元となった辞書の項目
on the part of
解説
「on the part of」の詳細解説
1. 基本情報と概要
品詞・分類
- フレーズ(熟語)
- 前置詞句(prepositional phrase)の一種
意味(英語 / 日本語)
- 「~による」「~の側から」「~の部分で」「~の責任・行為として」
- 例:「Effort on the part of students is crucial.(学生の努力が重要だ)」
- 例:「Effort on the part of students is crucial.(学生の努力が重要だ)」
- 「~が(した)ということ」「(何かが)~の立場から行われた」
- 例:「There was no intention on the part of the manager to criticize.(マネージャーには批判する意図はなかった)」
- 例:「There was no intention on the part of the manager to criticize.(マネージャーには批判する意図はなかった)」
このフレーズは、「~の立場や視点、行動によるもの」というニュアンスを表します。特に文書やフォーマルな場面でよく使われ、この表現が出てきたら「誰の側の行為や責任なのか」を表していると考えるとわかりやすいです。
CEFRレベルの目安
- B2:中上級
- ある程度の英語力がある学習者向けの表現。フォーマルな文脈や複雑な文章でも読解しやすくなるためにぜひ覚えておきたいフレーズ。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- on + the + part + of という4つの単語からなる複合的な前置詞句
他の単語との関連性
- 「on behalf of(~を代表して / ~に代わって)」と似た表現ですが、こちらは「代理・代行」の意味が強く、「on the part of」は「~の側から」「~自身による」というニュアンスが強い点が異なります。
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- cooperation on the part of staff(スタッフの側からの協力)
- effort on the part of students(学生による努力)
- apology on the part of management(経営陣の側からの謝罪)
- misunderstanding on the part of the audience(聴衆の勘違い)
- assistance on the part of volunteers(ボランティアによる支援)
- negligence on the part of the driver(ドライバーの過失)
- intervention on the part of the government(政府による介入)
- pressure on the part of investors(投資家の側からの圧力)
- support on the part of parents(親のサポート)
- patience on the part of the committee(委員会の忍耐)
3. 語源とニュアンス
語源
- 確立された直接の「語源」というよりは、中世以降の英語表現で「on someone’s part(~の役割や責任において)」という形が発展し、現代英語では「on the part of ...」として「...の側から」という意味で定着したと考えられています。
ニュアンス・使用時の注意点
- ややフォーマルまたは書き言葉寄りの表現です。
- 誰の視点や行為なのかを明確にするために使われることが多いです。
- 口語でまったく使わないわけではありませんが、堅めの印象を与える場合があります。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文
- 「on the part of + 人(組織など)」の形をとって、「(人)の側からの行為・努力・責任」などを示します。
- 例:「There was resentment on the part of several employees.(数人の従業員の側に不満があった)」
- 例:「There was resentment on the part of several employees.(数人の従業員の側に不満があった)」
使用シーン(フォーマル/カジュアル)
- 主にフォーマル、学術的、ビジネス文書などに向いています。
- カジュアルな会話でも使うことはありますが、ややかしこまった印象を与えます。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “It was a simple mistake on the part of the restaurant staff, so don’t be too hard on them.”
- (レストランスタッフの側の単純なミスだったから、あまり厳しくしないであげて。)
- (レストランスタッフの側の単純なミスだったから、あまり厳しくしないであげて。)
- “There was no bad intention on the part of my friend, I’m sure.”
- (友人に悪意はなかったと思うよ。)
- (友人に悪意はなかったと思うよ。)
- “Any misunderstanding on the part of either person can cause a big argument.”
- (どちらかの側で誤解があると大きな口論になる可能性があるよ。)
ビジネスでの例文
- “We appreciate the efforts on the part of our partners to resolve this issue.”
- (この問題解決に向けたパートナー各位の努力を感謝いたします。)
- (この問題解決に向けたパートナー各位の努力を感謝いたします。)
- “A swift response on the part of the management was crucial to contain the crisis.”
- (経営陣の素早い対応が危機を抑えるうえで極めて重要でした。)
- (経営陣の素早い対応が危機を抑えるうえで極めて重要でした。)
- “Any error on the part of the finance department could affect the company’s reputation.”
- (財務部によるいかなるミスも会社の評判に影響を及ぼす可能性があります。)
学術的・フォーマルな文脈での例文
- “Further research on the part of the scientific community is required to validate these findings.”
- (これらの研究結果を検証するには、科学界からのさらなる研究が必要です。)
- (これらの研究結果を検証するには、科学界からのさらなる研究が必要です。)
- “A critical analysis on the part of the reviewers helped refine the final publication.”
- (査読者の批判的分析が最終的な出版物を洗練するのに役立ちました。)
- (査読者の批判的分析が最終的な出版物を洗練するのに役立ちました。)
- “Careful oversight on the part of the committee ensures the integrity of the project.”
- (委員会の注意深い監督がプロジェクトの完全性を確保します。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “by” / “from”
- 例:「It was a mistake by the staff.」
- 「by」は原因者や行為者を単に示すときに使う。よりシンプルで口語的。
- 例:「It was a mistake by the staff.」
- “on behalf of”
- 例:「He signed on behalf of his boss.(彼は上司を代表して署名した)」
- 代理や代行のニュアンスが強い。
- 例:「He signed on behalf of his boss.(彼は上司を代表して署名した)」
反意語
- 明確な対立表現(反意語)はありませんが、意味を反転させたい場合は「on the part of」の主語自体を変えることで逆の立場を示すことが多いです。
7. 発音とアクセントの特徴
IPA表記
- アメリカ英語: /ɔn ðə pɑːrt ʌv/
- イギリス英語: /ɒn ðə pɑːt ɒv/
アクセント・発音のポイント
- “on” で軽くアクセントを置くことが多いが、全体として連続して発音されやすい。
- アメリカ英語では“part”の /ɑːr/ が、イギリス英語では /ɑː/ になる違いに気をつける。
- “of” が弱く発音され、“uhv” のように聞こえる場合が多い。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- “part” を “pat” や “parth” としてしまうなど。
- “part” を “pat” や “parth” としてしまうなど。
- 熟語の区切りを誤って “on the partof” のように書いてしまうミス。
- 「on behalf of(代表して)」との混同に注意。目的・意味が全く同じではない。
- 英検・TOEICなどの読解問題で、行為者や責任の所在を示す表現として出題されることがあるため、正しく理解すると読解がスムーズになる。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “on the part of” → 「ある人(組織)の“パート(役割・側面)”として行われる」というイメージで捉えるとわかりやすいです。
- 「誰がやったの?」という問いの答えになる表現なので、文脈から「この行動・責任はこの人の側だよ」というイメージを結び付けて記憶すると便利です。
- 書くときは「on + the + part + of」の4語が連続するフレーズとしてしっかり固まりで覚えましょう。
「on the part of」は、特定の行動や結果が「誰の立場、意図、行為によるものか」を明示する際に便利なフレーズです。特に文章やフォーマルな場面で使われることが多いので、レベルアップした英語表現としてぜひ覚えてください。
意味のイメージ
意味(1)
...の側の
意味(2)
(人)の方の