that sort of thing
1. 基本情報と概要
英語表記: that sort of thing
日本語訳: そういった類いのもの / そのような種類のもの
パート・オブ・スピーチ(品詞): 句(イディオマチックな表現、名詞句として扱われることが多い)
CEFRレベルの目安: B1(中級)
「that sort of thing」は、日常会話などで例を列挙したり、同じ種類のものをまとめて述べるときに使われる表現です。たとえば「音楽や映画など、そういう類いのものが好きです」のように、自分が挙げた例と同カテゴリに含まれるもの全般を指すときに使います。口語的に「and so on」や「and stuff like that」に近いニュアンスでよく使われます。
活用形など
「that sort of thing」は句なので、動詞のように活用形はありません。同様の表現としては、人称や単複数を変えて「this sort of thing」「those sorts of things」などと言う場合があります。
他の品詞になった時の例
- 「sort (動詞)」: To sort something(仕分ける/分類する)
- 「thing (名詞)」: 物、事柄
この表現自体は句として使われるため、「that sort of thing」を動詞や形容詞として使うことはありません。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- that: 指示形容詞として「それ」や「その」など、具体的に挙げられたもの・事柄を示します。
- sort: 「種類」「タイプ」を表す名詞です。
- of: 連結の前置詞。
- thing: 「物」「事柄」を意味する名詞です。
このように、直前に挙げたものと同じようなカテゴリ全体を「that sort of thing」のひとまとまりでゆるく示すイメージです。
関連表現・派生語
- "this sort of thing” :「こういうこと/もの」
- "those sorts of things” :「そういった種類のあれやこれや」
kind
を使った類似表現:that kind of thing
コロケーションや関連フレーズ(10個)
- “I like jazz, rock, and that sort of thing.”
(ジャズやロックなど、そういう音楽が好きです。) - “Painting, drawing, that sort of thing.”
(絵画やデッサンなど、そんな感じのこと。) - “We talked about politics, economics, that sort of thing.”
(政治や経済など、そういった類の話題について話しました。) - “He’s into yoga, meditation, that sort of thing.”
(彼はヨガや瞑想など、その手のものにハマっています。) - “I’m not a fan of horror, thriller, that sort of thing.”
(ホラーとかスリラーとか、そういうのは好きじゃないです。) - “We need decorations, balloons, that sort of thing.”
(飾りつけや風船など、そういうものが必要です。) - “Do you enjoy hiking, camping, that sort of thing?”
(ハイキングやキャンプなど、そういうのが好きですか?) - “She always organizes study groups, workshops, that sort of thing.”
(彼女はいつも勉強会やワークショップなど、そういう活動を企画しています。) - “He’s involved in volunteer projects, community events, that sort of thing.”
(彼はボランティア活動や地域イベントなど、そういう活動に関わっています。) - “Let’s focus on quality, consistency, that sort of thing.”
(品質や一貫性など、そういった点にフォーカスしましょう。)
3. 語源とニュアンス
- that は古英語由来の指示語
- sort は中英語経由で古フランス語の “sorte” からきており、「種類」「運命」といった意味がありました。
- thing は古英語由来で広い意味の「物事」を指します。
歴史的には、英語の文法内で「sort of + 名詞」という形は「〜の種類」という意味で使われており、そこに代名詞の「that」が加わって「that sort of + 名詞(thing)」になったと考えられます。カジュアルな口語表現として頻繁に使われ、会話の中で例示を省略する際によく用いられます。フォーマルな文書ではやや曖昧な表現として見なされる場合があるので、もう少し正確な範囲や内容を伝えたいときは別表現の方が好まれます。
4. 文法的な特徴と構文
- that sort of thing は名詞句として機能します。
- 例を挙げたあと、最後に並べることで「〜など」「〜みたいなもの」といった意味合いになります。
- フォーマル度: 口語的・中立的(ビジネスメールなどで使えなくはないが、より正確な言い方が求められるときは避ける場合も)
一般的な構文例
- “I like [A], [B], and that sort of thing.”
- “She’s into [C], [D], and that sort of thing.”
