元となった辞書の項目
the lot
解説
1. 基本情報と概要
英単語(フレーズ): the lot
品詞: 名詞フレーズ(定冠詞 “the” + 名詞 “lot”)
意味(英語): the whole amount; everything; the entire group
意味(日本語): すべて、全部、全体のこと
「the lot」は「全部」や「すべて」を表すカジュアルな表現で、特にイギリス英語でよく使われます。「ぜんぶまとめて」や「全部くれ」というように、あるグループやセットを丸ごと指すニュアンスがあります。
- 例: “He ate the lot.” → 「彼は全部食べてしまった。」
活用形:
名詞フレーズのため動詞のような活用はありませんが、「lot」という語自体は名詞として使われ、「lots」という複数形(例: “lots of people”)や、「a lot of ~」という慣用表現などがあります。
他の品詞での例:
- “a lot” (形容詞句/副詞句のように働く慣用表現: “a lot of people,” “I like it a lot.”)
CEFRレベル目安: B1(中級)
“lot”自体は初歩から出てきますが、「the lot」としての慣用的な使い方は中級学習者が自然な表現として身に付けるレベルです。
2. 語構成と詳細な意味
- the(定冠詞) + lot(名詞)
- 「lot」は「セット」「量」「くじ」などを意味しますが、「the lot」は「その全部」「まるごと」を指します。
派生語や関連表現
- lot: 「量」「多くのもの」「区画」の意味を持つ名詞
- lots of ~: 「たくさんの~」というカジュアルな表現
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- buy the lot → (商品などを)まとめて全部買う
- sell the lot → (商品などを)まとめて全部売る
- take the lot → (選択肢などから)全部取る・選ぶ
- eat the lot → 全部食べる
- lose the lot → (ギャンブルなどで)全部失う
- get rid of the lot → 全部処分する
- clear the lot →(在庫や物を)全部片づける
- “I want the lot.” →「全部欲しい」
- have the lot →(成功や富など)すべてを手に入れる
- do the lot →(仕事や作業を)全部やる
3. 語源とニュアンス
- 語源: “lot”は古英語の“hlot”(くじ、分け前)に由来するとされ、「割り当てられたもの」「取り分」という意味から派生して、「量」や「セット」を示すようになりました。
- 「the lot」はしばしば日常会話やカジュアルな文脈で「全部まとめて」「まるごと」を表す際に使われ、特にイギリス英語での使用が多いです。
- ニュアンスとしてはやや口語的で、「全部を否定・強調・驚き」などの気持ちと一緒に用いられることが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算・不可算: 「the lot」の場合は「あるまとまったものを全部」というイメージで一つのまとまり(名詞フレーズ)として扱うため、単数扱いに近いイメージです。
- 使い方:
- 主に口語・カジュアルシーンで使用。
- フォーマルなビジネス文書などでは、より明確に“everything”や“the entire amount”などと言い換えることが多いです。
- 主に口語・カジュアルシーンで使用。
イディオムや構文例
- “take the lot” (口語的): 「全部引き受ける・全部取る」
- “the lot of them” (やや口語的): 「彼ら(それら)みんな」
5. 実例と例文
(A) 日常会話での例文
- “I’m so hungry I could eat the lot.”
「とてもお腹が空いていて、全部食べられそうだよ。」 - “They’re selling their old DVDs for a pound each or five pounds for the lot.”
「古いDVDを1枚1ポンドで売っているけど、まとめて買うと5ポンドだって。」 - “Just throw away the lot. We don’t need any of it.”
「全部捨てちゃっていいよ。どれも必要ないから。」
(B) ビジネスシーンでの例文
- “We decided to purchase the lot of spare parts to ensure we have enough stock.”
「在庫を十分に確保するため、スペアパーツをまとめて全部購入することにしました。」 - “The client offered to buy the lot at a discounted price.”
「クライアントは割引価格でまとめて商品を買いたいと言ってきました。」 - “If we can’t sell the lot, we’ll have to dispose of it.”
「もし全部売りきれなければ、処分しなくてはならないでしょう。」
(C) 学術的/フォーマルっぽい文脈の例文
- “In this experiment, we tested a variety of hypotheses and published the lot of our findings in a single paper.”
「この実験では多様な仮説を検証し、それらの研究結果をすべて1つの論文にまとめて発表しました。」 - “The organization donated the lot of its surplus supplies to local charities.”
「その組織は余剰物資のすべてを地域の慈善団体に寄付しました。」 - “Upon completion, the library plans to open the lot of its digital archives to the public.”
「完成後、図書館はデジタルアーカイブをすべて一般に公開する予定です。」
6. 類義語・反意語と比較
- 類義語
- everything(すべて)
- 最も直接的。話し言葉・書き言葉問わず使える。
- 最も直接的。話し言葉・書き言葉問わず使える。
- all of it(そのすべて)
- 必要に応じて具体的な「it」が指す対象を強調するイメージ。
- 必要に応じて具体的な「it」が指す対象を強調するイメージ。
- the whole thing(そのすべて)
- 「ひとかたまり」としてとらえるニュアンスが強い。カジュアルに使われる。
- the entire amount / the entire set(全量/全セット)
- よりフォーマルな響き。
- よりフォーマルな響き。
- everything(すべて)
- 反意語
- part(一部)
- some(いくつか)
- part(一部)
「the lot」は口語的で、「everything」や「the whole thing」と同じ意味合いでも特にイギリス英語でよく聞かれるのが特徴です。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- イギリス英語: /ðə lɒt/
- アメリカ英語: /ðə lɑːt/ or /ðə lɒt/ (地域差あり)
- イギリス英語: /ðə lɒt/
アクセント・強勢:
- 定冠詞 “the” は弱形 /ðə/ になりやすく、“lot” にやや強めのアクセントが置かれがちです。「ザ・ロット」より「ðə lɒt/ðə lɑːt」という感じ。
よくある間違い:
- “the”を /ðiː/ と誤って強調しないようにする(普通は弱く発音される)。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “the lot” は単純ですが、“lot” と “lots” の混同に注意。
- 同音異義語との混同: “lot” とまったく同音の単語は少ないですが、“a lot” と “allot” (割り当てる) はスペルが違うので注意。
- 試験対策: TOEICや英検では“everything”や“the entire amount”などがより頻繁に出るかもしれませんが、リスニングの際に「the lot」が聞こえたら「全部」という意味だと素早く理解できると便利です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「lot」は「まとめられたもの」「塊」というイメージ。「the lot」で「(ある塊の) すべて」という感じ。
- イメージとしては「ひとつの箱の中身を全部どさっ!」と一気にまとめているイメージを持つと覚えやすいでしょう。
- “I want the lot.” というフレーズを声に出して練習すると、「全部よこして!」というカジュアルなリズムが覚えやすいです。
以上が「the lot」の詳細解説です。イギリス英語寄りのカジュアル表現ですが、日常会話のポジティブ・ネガティブなシーンで「全部!」と強く言いたいときに便利なので、ぜひ覚えて活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
【名】全部, 全員, 全体, すっかり, 一切がっさい