元となった辞書の項目
deliver
動詞
《...に》〈手紙・荷物など〉を配達する《to ...》 / 《…に》〈打撃・攻撃など〉を加える《to ...》 / 〈意見など〉を述べる / 《…から》〈人〉を救い出す《from ...》
解説
以下では、動詞 “deliver” について、できるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: “to deliver” = to take something to a person or place, to give a formal talk, or to achieve or provide the results that were promised.
- 日本語: 「(荷物や手紙などを)配達する」、「(演説やスピーチを)行う」、「(約束していた結果などを)もたらす、実現する」のような意味の動詞です。
例えば、「ピザを配達する」「スピーチをする」「約束を果たす」というニュアンスで使います。
品詞と活用形
- 品詞: 動詞 (Verb)
- 活用形:
- 原形: deliver
- 過去形: delivered
- 過去分詞: delivered
- 現在分詞・動名詞: delivering
- 原形: deliver
他の品詞形
- 名詞形: delivery(デリバリー: 配達、配送、出産の取り扱いなど)
- 派生形容詞: deliverable(デリバラブル: 配達可能な、成果物などを指す場合あり)
CEFRレベル
- 目安: B1〜B2(中級〜中上級)
- B1(中級): 基本的な語彙として「配達する」の意味を理解し、日常で使う。
- B2(中上級): 「約束した結果をもたらす」など、比喩的・抽象的な使い方も含め幅広く使える。
- B1(中級): 基本的な語彙として「配達する」の意味を理解し、日常で使う。
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・語幹など
- deliver は、もともとラテン語で「自由にする」というニュアンスを持つ語源から来ています。
- de-(強調や離脱などを表す接頭語)+ liberare(解放する)が組み合わさった形が語源とされます。
関連する派生語・類縁語
- delivery(名詞)
- deliverance(名詞): 救出、解放
- deliverer(名詞): 配送者、(文脈によっては)救済者
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- deliver goods(商品を配達する)
- deliver a message(メッセージを伝える)
- deliver a baby(赤ちゃんを取り上げる、出産させる)
- deliver a speech(スピーチをする)
- deliver on a promise(約束を果たす)
- deliver a verdict(判決を言い渡す)
- deliver results(結果を出す)
- deliver the mail(郵便を配達する)
- deliver a performance((舞台などで)パフォーマンスを披露する)
- deliver a blow(打撃を与える、一撃を加える)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語 “deliberare” (de- + liberare)= 「自由にする」 が由来。
そこから、「手放して相手へ渡す」「配達する」という意味で中英語から現代英語へと変化しました。
ニュアンス・感情的な響き
- 「deliver」と言うと、約束や責任をきちんと“遂行する”イメージを伴うケースも多いです。
- 配達・提出など「物理的に相手へ渡す」だけでなく、「約束や期待に応える」という抽象的なニュアンスでも日常的に使います。
使用されるシーン
- “deliver” は比較的フォーマル度合いは中程度。ビジネスや日常会話、どちらでもよく使われます。
- 堅苦しすぎないが、くだけすぎてもいないので、多くの場面で適切に利用可能です。
4. 文法的な特徴と構文
- 基本的には他動詞 (transitive verb) として用いられ、「deliver + 目的語」の形を取ります。
例: “He delivered the package.” - 場合によっては、「deliver + 目的語 + to + 人/場所」のパターンがあります。
例: “She delivered the documents to the manager.” - “deliver on + 抽象名詞” という言い回しで、「〜を果たす」「〜に応える」といった意味にもなります。
例: “He always delivers on his promises.”
イディオムや慣用表現
- deliver the goods:期待された成果や仕事をきちんと果たす
- deliver the final blow:とどめを刺す(比喩的に)
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “Could you deliver this letter to the post office for me?”
(この手紙を郵便局まで届けてくれませんか?) - “I’m expecting a package to be delivered today.”