いずれも、最後に “that sort of thing” を添えることで、「他にも同じ分類に当てはまるものがあるだろうけど省略する」というニュアンスを出します。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “I love going to cafes, reading novels, that sort of thing on weekends.”
(週末はカフェに行ったり、小説を読んだり、そういうことをするのが好きです。) - “My roommate always watches documentaries, history channels, that sort of thing.”
(私のルームメイトはいつもドキュメンタリーとか歴史番組とか、そんなのばっかり見ています。) - “I prefer casual clothes, hoodies, sneakers, that sort of thing.”
(普段着やパーカー、スニーカーとか、そういう格好の方が好きです。)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “We discussed marketing strategies, product expansion, that sort of thing in the meeting.”
(ミーティングではマーケティング戦略や製品拡大など、そういうことについて議論しました。) - “Our team focuses on data analysis, market research, that sort of thing.”
(私たちのチームはデータ分析や市場調査など、そういった業務に注力しています。) - “We need to consider budgets, deadlines, that sort of thing before finalizing the plan.”
(計画を確定する前に、予算や納期といったポイントを考慮する必要があります。)
学術的な文脈での例文(3つ)
- “In this paper, we explore literary themes, narrative structures, that sort of thing.”
(この論文では文学的テーマや物語構造など、そうした点を考察します。) - “The researchers examined chemical reactions, reaction rates, that sort of thing in their study.”
(研究者たちは化学反応や反応速度など、そういった事柄を調査しました。) - “Her lecture covered historical contexts, sociological impacts, that sort of thing in depth.”
(彼女の講義では歴史的背景や社会学的影響など、そのような内容を深く扱いました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “that kind of thing”
- 日本語訳: そういった種類のもの
- ニュアンス: “that sort of thing” とほぼ同じ意味合いで使えます。
- 日本語訳: そういった種類のもの
- “stuff like that”
- 日本語訳: そういう感じのもの
- ニュアンス: よりカジュアルで「もの」を曖昧に指す印象。「that sort of thing」より口語用。
- 日本語訳: そういう感じのもの
- “things of that nature”
- 日本語訳: そのような性質のもの
- ニュアンス: ややフォーマル。同じカテゴリに属する事柄を言及するときに使えます。
- 日本語訳: そのような性質のもの
反意語
はっきりした「反意語」はありませんが、曖昧さを排除するような言い回し(“specifically this”, “exactly that thing” など)は、曖昧にまとめる「that sort of thing」とは対照的なニュアンスを持ちます。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ðæt sɔːrt əv θɪŋ/ (米音・英音のおおまかな目安)
- アメリカ英語: 「sort」の「o」はやや「ソrト」に近い発音(/sɔːrt/ or /sɔrt/)
- イギリス英語: 「sort」の「o」は長めに引き伸ばし(/sɔːt/)
- アメリカ英語: 「sort」の「o」はやや「ソrト」に近い発音(/sɔːrt/ or /sɔrt/)
- 強勢はそれぞれの単語に均等に置かれることが多いですが、「that sort of thing」の中では、流れるようにつながって言われることも多いです。
- 「sort of」の部分が「sorta」のように弱く発音される口語もあります (“sorta thing”)。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “that” “sort” “thing” は基本的に間違えにくいですが、慣れていないと “sord” などとタイプミスする場合があります。
- 同音異義語: “sort” に似た音の“sword” /sɔːrd/ とはまったく意味が異なるため注意。
- 試験対策: TOEICや英検などのリスニングパートで、後ろに続く例を一括して示すフレーズとして耳にすることがあります。曖昧にまとめる表現として把握しておくとよいでしょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「that sort of thing」は、すでに挙げた例と同じカテゴリー全般をざっくり指す便利な表現。
- 目でイメージすると「どういうタイプのものか」を示す「sort」を要素に持っている、と覚えましょう。
- 口語では “kind of” “sort of” が混ざって「kinda thing」、「sorta thing」とラフに発音される場合があり、ネイティブの会話に多く登場します。
「that sort of thing」は、会話で「〜など」とまとめたいときに非常に便利なフレーズですので、たくさん使って感覚をつかむと定着しやすくなります。
《話》...など, ...といったようなもの
その類いのこと