最終更新日:2024/06/14
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元となった辞書の項目

spare

IPA(発音記号)
動詞

〈他〉を容赦する / 《苦労などを》〈人〉にさせない《〜〈人〉〈苦労〉》 / (時間・労力など) を惜しむ / (労力・時間など) をさく

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彼は成功のためには努力を惜しまなかった。

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解説

以下では、動詞「spare」について、できるだけ詳しく解説します。


1. 基本情報と概要

単語: spare

品詞: 動詞 (他に形容詞・名詞の用法もあり)

活用形: spare - spared - spared - sparing

英語での意味(動詞)

・to give or lend something (someone can spare something)

・to refrain from harming or destroying someone/thing (to spare someone’s life)

・to make something available (time, money, etc.) because you do not need it all

・to refrain from using or wasting something

日本語訳と簡単な説明

・「(お金や時間などを)割く」「(人や物を)助ける、危害を加えないでおく」「(労力や感情などを)惜しむ」などを意味します。

・人に何かをあげたり貸したりする、または相手を殺したり傷つけたりせずに助命する、というような場面で使われる単語です。

・「気持ちや労力を抑える」ニュアンスで「(苦労や困難などを)避けさせる」「許す」というような使われ方もあります。「Can you spare me some time?(少し時間を割いてもらえますか?)」のように、とても日常的に使われます。

CEFRレベル: B2 (中上級)

(理由: 「spare」は多義的で、時に抽象的にも使われるため、やや中級以上の理解が必要です)

他の品詞:


  • 形容詞: 「余分の」「予備の」

    例: a spare key (予備の鍵), a spare tire (スペアタイヤ)

  • 名詞: 「予備」「スペア」

    例: Do you have any spares? (何か予備がありますか?)


2. 語構成と詳細な意味

語構成


  • 「spare」は接頭語・接尾語などがついた形ではなく、Old English由来の単独の語です。

詳細な意味


  1. (時間・お金などを) 割く

    ・Can you spare a few minutes? (少し時間を割けますか?)

  2. (人・物を) 害から救う、免れさせる

    ・They begged the attacker to spare their lives. (彼らは命だけは助けてくれと懇願した)

  3. (感情を) 控える、(苦労・不快なこと)を免れさせる

    ・I want to spare you the details. (詳しいことは話さないでおくよ)

  4. (労力・費用などを) 惜しむ / 控える

    ・He didn’t spare any expense on his wedding. (彼は結婚式で費用を惜しまなかった)

よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)


  1. spare time – 余暇

  2. spare money – 余らせているお金 / 余剰資金

  3. spare no effort – 努力を惜しまない

  4. spare no expense – 費用を惜しまない

  5. spare someone’s feelings – (人の)感情を傷つけないようにする

  6. spare a thought for – (困っている人に)思いを寄せる

  7. spare oneself (something) – (不快・苦労など)を回避する

  8. spare the details – 詳細を省く

  9. spare someone the trouble – (人)に手間をかけさせない

  10. have … to spare – 〜を余分に持っている


3. 語源とニュアンス

語源

「spare」は古英語の“sparian”(節約する、惜しむ)に由来します。歴史的には「何かを使わずにとっておく」、「相手を傷つけずに(死から)助ける」という意味で使われてきました。

ニュアンス・使用時の注意


  • 「spare me」は、丁寧に頼む「(少し時間やお金を)分けてもらえる?」という意味ですが、皮肉っぽく「そんな話はやめてくれ」(Spare me the lecture!) のように使うこともあります。

  • 「助ける」「割く」というポジティブな意味から、ややフォーマルにもカジュアルにも幅広く使われます。

  • 相手を配慮した言い方で、ビジネスメールでも頻繁に使われます。


4. 文法的な特徴と構文


  1. 他動詞としての用法:


    • 主語 + spare + 目的語 + (目的語2/対象)

      例: Could you spare me a minute?

      (目的語として「me」、さらに「a minute」と二重目的語をとる使い方が多いです)


  2. 自動詞としての用法は非常に限定的


    • 一般的には他動詞として用いられることが多いです。


  3. イディオム・構文:


    • spare (someone) the details: 相手を気遣って詳細を避ける

    • spare no effort/expense: 努力/費用を惜しまない


  4. フォーマル / カジュアル:


    • 「Could you spare a moment?」(少し時間ありますか?) は丁寧だがカジュアルに近い。

    • 「Please spare me~」は依頼 / 皮肉いずれにも応用可能。



5. 実例と例文

(1) 日常会話の例文


  1. “Could you spare me a minute? I need some advice.”