(今日、小包が配達される予定です。) - “They delivered pizza in under 30 minutes!”
(彼らは30分以内でピザを配達してくれたよ!)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “We need to deliver the final report by Friday.”
(金曜日までに最終報告書を提出する必要があります。) - “Our team is committed to delivering high-quality results.”
(私たちのチームは高品質な成果を提供することを約束しています。) - “He delivered an excellent presentation at the conference.”
(彼はその会議で素晴らしいプレゼンテーションを行いました。)
学術的・フォーマルな文脈での例文(3つ)
- “The keynote speaker delivered a comprehensive lecture on climate change.”
(基調講演者は気候変動に関する包括的な講義を行いました。) - “The jury is expected to deliver a verdict next week.”
(陪審員団は来週、評決を言い渡すと見られています。) - “Her research findings, when delivered at the symposium, attracted significant attention.”
(彼女の研究成果はシンポジウムで発表された際、大きな注目を集めた。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “bring”(持ってくる)
- よりカジュアルで、単に「持ってくる」という意味が強い。
- よりカジュアルで、単に「持ってくる」という意味が強い。
- “hand over”(手渡す)
- 手渡しで渡すイメージが強く、口語的にも使われる。
- 手渡しで渡すイメージが強く、口語的にも使われる。
- “provide”(提供する)
- 「提供する」という広い意味で使う。抽象的なものにも使える。
- 「提供する」という広い意味で使う。抽象的なものにも使える。
- “distribute”(配布する)
- 多数の人や場所へ広く「分配する」イメージ。
反意語
- “receive”(受け取る)
- deliver が「送る」「配達する」なのに対し、receive は「受け取る」立場。
- deliver が「送る」「配達する」なのに対し、receive は「受け取る」立場。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA表記:
- アメリカ英語: /dɪˈlɪv.ɚ/
- イギリス英語: /dɪˈlɪv.ə/
- アメリカ英語: /dɪˈlɪv.ɚ/
- アクセント(強勢)は “li” の部分にあります:de-LI-ver
- よくある間違いとして、アクセントが “DE-li-ver” にならないように注意してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス “deliever” と書いてしまうミスがしばしば起こりますが、正しくは “deliver” です。
- “deliver a baby” は「赤ちゃんを出産する」という特別な意味を持ち、文脈によっては医師や助産師が「赤ちゃんを取り上げる」意味になります。単に「赤ちゃんを配達する」ではありません。
- 試験での出題例: TOEIC や英検等ではイディオム(deliver the goods など)やビジネス文脈(deliver on promises や deliver a presentation)がよく出題されます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「デリバリーサービス(配達サービス)」など、カタカナでよく使われる “delivery” と関連づけると覚えやすいでしょう。
- 「deliver」は「de + liver」ですが、語源的には “liberare(自由にする)” から来ている、とイメージすると「相手に届けて自由にしている・解放している」というストーリーを持つと覚えやすいかもしれません。
- スペリング注意: 「i」と「e」の位置を混同しないように “del - i - ver” と3つに区切って意識しましょう。
以上が “deliver” の詳細な解説です。実際に発送(配達)に関する文脈だけでなく、約束の遂行や成果の提供、スピーチの実施などにも幅広く使われる便利な動詞なので、ぜひ積極的に使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(人・場所に)〈手紙・荷物など〉'を'配達する,届ける;〈伝言など〉'を'伝える《+名+to+名》
意味(2)
(…に)〈打撃・攻撃など〉'を'加える;〈球〉'を'投げる《+名+to+名》
意味(3)
〈意見など〉'を'述べる,〈判決など〉'を'申し渡す
意味(4)
(…から)〈人〉'を'救い出す,解放する《+名+from+名》
意味(5)
(…に)…'を'引き渡す《+名+to+名》
意味(6)
〈子〉'を'分娩(ぶんべん)させる;〈妊婦〉‘に'分娩させる