except
前置詞「except」の詳細解説
1. 基本情報と概要
英語: except
品詞: 前置詞 (場合によっては接続詞としても使われる)
日本語の意味: 「~を除いて」「~以外は」
「except」は「何かを除外する」というニュアンスを持ちます。たとえば、「Someone does something except 〇〇.」と言うと、「〇〇を除いて~する」といった意味になります。会話でも文章でもよく使われる表現で、特定の対象や範囲を“除外”するイメージを持つ単語です。
- CEFRレベル: B1 (中級)
「except」は日常会話でも比較的よく出てくるため、中級レベルの学習者でも理解しやすい語彙です。
活用形
「except」は前置詞や接続詞として使われるため、動詞のように活用しません。
- 前置詞: I have no plans except going to the park. (公園に行くこと以外予定がない)
- 接続詞: Everyone gave their opinion, except John didn't say anything. (厳密には会話ではこういった接続詞的用法も見かけるが、文法的には前置詞的に使うのが一般的)
他の品詞になった時の例
- except (動詞) [やや古風]: “to except someone/something” は「(人・ものを)除外する」という動詞としても稀に使われることがありますが、現代英語ではほとんど一般的ではありません。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- ex-: 「外へ」という意味の接頭辞(ラテン語由来)
- cept: ラテン語「capere(取る)」に由来する語幹。
- 「accept(受け取る)」や「concept(概念)」、「receive(受け取る)」などと同様に、「取る/受け取る」を意味する語根に由来しています。
「except」は「外に取る(取り除く)」というイメージが語源で、「~を除いて」という現在の意味につながっています。
よく使われるコロケーション/関連フレーズ(例文・日本語訳付き)
- except for N / except for something → 「~を除いて」
- 例: Everything was fine except for one issue. (1つの問題を除いてはすべて順調だった)
- 例: Everything was fine except for one issue. (1つの問題を除いてはすべて順調だった)
- everyone except me → 「私を除く全員」
- 例: Everyone except me arrived on time. (私を除く全員は時間通りに到着した)
- 例: Everyone except me arrived on time. (私を除く全員は時間通りに到着した)
- nothing except ~ → 「~以外は何も…ない」
- 例: I have nothing except this old book. (この古い本以外は何も持っていない)
- 例: I have nothing except this old book. (この古い本以外は何も持っていない)
- except in rare cases → 「稀なケースを除いて」
- 例: We don’t use this method except in rare cases. (稀なケースを除いてこの方法は使わない)
- 例: We don’t use this method except in rare cases. (稀なケースを除いてこの方法は使わない)
- except by chance → 「偶然以外は」
- 例: We can’t meet except by chance. (偶然以外では会えない)
- 例: We can’t meet except by chance. (偶然以外では会えない)
- except under certain conditions → 「特定の条件下を除いて」
- 例: We don’t allow visitors except under certain conditions. (特定の条件下を除き、訪問者は許可していない)
- 例: We don’t allow visitors except under certain conditions. (特定の条件下を除き、訪問者は許可していない)
- except for minor details → 「細かい点を除いて」
- 例: The report is complete except for minor details. (細かい点を除けばレポートは完成している)
- 例: The report is complete except for minor details. (細かい点を除けばレポートは完成している)
- except in name → 「名目上を除いて」
- 例: He is president except in name. (名目上は別として彼が実質的に社長だ)
- 例: He is president except in name. (名目上は別として彼が実質的に社長だ)
- except with permission → 「許可なしには」
- 例: You can’t use this equipment except with permission. (許可なしにはこの装置は使えない)
- 例: You can’t use this equipment except with permission. (許可なしにはこの装置は使えない)
- except as noted → 「特記がある場合を除いて」
- 例: All items are valid except as noted. (特記がある場合を除き、すべてのアイテムは有効である)
3. 語源とニュアンス
語源:
ラテン語 “excipere” (ex-「外へ」+ capere「取る」) から来ています。元の意味は「外へ取り出す」「取り除く」といったイメージで、現代英語の「except(~を除いて)」に直結しています。
歴史的な使用:
中世英語期にはすでに「except」の原型が使われており、古くから除外や例外を示す表現として定着してきました。
ニュアンス・使用時の注意点:
- 「except」は一部を取り出して(除外して)話すため、相手がどの部分が含まれ、どの部分が含まれないのかを明確に理解できるように注意しましょう。
- 口語でも書き言葉でも問題なく使えますが、文書で「except for」の形が特によく見られます。
4. 文法的な特徴と構文
1) 前置詞としての使い方(一般的)
- Anything is fine except sushi.
- 「寿司以外なら何でも大丈夫です。」
- メインの対象から何かを“除外”するイメージです。
2) 接続詞的に使うこともあるが、口語的
- Everyone was present except John didn’t show up. (やや不自然な使い方だが口語では使用されることも)
- 正式には “except that John didn’t show up” や “except for John, who didn’t show up” などを使います。
文法上のポイント:
- 「except for」は文頭や文中で「~を除いては」と書き言葉でもよく使われます。
- 文章を書く際は、「except that (+節)」も時々見かけますが、ややフォーマルよりの表現です。
5. 実例と例文
5.1 日常会話での例文 (3例)
- “I like all fruits except bananas.”
