元となった辞書の項目
turn up
解説
以下では「turn up」という英単語(句動詞)について、できるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
単語: turn up
品詞: 句動詞 (phrasal verb)
- 「turn」は動詞、そこに副詞(または前置詞)「up」がついています。
意味 (主なもの)
- 現れる・姿を見せる (to arrive or appear)
- 「パーティや会合など、思わぬタイミングや場所にふっと現れる」ニュアンスがあります。
- 「パーティや会合など、思わぬタイミングや場所にふっと現れる」ニュアンスがあります。
- (音量・温度など)を上げる (to increase something)
- 「テレビの音量を上げる」、「暖房の設定温度を上げる」など、物事を大きく・強くするイメージです。
- 「テレビの音量を上げる」、「暖房の設定温度を上げる」など、物事を大きく・強くするイメージです。
- 見つかる・出てくる (to be found, especially by chance)
- 「なくしたと思っていたものが意外なところから出てくる」感じを表します。
- 「なくしたと思っていたものが意外なところから出てくる」感じを表します。
また「turn up」には、名詞用法としてズボンの裾を折り上げた部分を指す場合があります(イギリス英語で turn-up
とハイフンでつづる形が一般的)。
活用形
- 現在形: turn up
- 過去形: turned up
- 過去分詞形: turned up
- 進行形: turning up
他の品詞になったときの例
- turn (動詞)
- 「回す」「向きを変える」「曲がる」など、さまざまな意味のある基本動詞です。
- 「回す」「向きを変える」「曲がる」など、さまざまな意味のある基本動詞です。
- turn (名詞)
- 「順番」「回転」などの意味があります。(例: It's my turn.)
- 「順番」「回転」などの意味があります。(例: It's my turn.)
CEFRレベルの目安
- B1(中級): 日常的な表現の中で、やや複数の意味を持つ句動詞としては中級レベルと考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
- turn(動詞): 「回す」「回る」「向きを変える」など。
- up(副詞/前置詞): 「上の方向へ」を基本とし、比喩的に「強める」「増加する」を表すことが多い。
これらの組み合わせによって、「turn up」には「何かが上に向かう」「大きくなる」「急に姿をあらわす」といった意味が生まれます。
よく使われるコロケーション(共起表現)・関連フレーズ(10個)
- turn up the volume(音量を上げる)
- turn up the heat(暖房の温度を上げる / 圧力をかける)
- turn up at the party(パーティに現れる)
- turn up unexpectedly(思いがけず現れる)
- turn up in the lost and found(遺失物取扱所で見つかる)
- nothing turned up(何も見つからなかった)
- turn up late(遅れて到着する)
- turn up missing(行方不明になる、または見つからない)
- things turned up(事態が好転する;好ましい形で「浮上する」イメージ)
- turn-up on trousers(ズボンの裾上げ部分;衣類における名詞用法)
3. 語源とニュアンス
- turn: 古英語「tyrnan, turnian」などから変化してきた語で、「回す」「向きを変える」の基本意味をもつ動詞。
- up: 古英語「up(p)」から来ており、「上に」「上昇」が基本的な意味。
歴史的には「turn up」は、16~17世紀ごろから「思いがけず上がってくる」→「意外な形で姿を見せる」→「到着する」「見つかる」といった使われ方をしてきたとされています。
微妙なニュアンス・使用時の注意
- 「turn up (現れる)」はカジュアルな口語表現としてよく使われます。「show up」と似たニュアンスで、フォーマルな場面では「arrive」などを使うことが多いです。
- 「turn up (音量を上げる)」は比較的カジュアルな表現ですが、ビジネスや日常会話でも広く使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞的な使い方: 「turn up + 目的語」
- 例: Turn up the radio.(ラジオの音量を上げて。)
- 例: Turn up the radio.(ラジオの音量を上げて。)
- 自動詞的な使い方: 「turn up(~に現れる)」
- 例: He turned up late.(彼は遅れてやって来た。)
句動詞として副詞を後ろに取るため、目的語が「代名詞」の場合は副詞の前に置くのが原則です。
- 例: Turn it up.(それの音量を上げて。)
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “Could you turn up the TV? I can’t hear what they’re saying.”
- 「テレビの音量を上げてもらえる? 何を言ってるかわからないよ。」
- 「テレビの音量を上げてもらえる? 何を言ってるかわからないよ。」
- “I’m hungry. I hope something turns up in the fridge!”
