each
以下では、英単語 “each” をできるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
品詞:
- 形容詞(限定詞/Determiner)
- 代名詞(Pronoun)
- 副詞的に使われる場合もあり(ただし比較的まれ)
意味(英語): “every one of two or more people or things, regarded and identified separately.”
意味(日本語): 「複数あるもの・人のうち、ひとつひとつを個別に捉える」というニュアンスです。
主に「それぞれ」「各々(おのおの)」という意味で使われます。会話や文章で「複数のもの全体ではなく、一つひとつを強調したいとき」に使います。
活用形
“each” は名詞や動詞のような「時制変化」や「複数形」はありません。
- 形容詞(限定詞)として:Each person has a ticket.
- 代名詞として:Each of them has a ticket.
他の品詞
「each」は、基本的には形容詞(限定詞)と代名詞です。また、文脈によっては副詞的にも使われます(例: They cost $5 each.)。
CEFR レベル目安:A2(初級)
比較的早い段階で学習する単語です。中学英語レベルでも頻出で、日常会話でよく登場します。
2. 語構成と詳細な意味
“each” は短い単語で、目立った接頭語や接尾語はありません。古英語から来た単語で、一語として伝わってきています。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- each of us(私たちそれぞれ)
- each and every(ひとつ残らずすべて)
- each other(お互い)
- each of them(彼ら/それら のそれぞれ)
- each student(各生徒)
- each day(毎日、それぞれの日)
- each time(毎回)
- each one(それぞれひとつ)
- each aspect(それぞれの側面)
- each item(各項目)
3. 語源とニュアンス
語源
古英語の “ǽlc” (ælc) に由来し、「どれもひとつひとつ」という意味を持っていました。古くから「個々を強調する」文脈で使われており、現在でもその性質は変わっていません。
ニュアンス・注意点
- 複数の人や物から「一つひとつを取り上げたいとき」に使用する。
- 「all」が「全体」を強調するのに対し、「each」は「個々」を強調する。
- カジュアルにもフォーマルにも広く使われる。日常会話・ビジネス・学術的な文章など、あらゆる場面で用いられるが、文法的な使い方に注意する必要がある。
4. 文法的な特徴と構文
代名詞としての使い方
- “Each (of + 複数名詞) + 単数動詞”
例: Each of the students has a book.
(“each” は単数扱いなので、動詞も単数形をとる点に注意します。)
- “Each (of + 複数名詞) + 単数動詞”
形容詞(限定詞)としての使い方
- “Each + 単数名詞 + 単数動詞”
例: Each student has a different opinion.
- “Each + 単数名詞 + 単数動詞”
副詞的な使い方
- “費用/値段/単位など + each”
例: The tickets cost $20 each.
- “費用/値段/単位など + each”
イディオム的な使い方
- “Each to their own.”(人それぞれ好みは違う)
- “Each and every.”(ひとつ残らず全部)
例: She thanked each and every person who helped her.
使用シーン
- フォーマル / ビジネス文書でも、日常会話でも幅広く使われる。
- 代名詞か形容詞(限定詞)かで用法に差異があり、動詞の単数形に注意が必要。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “Each of us wants to decide what to eat for dinner.”
- 私たちはそれぞれ、夕飯を何にするか決めたいと思っている。
- 私たちはそれぞれ、夕飯を何にするか決めたいと思っている。
- “I bought these apples. They’re 50 cents each.”
- これらのリンゴを買ったよ。1個あたり50セントだ。
- これらのリンゴを買ったよ。1個あたり50セントだ。
- “Each person has a different taste in music.”
- 人それぞれ音楽の好みは違うよね。
(2) ビジネスシーンでの例文
- “Each team member is responsible for one part of the project.”
- 各チームメンバーがプロジェクトの一部を担当しています。
- 各チームメンバーがプロジェクトの一部を担当しています。
- “Please review each section of the report carefully.”
- レポートの各セクションを丁寧に確認してください。
- レポートの各セクションを丁寧に確認してください。
- “We have scheduled a meeting with each client next week.”
- 来週、顧客一社一社とミーティングを予定しています。
(3) 学術的な文脈での例文
- “Each hypothesis was tested separately to ensure accuracy.”
- 各仮説は正確性を保つため別々に検証されました。
- 各仮説は正確性を保つため別々に検証されました。
- “The survey results demonstrate how each factor influences the outcome.”
- 調査結果は、いかに各要因が結果に影響を与えるかを示しています。
- 調査結果は、いかに各要因が結果に影響を与えるかを示しています。
- “We analyzed each data set to identify any potential anomalies.”
- いくつかのデータセットを個別に分析して潜在的な異常値を特定しました。
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- every(あらゆる / すべての)
- “every” は「全体」をやや強調し、定期的・反復的な文脈でも使われる。
- 例: Every student (全生徒) / Every day (毎日)
- “each” は、個別に区別される複数を意識。
- “every” は「全体」をやや強調し、定期的・反復的な文脈でも使われる。
- all(すべて、全体)
- “all” は「全体」をひとまとまりに捉える。
- 例: All students (生徒全員)
- “each” は、その全体をさらに切り分けて「一つひとつ」に焦点を当てる。
- “all” は「全体」をひとまとまりに捉える。
反意語
“each” の反意語としては特に直接的な単語はありませんが、文脈によっては「none (どれも〜ない)」が対照的な概念になる場合があります。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /iːtʃ/
- アメリカ英語・イギリス英語ともに、ほぼ同じ発音。
- アメリカ英語・イギリス英語ともに、ほぼ同じ発音。
- 強勢(アクセント): 短い語なのでアクセントは意識しなくても大丈夫。
- よくある発音ミス:
- /eɪtʃ/ と “H” の発音のように間違える人がいるので注意。
- “ee + ch” と伸ばして「イーチ」と発音する。
- /eɪtʃ/ と “H” の発音のように間違える人がいるので注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 単数扱いを忘れる
- “Each of the students have…” としがちだが、正しくは “Each of the students has…”
- “Each of the students have…” としがちだが、正しくは “Each of the students has…”
- “every” との混同
- 「each」と「every」の使い分けに慣れるため、それぞれ「個々」「全体」とイメージすると理解しやすい。
- 「each」と「every」の使い分けに慣れるため、それぞれ「個々」「全体」とイメージすると理解しやすい。
- 同音異義語との混同
- 同音異義語は特にないが、綴り間違いや “H” との発音混同に注意。
- 同音異義語は特にないが、綴り間違いや “H” との発音混同に注意。
試験(TOEIC・英検)でも、“each of + 複数名詞 + 単数動詞” の構文はよく出題されるポイントです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「それぞれ」を表すときは “each” と覚える。
- 発音を「イーチ」としっかり伸ばせば、短くて間違えにくい。
- “each” と “every” を混同しないために:
- “each” は “個々を一つずつ別個に見るイメージ”
- “every” は “全体を漠然とひとまとめに見るイメージ”
- “each” は “個々を一つずつ別個に見るイメージ”
「each」はとても基本的でよく使われる単語ですが、文法上の扱い(単数扱いなど)に要注意です。個別を明確に示したい際には、ぜひ活用してみてください。