元となった辞書の項目
murder
解説
名詞 murder
を徹底解説
1. 基本情報と概要
英語: murder
日本語: 殺人(犯罪行為としての人の殺し)
品詞: 名詞 (noun)
- 「murder」は、意図的・違法に人を殺す行為全般を指す名詞です。
- 日本語で「殺人」と言われるとおり、非常に重い意味を含む単語で、犯罪やニュース記事などで頻繁に目にします。公的・法律的な文脈でも使われる言葉です。
活用形や関連品詞:
- 名詞形: murder (複数形: murders)
- 動詞形: to murder (murders, murdered, murdering)
- 派生名詞: murderer(殺人者)
- 形容詞形: murderous(殺人的な、物騒な)
CEFRレベル目安: B2(中上級)
- 「murder」はニュースや社会問題の文脈などで比較的よく目にするため、中上級者にもなじみがある単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
「murder」は接頭語や接尾語がはっきり分かれた形ではなく、古英語由来の全体が語根となる単語です。
詳細な意味
- 名詞として「殺人」という意味を持ち、特に意図的で違法な人の殺害を強調します。
- 口語的に「とてもつらい状況」や「非常に難しいタスク」を比喩的に「murder」と表現する場合もあります(“This homework was murder!” など)。
関連語彙・派生語
- murderer (名詞): 殺人者
- murderous (形容詞): 殺人のように危険な、殺気立った
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- commit murder(殺人を犯す)
- be charged with murder(殺人罪で訴えられる)
- first-degree murder(第一級殺人)
- attempted murder(殺人未遂)
- solve a murder case(殺人事件を解決する)
- murder investigation(殺人事件の捜査)
- get away with murder(殺人を犯して罰を逃れる / 転じて何か悪いことをしても罰を免れる)
- a brutal murder(残忍な殺人)
- a murder suspect(殺人容疑者)
- premeditated murder(計画的殺人)
3. 語源とニュアンス
語源
「murder」は古英語の “morthor” に由来し、中英語を経由して現在の形になりました。古くから「秘密裏に人を殺す」というイメージが強い言葉で、時代を経ても「重罪」「意図的な命の奪い」を示す意味合いが中心にあります。
ニュアンス・使用時の注意点
- 極めて深刻な犯罪行為を指すため、ニュースや法的文書、ミステリー小説などでよく使われます。
- 日常会話でも比喩として使われることがありますが(「this traffic is murder!」など)、文脈を誤ると誤解を招くことがあるため注意が必要です。
- 公的・フォーマルな場面では、本来の「殺人」を意味する場合に限定的に使われることが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
文法上のポイント
- 名詞としての「murder」は可算名詞であり、「a murder」「two murders」のように数えられます。
- 動詞として使う場合は「to murder (人)」という他動詞になり、目的語に殺される相手がきます(He murdered his enemy. など)。
一般的な構文やイディオム
- 「to commit murder」: 殺人を犯す
- 「to get away with murder」: 文字通りの意味「殺人を犯しても逃げ切る」か、転じて「何をしても許される」
- 「to murder someone in cold blood」: 冷酷にも殺す、という表現
フォーマル/カジュアル
- 法律文書やニュース報道など、フォーマルかつ公的な文脈では「murder」は正確な法律用語として使われます。
- 口語で冗談まじりに使う場合は、かなり強い表現になるので要注意です。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “I almost died laughing at that comedy show. It was murder on my stomach!”
(あのコメディショーで、笑いすぎて死にそうだったよ。お腹が痛くて大変だった!) - “That final exam was murder! I barely managed to finish in time.”
(あの期末試験は本当にきつかった! なんとか時間内に終わらせたよ。) - “This traffic jam is murder. We’re going to be late for sure.”
(この渋滞は最悪だ。きっと遅刻しちゃうよ。)
ビジネスシーンでの例文
- “The negotiations were murder, but we finally reached an agreement.”
(交渉は非常に厳しかったが、ついに合意にこぎつけた。) - “Preparing the presentation on such short notice was murder, but it paid off.”
(こんなに短い準備期間でプレゼン資料を作るのは大変だったが、やり遂げたね。) - “Trying to fix the budget errors at the last minute was murder on our schedule.”
(予算のエラーをギリギリで修正するのはスケジュール的にかなりきつかった。)
学術的/公的文脈での例文
- “The study focuses on the psychological aspects of murder and its impact on society.”
(その研究は、殺人の心理的側面と社会への影響に焦点を当てている。) - “He was convicted of first-degree murder and sentenced to life imprisonment.”
(彼は第一級殺人罪で有罪判決を受け、終身刑に処された。) - “The book provides a comparative analysis of murder rates across different countries.”
(その本は各国の殺人率を比較分析している。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- homicide(殺人):法律用語で「人を殺すこと」。英米法で使われる表現。
- manslaughter(過失致死/故殺):殺人ではあるが、故意ではなく過失や一時的激情による場合を指す。
- assassination(暗殺):政治的または公的な人物を狙った殺人。
- killing(殺害):必ずしも犯罪とは限らない「殺す行為」一般を指す(動物の殺しにも使う)。
反意語
- 明確な「反意語」はありませんが、対比としては “save (life)”(命を救う)などが言語的には対になる行為となります。
違いのポイント
- 「murder」は計画性や違法性が含意されるため、より重々しい意味合いになります。
- 「manslaughter」は罪が重い状況もあるものの、計画性が乏しい、または過失である点が異なります。
7. 発音とアクセントの特徴
IPA表記
- イギリス英語 (BrE): /ˈmɜː.dər/
- アメリカ英語 (AmE): /ˈmɝ.dɚ/
アクセントと発音のポイント
- 第一音節「mur-」に強勢が置かれます。
- イギリス英語では /mɜː/ と長母音で発音され、アメリカ英語では /mɝ/ とrが強めに発音される傾向があります。
- 「-der」の部分がイギリス英語では “dər”、アメリカ英語では “dɚ” のようにやや短くはしょった音になるのが特徴です。
よくある発音ミス
- 第一音節にアクセントを置き忘れる、あるいは「mur」の音をあいまいにして “マーダー” と長く発音しすぎることがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルや同音異義語との混乱:
- “murder” のスペルミスとして “muder” や “murdar” などと書いてしまうケースがあります。
- “murder” のスペルミスとして “muder” や “murdar” などと書いてしまうケースがあります。
- 同じく “mutter (つぶやく)” とは全く違う意味ですので要注意。
- 試験対策:
- TOEICや英検などでは、ニュース記事や法的文脈の読解問題などでしばしば登場します。
- “manslaughter” と区別する問題が出ることもあるので注意が必要です。
- TOEICや英検などでは、ニュース記事や法的文脈の読解問題などでしばしば登場します。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “mur-” の音から「むごたらしい刑事事件」をイメージすると覚えやすいかもしれません。
- 「murder = 人を殺す行為」という重いイメージをしっかりと押さえておくと、ニュースなどで聞いたときに瞬時に意味がわかるようになります。
- 映画やドラマのタイトルで “Murder” というワードが含まれる作品が多いので、それら作品名と紐づけて覚えるのも一案です。
以上が「murder」の詳細解説です。凶悪犯罪を指す重々しい単語でありながら、口語では比喩にも使われる点など、使い所に注意しつつ覚えておきましょう。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉殺人謀殺,殺害
意味(2)
〈C〉殺人行為,殺人事件
意味(3)
〈U〉《話》危険なこと,命取りになること