一致を強調しない。
- 例: “Their answers are similar but not exactly the same.”
- (彼らの答えは似ているけれど全く同じではない。)
- “similar”は「ほぼ同じ」「類似」という意味。 “same”ほど完全一致を強調しない。
- identical (全く同一の)
- “same”よりもさらに「全く同一」というニュアンスが強く、フォーマル度が少し高い。
- 例: “Those two prints are identical copies.”
- (それらの2つのプリントは全く同一のコピーだ。)
- “same”よりもさらに「全く同一」というニュアンスが強く、フォーマル度が少し高い。
- alike (よく似ている)
- “alike”は形容詞・副詞として使われ、「同様に」「似たような」という意味。
- 例: “My sisters and I look quite alike.”
- (私の姉妹と私は見た目がかなり似ている。)
- “alike”は形容詞・副詞として使われ、「同様に」「似たような」という意味。
反意語
- different (違う)
- “the same”とちょうど反対の意味を持ち、「異なる」。
- 例: “Her opinion was completely different from mine.”
- (彼女の意見は私のとは全く違っていた。)
- “the same”とちょうど反対の意味を持ち、「異なる」。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号: /seɪm/
- アメリカ英語(General American)・イギリス英語(RP)ともに大きな差はなく、[セイム]のように発音します。
- 強勢(アクセント)は語の最初の音節に置かれます。
- よくある間違いとして、語末の/m/が曖昧になって /seɪ/ のように聞こえてしまうことがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 副詞としては使わない
- “He did it same.” のように書くのは誤用です。正しくは “He did the same thing.” や “He did it in the same way.”
- “He did it same.” のように書くのは誤用です。正しくは “He did the same thing.” や “He did it in the same way.”
- 混同しやすいスペリング
- “some” と間違えてしまう例がありますが、意味が全く変わってしまうので注意しましょう。
- “some” と間違えてしまう例がありますが、意味が全く変わってしまうので注意しましょう。
- 試験対策
- TOEICや英検などでは「the same as ~」や「exactly the same」のフレーズが出題されやすいです。品詞判別や表現のバリエーションを問われることがあるので、形容詞・代名詞・名詞の使い分けをしっかり押さえておきましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “same”を覚えるコツ
- 「サム(seɪm)」という音から「さむいほど同じ」とイメージしても面白いかもしれません。
- “the same as” を定型フレーズとして覚え、「〇〇と同じ」を言いたいときにすぐ使えるようにしておくと便利です。
- 「サム(seɪm)」という音から「さむいほど同じ」とイメージしても面白いかもしれません。
- スペリングのポイント
- “same”は短く簡単ですが、“a”と“e”を逆にして “sema” と書いてしまわないよう注意しましょう。
まとめ
「same」は「同じ」「同一の」という意味を表す、とても基本的な単語です。標準的な英語では副詞としての用法は認められておらず、形容詞や代名詞、名詞の形で活用されます。日常会話でもビジネスシーンでも頻繁に登場する大事な単語なので、「the same as 〜」の形や「It’s all the same to me.」などの慣用表現をしっかり覚えておきましょう。
意味のイメージ