元となった辞書の項目
for long
解説
1. 基本情報と概要
英語表記: for long
日本語訳: 長い間、長い期間
「for long」は主に「長い時間」を表すときに使われる表現です。しかし、多くの場合、否定文や疑問文で使われ、「それほど長い間(~しない/~する予定ですか?)」というニュアンスになります。たとえば「I won’t stay for long.(長くは滞在しません)」というような使用がよく見られます。
- 品詞: 慣用的な表現(前置詞+形容詞の組み合わせ)
- 活用形: 「for long」自体は定型句なので、動詞のように時制変化はしません。
- 他の品詞形: 「long」は形容詞・副詞としても使われますが、「for long」は「long」を副詞的に用いた熟語的表現と考えられます。
CEFRレベルの目安: B1(中級)
日常会話でも耳にしやすい表現ですが、いわゆる「for a long time」の短縮的・口語的バリエーションであり、少しだけニュアンスや用例が限られるため、中級レベルの理解が必要だと考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- for: 前置詞。「~のために」「~に対して」など多様な意味を持ちますが、時間との組み合わせでは「~の間」を表す意味が強くなります。
- long: 形容詞・副詞。「長い」という意味。ここでは期間の長さを示す副詞的要素になります。
関連語・派生表現
- for a long time: 「長い間」という、より一般的な表現。
- longer (比較級): 「より長く」
- longest (最上級): 「最も長く」
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10例)
- not for long(長くは~しない)
- stay for long(長い間滞在する)
- won’t last for long(長くは続かない)
- be around for long(長い間そこにいる、存続する)
- travel for long(長期間旅行する)
- wait for long(長い間待つ)
- talk for long(長時間話す)
- queue for long(長い時間列に並ぶ)
- go on for long(長く続く)
- work for long(長時間働く)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「long」は古英語の“lang”からきており、“length”などの語の語幹にも通じています。元々は「距離的に長い」「期間的に長い」という広い概念を持つ言葉です。
- 「for」は古英語の“for”からきており、目的・理由・期間などさまざまな用法で使われてきました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 「for long」は肯定文ではあまり使われず、否定文や疑問文での使用が多いです。
例: “I won’t stay for long.” (長くは滞在しない) - 「for a long time」に比べて、ややカジュアルで、少し短めに聞こえるニュアンスがあり、「そんなに長くはない」といった意味合いを含意することが多いです。
- 書き言葉よりは話し言葉でよく使われます。
4. 文法的な特徴と構文
主に否定文・疑問文と一緒に使われる
- “I won’t be away for long.”
- “Will you be staying for long?”
- “I won’t be away for long.”
可算/不可算の問題
- 「long」は形容詞・副詞であり名詞ではないため、可算・不可算の区別はありません。
- 「long」は形容詞・副詞であり名詞ではないため、可算・不可算の区別はありません。
フォーマル/カジュアル
- 一般的にはカジュアルな会話で使われることが多いです。フォーマルな文脈では「for a long time」がよく使われます。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “I won’t stay for long; I just came to say hello.”
(長くはいないよ。ちょっと挨拶だけしに来たんだ。) - “Are they going to be here for long? I need to know if we should order more food.”
(彼らは長くここにいるかな?もっと食べ物を注文すべきか知りたいんだけど。) - “Don’t worry, the meeting won’t last for long.”
(大丈夫、ミーティングはそんなに長くは続かないよ。)
ビジネスでの例文(3つ)
- “I’m traveling to London for a conference, but I won’t be there for long.”
(ロンドンに会議で行きますが、長くは滞在しません。) - “If the interview doesn’t go on for long, we can reschedule the afternoon meeting.”
(もし面接が長引かなければ、午後の会議を予定どおりにできます。) - “Will you be using the conference room for long? We need it by 3 PM.”
(会議室は長く使われますか? 3時までに使いたいのですが。)
学術的な文脈での例文(3つ)
- “The lecture won’t run for long today, as the professor has another commitment.”
(教授には他の予定があるため、今日の講義は長くは続かないでしょう。) - “Researchers didn’t observe the phenomenon for long due to budget constraints.”
(研究者たちは予算の都合上、長い間その現象を観測することはできなかった。) - “We haven’t tested the new method for long, so more trials are necessary.”
(新しい手法を長期間テストしていないので、さらなる試験が必要です。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
for a long time(長い間)
- 「for long」に比べて肯定文での使用が自然で、期間の長さをはっきり表す。
- 例: “I’ve been studying English for a long time.”
- 「for long」に比べて肯定文での使用が自然で、期間の長さをはっきり表す。
for an extended period(長期間)
- よりフォーマルな響き。
- 例: “The project was postponed for an extended period.”
- よりフォーマルな響き。
for quite some time(かなりの間)
- 主観的に「思ったより長い」と感じるニュアンス。
- 例: “I’ve known her for quite some time.”
- 主観的に「思ったより長い」と感じるニュアンス。
反意語
- (期間表現の反意語として明確な単語はないが、強いて言うなら)“for a short time” / “briefly” などが短期間を表す表現となる。
- 例: “I’ll just be there briefly.”(ちょっとだけそこにいるよ。)
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /fər lɔːŋ/(米: /fər lɔːŋ/ または /fər lɔŋ/ 、英: /fə lɒŋ/ と発音される場合も)
- アクセント: 通常「for」は弱形で発音され、「long」に軽い強勢が来る場合が多いです。
- 例: (アメリカ英語) “fer LONG” / (イギリス英語) “fə LONG” のように聞こえます。
- 例: (アメリカ英語) “fer LONG” / (イギリス英語) “fə LONG” のように聞こえます。
- よくある間違い: 「for」と「long」の間をつなげすぎて一語のように聞こえてしまったり、「for」を強く発音しすぎると不自然になることがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 「I will stay for long.」のような肯定文
- 不自然ではありませんが、ネイティブはあまり多用しません。「I will stay for a long time.」のほうが自然です。
- 不自然ではありませんが、ネイティブはあまり多用しません。「I will stay for a long time.」のほうが自然です。
- スペルミス: 「for」と「long」は比較的簡単な綴りですが、打ち間違えに注意しましょう。
- 「for a long time」の省略形と混同しない
- 「for long」は下位互換的なイメージがあり、否定・疑問で使うのが中心という点を押さえておくと良いでしょう。
- TOEIC・英検などの試験での出題:
- 「for long」はあまり直接問われることは多くありませんが、リスニングや設問中の熟語問題で出る可能性はあります。否定文との組み合わせに注目しましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「for long」は「for a long time」と比べると、もう少しコンパクトな印象で、否定や疑問によく使われるという点を強くイメージしてください。
- “I won’t be here for long.” → “私はここに長くはいません。” というフレーズを繰り返し音読してみると、自然に口に馴染みます。
- 「for long」を見たときは「そんなに長くない・長くはない」というシーンを想像すると理解しやすいです。
以上が「for long」の解説です。特に否定文や疑問文で自然に使われやすく、日常会話でも登場する表現なので、ぜひ例文を音読して慣れてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
《通例否定文・疑問文で》長い間