元となった辞書の項目
both
解説
1. 基本情報と概要
単語: both
品詞: 代名詞 (pronoun)、限定詞 (determiner)、副詞 (まれに)
CEFRレベルの目安: A2 (初級)
- 「both」は「二つとも」や「両方」という意味を表します。二つのものがそろっているとき、どちらも該当する場合などに使われる、とても基本的な英単語です。
- 「こういう場面で使われる・こういうニュアンスの単語です」:二つあるものについて、どちらか一方だけではなく、両方ともに当てはまることを強調するときに使います。日常会話やビジネスでも広く使われます。
活用形・関連する形
- both は形そのものが変化しません。
- 品詞によって使い方が異なりますが、語形変化はありません。たとえば名詞としての変化 (複数形など) はなく、動詞でもないため時制変化もありません。
- 代名詞: “Both are delicious.” (両方ともおいしい)
- 限定詞: “Both books are interesting.” (両方の本がおもしろい)
2. 語構成と詳細な意味
- 「both」は短い単語なので明確な接頭語・接尾語はなく、語幹だけの形です。
- 「両方」という意味を表し、対象が二つある状況でのみ使用されます。
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- both sides – 「両サイド」
- both ends – 「両端」
- both hands – 「両手」
- both parties – 「両当事者」 (ビジネスや法的文脈でもよく使われる)
- both of them – 「彼ら(彼女ら)両方」
- both you and I – 「あなたも私も両方」
- both men and women – 「男性も女性も両方」
- both of us – 「私たち両方」
- both the good and the bad – 「良い面も悪い面も両方」
- both in written and spoken forms – 「書き言葉でも話し言葉でも両方」
3. 語源とニュアンス
- 語源: 古英語の “bá” (両方) に由来し、古ノルド語の “báðir”(ボウズル)とも関連があります。
- 歴史的には、「二つあるものがそろっている・すべてを含む」というニュアンスで使われてきました。
- ニュアンス・使用時の注意:
- 口語・文語どちらでも広く使用可能で、フォーマル、カジュアルどちらの状況でも自然に使えます。
- 「二つのもの」にのみ適用されるため、三つ以上ある場合に使わないように注意してください。
- 口語・文語どちらでも広く使用可能で、フォーマル、カジュアルどちらの状況でも自然に使えます。
4. 文法的な特徴と構文
- both + 名詞 (限定詞的用法)
- 例: “Both students passed the exam.”
- 例: “Both students passed the exam.”
- both of + 代名詞 (代名詞的用法)
- 例: “Both of them are here.”
- 例: “Both of them are here.”
- both … and … (接続詞的用法)
- 例: “He is both smart and kind.”
- この用法では接続詞的に「…も…も両方」という意味を作り出します。
- 例: “He is both smart and kind.”
- 注意点:
- 「二つの対象」を指す時にのみ有効。
- 可算・不可算の区別自体は不要ですが、使う対象は「二つ」という数量性が前提です。
- 主語として使う場合にも、動詞は複数扱い: “Both are …” といった形になります。
- 「二つの対象」を指す時にのみ有効。
5. 実例と例文
日常会話での例文 (3つ)
- “Both of us want to see that movie tonight.”
- 私たち両方とも今夜あの映画を見たいです。
- 私たち両方とも今夜あの映画を見たいです。
- “I like both cats and dogs.”
- 私は猫も犬も両方好きです。
- 私は猫も犬も両方好きです。
- “You can use both hands if one hand is not enough.”
- 片手じゃ足りなければ両手を使ってもいいよ。
ビジネスシーンでの例文 (3つ)
- “Both parties agreed on the terms of the contract.”
- 両当事者は契約条件に合意しました。
- 両当事者は契約条件に合意しました。
- “We need to confirm both the budget and the timeline.”
- 予算もスケジュールも両方確認が必要です。
- 予算もスケジュールも両方確認が必要です。
- “Both our domestic and international clients have the same concerns.”
- 国内顧客も海外顧客も同じ懸念を抱えています。
学術的な文脈での例文 (3つ)
- “Both theories attempt to explain the origin of the universe.”
- 両方の理論は、宇宙の起源を説明しようとしています。
- 両方の理論は、宇宙の起源を説明しようとしています。
- “This data supports both our primary hypothesis and the alternative hypothesis.”
- このデータは私たちの第一仮説と代替仮説の両方を支持しています。
- このデータは私たちの第一仮説と代替仮説の両方を支持しています。
- “Both qualitative and quantitative methods were employed in this study.”
- この研究では定性的手法と定量的手法の両方が使われました。
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “the two” / 「その二つ」
- 「具体的に二つ」と述べる表現ですが、両方を強調するニュアンスは “both” の方が強いです。
- “each” / 「それぞれ」
- 「each」は二つ以上ある対象を一つ一つ分けて扱う感覚があるため、「両方をまとめて」という意味の “both” とは少し使い方が異なります。
- “the two” / 「その二つ」
反意語
- “neither” / 「どちらも~ない」
- “both” が二つについて「どちらも~する・~である」と言うのに対し、“neither” は「どちらも~しない・~でない」という逆の意味で使います。
- “neither” / 「どちらも~ない」
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA):
- アメリカ英語: /boʊθ/
- イギリス英語: /bəʊθ/
- アメリカ英語: /boʊθ/
- 強勢: 比較的小さい単語ですが、“o” の音をしっかり発音します。
- よくある発音の間違い:
- “th” の発音を「ス」としてしまうミスが多いです。舌先を歯の間に当てて、「両歯の間から空気を抜き出す」ように発音します。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “bouth” や “boath” などと間違えることがあります。
- 使い方の混同: 三つ以上ある場合には “both” は使えません。たとえば “all three” とするべき場面で “both” と書いてしまうミス。
- TOEIC / 英検などでの出題傾向: 前置詞や接続詞、限定詞としての用法を問われる問題が混在することが多いです。特に “both A and B” の構文が頻出。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “both” は「ボウス」と発音し、「この二つ、ペアでひとつ!」というイメージを持つと覚えやすいです。
- 覚える際には「“both A and B” = A も B も両方」を繰り返し声に出して練習すると定着しやすいです。
- “two things, both” とセットでイメージすれば、「二つあって、両方!」という直感的な理解が進みます。
以上が代名詞や限定詞として使われる「both」の詳細な解説です。二つの対象があるときに「どちらも・両方」と言いたい場合に欠かせない、非常に基本的で汎用性の高い単語です。ぜひ日常会話でも積極的に使ってみてください。
意味のイメージ