- 「お腹すいたな。冷蔵庫から何か出てこないかな!」
- 「お腹すいたな。冷蔵庫から何か出てこないかな!」
- “He always turns up when you least expect him.”
- 「彼はいつも、まったく予期してないときに現れるんだ。」
ビジネスでの例文(3つ)
- “Please turn up the volume for the conference call speaker.”
- 「電話会議用のスピーカーの音量を上げてください。」
- 「電話会議用のスピーカーの音量を上げてください。」
- “The missing documents finally turned up in an archived folder.”
- 「紛失していた書類は、結局アーカイブフォルダの中から見つかりました。」
- 「紛失していた書類は、結局アーカイブフォルダの中から見つかりました。」
- “He turned up at the meeting without an appointment.”
- 「彼はアポイントなしで会議に現れました。」
学術的な文脈での例文(3つ)
- “New evidence turned up during the research process, altering our initial hypothesis.”
- 「研究過程で新しい証拠が見つかったため、当初の仮説が変わりました。」
- 「研究過程で新しい証拠が見つかったため、当初の仮説が変わりました。」
- “Researchers hope that further data will turn up in future surveys.”
- 「研究者たちは、今後の調査でさらなるデータが出てくることを期待しています。」
- 「研究者たちは、今後の調査でさらなるデータが出てくることを期待しています。」
- “Historical artifacts may turn up in various unexpected places.”
- 「歴史的な遺物は、思いもよらない場所で見つかることがあります。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- show up(現れる)
- 意味的にはほぼ同じですが、より「姿を見せる」「来る」といった行為そのものに焦点があります。
- 意味的にはほぼ同じですが、より「姿を見せる」「来る」といった行為そのものに焦点があります。
- arrive(到着する)
- もっとフォーマルで、「到着時間」を意識した文脈で頻繁に使われます。
- もっとフォーマルで、「到着時間」を意識した文脈で頻繁に使われます。
- appear(姿を表す)
- 目に見えて現れる感じで、「出現」するというニュアンスが強いです。
- 目に見えて現れる感じで、「出現」するというニュアンスが強いです。
反意語(文脈による)
- turn down(音量や温度などを下げる)
- “miss” (何かに「間に合わない」、または「見逃す」) → 「turn up(来る/見つかる)」との対比として、「来ない/見つからない」イメージになります。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音 (IPA): /tɝːn ʌp/ (アメリカ英語), /tɜːn ʌp/ (イギリス英語)
- アクセントはそれぞれ “turn” と “up” に分かれますが、全体としては「ターン アップ」と滑らかにつながります。
- アクセントはそれぞれ “turn” と “up” に分かれますが、全体としては「ターン アップ」と滑らかにつながります。
- アメリカ英語: 「ターン(舌を巻くr) アップ」
- イギリス英語: 「ターン(口を少し広げるrを発音しない場合も) アップ」
- よくある間違い: “turn up” が “turn off” や “turn out” など、他の似た句動詞と紛らわしくなりやすい。特に “turn out” は「判明する」「結果になる」という全然違う意味なので要注意です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「tun up」と書いてしまうなど、「r」が抜けてしまうエラー。
- 同音異義語との混同: 「turn down」「turn out」「turn on」など、後ろの前置詞・副詞が変わると意味も変わってしまうので注意。
- TOEIC・英検での出題傾向: 日常会話やリスニングなどで「現れる」「音量や温度を調整する」などの問で出やすい句動詞です。状況把握問題での頻出表現といえます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「turn up」は「回転させて上に上げる」イメージ。
- “show up” と似ているイメージを関連付けると、「急に姿を現す(上へフッと湧いてくる)」と覚えやすいです。
- 音量を上げる時の“↑”をイメージしたり、「面白いものが上からポンと降ってくる(見つかる)」とイメージすると記憶に残りやすいでしょう。
- いろいろな「turn + 前置詞/副詞」があるので、一覧表を作ってまとめるのは有効な学習法です。
以上が「turn up」についての詳細解説です。句動詞のため、大きく分けて「現れる・見つかる」と「上げる」の2つの意味を中心に覚えると使い分けやすいでしょう。ぜひ日常会話やビジネスシーンで活用してみてください。
意味のイメージ

意味(1)
を見つける,を発見する,に気づく
意味(2)
(音や熱など)を大きくする,を上げる
意味(3)
現れる, 姿を現す