    (ちょっと時間を割いてくれる? 相談があるの。)

  2. “I only have one pen, so I’m sorry I can’t spare you one.”

    (ペンが1本しかないから、残念だけど貸してあげられないんだ。)

  3. “Please spare me the details of your argument. I don’t want to get involved.”

    (そのケンカの詳細は話さなくていいよ。巻き込まれたくないからね。)

(2) ビジネスシーンの例文


  1. “Could you spare some time to review the report before our meeting?”

    (会議前に、そのレポートをチェックする時間をとれますか?)

  2. “We should spare no expense in ensuring our customers’ satisfaction.”

    (顧客満足のためには費用を惜しむべきではないですね。)

  3. “If you could spare a moment, I’d like to discuss the new project proposal.”

    (少しお時間いただければ、新しいプロジェクト提案についてお話ししたいのですが。)

(3) 学術的な文脈の例文


  1. “Researchers must spare no effort in collecting accurate data.”

    (研究者は正確なデータ収集にあたり、努力を惜しんではならない。)

  2. “The committee decided to spare the department from budget cuts this year.”

    (委員会は、今年はその部門を予算削減から免れさせることを決めた。)

  3. “Please spare us the technical jargon and summarize the results in plain language.”

    (専門用語は使わずに、結果をわかりやすく要約してください。)


6. 類義語・反意語と比較

類義語


  1. save (救う、節約する)


    • “save”は「貯める」「救う」といった意味が強い。一方、「spare」は「費用や労力を惜しまない」「割く」というニュアンスがある。


  2. reserve (取っておく、予約する)


    • “reserve”は確保する・予約するニュアンスが中心。「spare」は「(時間・お金を)使ってでも与える/救う」という側面が強い。


  3. pardon (許す)


    • “pardon”は「罪や非礼を許す」という法的・公式的ニュアンス。「spare」は、物理的・金銭的・感情的に「相手を助ける/譲る」ニュアンス。


反意語


  • use up (使い切る)

  • waste (浪費する)

  • harm (傷つける、害を与える)

    → 「spare」は「害を与えない」「余裕を持って使う」なので、これらが反対の概念になります。


7. 発音とアクセントの特徴

発音記号(IPA)


  • イギリス英語(BrE): /speə(r)/

  • アメリカ英語(AmE): /spɛr/ または /sper/

強勢(アクセント)の位置


  • “spare”は1音節の単語なので、特にアクセントの移動はありません。単語全体にストレスがかかります。

よくある発音ミス


  • spear (/spɪər/)「槍」と混同しないよう注意。(母音の長さとrの扱いが異なる)

  • アメリカ英語では「スペア」より「スペァ」寄りの発音になりがち。


8. 学習上の注意点・よくある間違い


  1. スペルミス: “spare” を “spear” と書いてしまう混同

  2. 多義語ゆえの混乱: 「余裕がある」「予備」「惜しむ」「助ける」の意味の違いに気をつける

  3. TOEICや英検などでは、ビジネス文脈・日常文脈の両方で出題される可能性がある


    • 例: “Could you spare me a few minutes to go over the schedule?” (TOEICパート3,4などの定番表現)



9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • 「spare tire (スペアタイヤ)」や「spare key (スペアキー)」から「余分に確保しておく」「とっておく」というイメージを連想しやすい。

  • 「Can you spare me~?」のフレーズは「時間やものを惜しまずに割いてくれる?」という感覚で覚えておくとよい。

  • “spare no effort” という慣用句は「努力を惜しまない」なので、セットで覚えておくと実践で役立ちます。


上記をまとめると、「spare」は一言で言えば「(余裕があるものを)割く/助ける/惜しむ」という幅広い意味を持つ動詞です。依頼時や感情を和らげる表現、ビジネスシーンでもよく出てくるため、多義性に慣れておくのがポイントです。ぜひ多様な用例で覚え、柔軟に使えるように練習してみてください。

意味のイメージ
spare
意味(1)

…‘を'容赦する,‘の'命を助ける

意味(2)

spare+〈人〉+〈労苦〉》〈苦痛・苦労まど〉‘を'〈人〉‘に'させない

意味(3)

《通例否定文で》〈時間・労力など〉‘を'惜しむ,控える

意味(4)

〈労力・時間など〉‘を'さく,割愛する;…‘を'なしですませる

意味(5)

(ある日的のために)…‘を'取っておく,残しておく《++for+

意味を覚えるための辞書問題

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