- 「バナナ以外のフルーツは全部好きです。」
- 「バナナ以外のフルーツは全部好きです。」
- “Everyone except me went to the party.”
- 「私を除いてみんなパーティーに行きました。」
- 「私を除いてみんなパーティーに行きました。」
- “Nothing happened today except I overslept.”
- 「寝坊したこと以外、今日は何もなかったです。」
5.2 ビジネスシーンでの例文 (3例)
- “All departments except HR have submitted the report.”
- 「人事部を除くすべての部署がレポートを提出しました。」
- 「人事部を除くすべての部署がレポートを提出しました。」
- “The seminar is open to everyone except external contractors.”
- 「セミナーは外部の契約者を除いて、すべての方が参加可能です。」
- 「セミナーは外部の契約者を除いて、すべての方が参加可能です。」
- “We have completed all tasks except for the final review.”
- 「最終確認を除いて、すべてのタスクが完了しています。」
5.3 学術的な文脈での例文 (3例)
- “The data indicate consistent results except for a small subset of outliers.”
- 「外れ値の小さなサブセットを除いて、そのデータは一貫した結果を示しています。」
- 「外れ値の小さなサブセットを除いて、そのデータは一貫した結果を示しています。」
- “No participants dropped out of the study except one who moved overseas.”
- 「海外へ引っ越した1名を除いて、研究から脱落した参加者はいませんでした。」
- 「海外へ引っ越した1名を除いて、研究から脱落した参加者はいませんでした。」
- “All theories hold valid except in the case of extreme conditions.”
- 「極端な条件の場合を除けば、すべての理論は妥当します。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
apart from (~は別として)
- 「except」に似ていますが、文脈によっては“そもそも別として扱う”という意味も含む場合があります。
- 例: Apart from my sister, no one else came. (姉[妹]は別として、他には誰も来なかった)
- 「except」に似ていますが、文脈によっては“そもそも別として扱う”という意味も含む場合があります。
excluding (~を除いて)
- 除外のニュアンスは同じですが、よりカチッとした印象があります。
- 例: This fee is excluding taxes. (この料金には税金は含まれていません)
- 除外のニュアンスは同じですが、よりカチッとした印象があります。
other than (~以外の)
- “except”とほぼ同義ですが、時に「それ以外の何でも」という肯定的文脈に使われることが多いです。
- 例: I can’t think of anything other than taking a break. (休憩を取る以外は何も思いつかない)
- “except”とほぼ同義ですが、時に「それ以外の何でも」という肯定的文脈に使われることが多いです。
反意語
- including (含む)
「except(除く)」とは反対に「含む」という意味。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA):
- アメリカ英語: /ɪkˈsɛpt/
- イギリス英語: /ɪkˈsɛpt/ または /ɛkˈsɛpt/
- アメリカ英語: /ɪkˈsɛpt/
- アクセント位置: “ex-cept” の後ろの音節 (‐cept) に強勢がきます。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い: 大きな違いはありませんが、イギリス英語で先頭の “ex” が /ɛks-/ となることがある程度です。
- よくある発音の間違い:
- “except” と “accept” ( /əkˈsɛpt/ ) の混同。アクセントの位置と最初の母音の違いに注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- “except” と “accept” のスペル・発音混同
- 例: “I except your apology.” (×) → “I accept your apology.” (○)
- 例: “I except your apology.” (×) → “I accept your apology.” (○)
- “expect” (期待する) とのスペルの混同
- 例: “I except a phone call.” (×) → “I expect a phone call.” (○)
- 例: “I except a phone call.” (×) → “I expect a phone call.” (○)
- TOEICや英検などの試験での出題
- 文章中の前置詞問題で、 “except for” と “besides” や “apart from” の使い分けを問われる場合があります。
- 文脈に応じて「除外なのか、追加なのか」を注意して区別する必要があります。
- 文章中の前置詞問題で、 “except for” と “besides” や “apart from” の使い分けを問われる場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- ex- は “外へ” と覚えて、“外に取る = 除く” → except と連想する。
- accept (アクセプト) と アクセントの違いを触感的にイメージすると、
- “ex-” は外に出す
- “ac-” は中に取り込む
という風に対比してイメージすると覚えやすいです。
- “ex-” は外に出す
- スペリングを覚えるときは “ex + cept” の形をしっかり確認し、“except” が “受け取る(accept)” ではなく “除く” であることに注意するテクニックもあります。
以上が、前置詞「except」の詳細な解説です。「除外」のニュアンスを持つ便利な単語なので、品詞やスペルの混同に気をつけながら正しく活用してください。
…を除いて,のほかは