元となった辞書の項目
suit
動詞
…‘に'適する,合う / 《しばしば受動遠で》(…に)…‘を'合わせる,適応させる / 〈人〉‘に'似合う / 〈人〉‘に'都合がよい,‘を'満足させる / 適する,合う / 似合う / 都合がよい
解説
以下では、動詞「suit」について、できるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: to suit
- 日本語: (人や状況に)合う、ふさわしい、似合う
「suit」は、「それがその人や状況にぴったり合う」「似合っている」状態を表す動詞です。“That dress suits you.”(そのドレスはあなたに似合います)や “The new schedule suits our needs.”(その新しいスケジュールは私たちのニーズに合います)のように使われます。
品詞と活用形
- 品詞: 動詞 (Verb)
- 三単現: suits
例) He suits the role perfectly. - 過去形・過去分詞: suited
例) That color suited her well. - 現在分詞: suiting
例) The plan seems suiting for our timeline.
他の品詞形
- 名詞: suit(スーツ・訴訟・一続きのもの など)
例) He bought a new suit for the interview. - 形容詞(派生はありませんが、名詞 “suit” を使った形容詞句 “suit-like” などはあります)
CEFRレベル
- B1(中級)
「suit」は日常会話やビジネスシーンでもよく使われ、基本的なコミュニケーションに必要な語彙です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- もともとはフランス語経由で入ってきた単語で、大きな接頭語や接尾語はありません。
- 語幹: suit
詳細な意味
- (物・服装などが人に)似合う
- (計画・時間・環境などが)適している、都合が良い
- (人の好みや要求などに)合う、満足させる
関連語・派生語
- suitable (形容詞): 適切な、ふさわしい
- suitability (名詞): 適合性、ふさわしさ
- unsuit (動詞形はあまり一般的ではないが、合わないようにする、という派生語)
よく使われるコロケーション(10選)
- suit someone’s needs(~のニーズに合う)
- suit someone’s tastes(~の好みに合う)
- suit someone fine(~にとってちょうど良い/大丈夫である)
- suit the occasion(場にふさわしい)
- suit your style(自分のスタイルに合う)
- suit someone well(~によく似合う)
- suit the climate(気候に合う)
- suit one’s budget(予算に合う)
- suit yourself(好きにしなさい・ご自由にどうぞ)
- suit one’s schedule(スケジュールに合う)
3. 語源とニュアンス
語源
「suit」はフランス語の “suite”(続き、従う)からきており、さらにラテン語の “sequī” (続く)が由来とされています。中世に「ひと続きの法廷手続き(訴訟)」や「従者の列」を意味する形で使われ、そこから「衣服の組み合わせ」「似合う」といった意味へと派生しました。
ニュアンス・使用時の注意
- 「suit」は「ちょうどよい」「合う」というニュアンスが強く、ポジティブな響きを持ちます。
- 口語でも文章でも使える言葉ですが、「似合う」や「都合が合う」というフレンドリーな表現として日常会話でよく使われます。
- フォーマルなビジネスメールでも「都合が良い」という意味合いで “If this time suits you” のように使います。
4. 文法的な特徴と構文
構文例
- A suits B.(AはBに合う)
例) This color suits you. - It suits [人/目的] / It suits to do [~].(それは人・目的に適している)
例) That plan suits our needs perfectly.
フォーマル/カジュアル
- フォーマル: “It would suit our objectives to start next month.”
- カジュアル: “Red really suits you!”
他動詞としての使い方
- “suit” は基本的に他動詞で、目的語が必要です。(例: “This dress suits me.”)
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “You should try on that jacket; I think it’ll suit you.”
(そのジャケット試着してみなよ。似合うと思うよ。) - “Let’s meet at 10 AM, if that suits you.”
(もし都合がよければ、午前10時に会いましょう。) - “I usually go with coffee in the morning, but tea suits me just fine too.”
(朝は普段コーヒーだけど、紅茶も全然いけるよ。)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “Does Wednesday at 2 PM suit your schedule?”
(水曜日の午後2時はあなたのスケジュールに合いますか?) - “We need to find a strategy that suits our rapidly expanding market.”
(急速に拡大する市場に合った戦略を見つける必要があります。) - “It would suit our budget better if we reduce travel expenses.”
(出張費を削れば、私たちの予算にはより都合がよいでしょう。)
学術的な文脈での例文(3つ)
- “We selected a methodology that best suits the research objectives.”
(研究目的に最も適した方法論を選択しました。) - “This hypothesis suits our current theoretical framework.”
(この仮説は、私たちの現在の理論的枠組みに合致しています。) - “We need to adapt our data analysis methods to suit the new dataset.”
(新しいデータセットに合うように、データ分析手法を調整する必要があります。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- fit(合う、適合する)
- “fit” は物理的なサイズや形状が合うというニュアンスが強い。
例) “This shirt fits me perfectly.”
- “fit” は物理的なサイズや形状が合うというニュアンスが強い。
- match(マッチする、合致する)
- “match” は色や柄、条件などが合う。組み合わせの相性を強調。
例) “Her shirt matches her shoes.”
- “match” は色や柄、条件などが合う。組み合わせの相性を強調。
- be appropriate for(~に適している)
- よりフォーマルで、状況やルールにふさわしい意味合いが強い。
例) “His behavior was appropriate for the occasion.”
- よりフォーマルで、状況やルールにふさわしい意味合いが強い。
反意語
- clash(合わない、衝突する)
例) “That color clashes with your pants.” - not suit(合わない)
例) “That position doesn’t suit him at all.”
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- アメリカ英語: /suːt/
- イギリス英語: /suːt/ または /sjuːt/(一部地域)
※イギリス英語では “s” の後に “y” の音が入る傾向があるため、/sjuːt/ と発音する人もいます。
強勢(アクセント)
- “suit” は1音節で、強勢は “suit” 全体におかれます。
よくある発音の間違い
- “soot” (/sʊt/) と混同してしまう
- “U” の部分をはっきり /uː/ の長母音として発音しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルは “suit” で、名詞の “suit(スーツ)” と同じです。つづりを “suite” と混同してしまわないよう注意が必要です。“suite” は「スイートルーム」や「一続きの部屋」という別の単語です。
- 同音異義語の “suite” (/swiːt/) と混同しないようにしましょう。
- 試験(TOEIC・英検など)では、同義語 “fit” や “match” と言い換え問題として出題されることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 名詞の「スーツ」と同じスペルなので、「服が似合う」⇒「suit someone」と連想すると覚えやすいです。
- 「あなたにスーツ(服)が似合う=あなたに suit が合う」と関連づけると、動詞の意味も自然と身につきます。
- 語頭の “su-” は “super” の “su” などと混ざらないよう注意。「着心地が最高(super)だから suit」というイメージで覚えるのも一案です。
以上が、動詞「suit」の詳細な解説です。「suit」は日常生活からビジネスまで幅広く使え、シンプルかつ汎用性が高い重要単語です。ぜひ、例文やコロケーションを意識して学習してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
…‘に'適する,合う
意味(2)
《しばしば受動遠で》(…に)…‘を'合わせる,適応させる
意味(3)
〈人〉‘に'似合う
意味(4)
〈人〉‘に'都合がよい,‘を'満足させる
意味(5)
適する,合う