down
以下では、形容詞として使われる “down” を中心に、できるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
意味
- 英語: down
- 日本語: 落ち込んだ/元気のない/機能していない
「気分が沈んだり、物事が動いていない状態」を表す形容詞です。ふだんの会話で「憂うつ」、「落ちこんでいる」ような状態をシンプルに伝えるときによく使われます。また、機械やシステムなどが停止中の場合にも「down」という形容詞が使われます。
品詞
形容詞 (adjective)
活用形
形容詞のため、基本的に比較変化はありません。「more down」「most down」とすることは通常ありませんが、稀にカジュアルな表現で「feeling more down than before(前より落ち込んでいる)」というように使われるケースはあります。
他の品詞になったときの例
- down (副詞): “He sat down.”(彼は座った)
- down (前置詞): “He walked down the street.”(彼は通りを下って歩いた)
- down (名詞): “The downs and ups of life.”(人生の浮き沈み)
CEFR レベルの目安
- B1 (中級): 日常会話などで比較的よく登場する表現であり、感情表現として学習レベル的には中級あたりで扱われることが多いです。
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- 接頭語・接尾語としての明確な区別はありませんが、“down” という語根があり、派生語として “download” (ダウンロード)、 “downfall” (失墜)、 “downturn” (下降) など、下方向や低下を表す派生語があります。
関連表現・コロケーション(10例)
- feel down (気分が落ち込む)
- look down (うつむく / 見下す)
- be down with a cold (風邪で寝込んでいる)
- system is down (システムが停止している)
- down and out (落ちぶれた、困窮した)
- down in the dumps (憂うつである)
- spirits are down (気分が落ちている)
- down days (落ちこんでいる日々)
- down vote (反対票を入れる)
- down payment (頭金)
3. 語源とニュアンス
語源
“down” は古英語の “dūn” に由来し、本来は「丘(hill)」を指す言葉が、徐々に「高いところから低いところへ」という意味を持つようになりました。そこから転じて、比喩的に「気分や状態が低下している」ことを表す形容詞として使われるようになりました。
ニュアンスと使うときの注意
- 微妙なニュアンス: 「元気がなく、憂うつ」に加え、仕事やシステムなど「稼働していない犯行中断」という意味合いを持つため、文脈によって使い分けます。
- 口語・文章: 「I'm feeling down.」はカジュアルな口語表現としてよく使われます。一方、「The network is down.」はビジネス会話やシステム障害時の表現などでも多用されます。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞として使う場合: “I’m down.” (私は落ち込んでいる)
- 他動詞・自動詞の区別はなく、形容詞なので補語の位置で使われることが多いです。
- 名詞を修飾する形でも「down phase」(下降局面)などと使われることがありますが、比較的限定的です。
- フォーマル / カジュアル: 「落ち込んでいる」というフランクなニュアンスを出したいときにカジュアルに用いられます。「機能停止」の意味合いでの “down” は比較的ビジネスでもそのまま通じます。
5. 実例と例文
ここでは日常会話・ビジネス・学術的な文脈での使用例を、それぞれ3つずつ紹介します。
日常会話
“I’m feeling a bit down today. Maybe I need some fresh air.”
(今日はちょっと落ちこんでる。外の空気でも吸ったほうがいいかも。)“Don’t be down about the test score. You can try again next time!”
(テストの点で落ち込まないで。次回また頑張ればいいじゃない!)“She seemed kind of down after the argument.”
(彼女は口論のあと、ちょっと気分が沈んでるように見えたよ。)
ビジネス
“Our servers are down, so we can’t process any orders right now.”
(サーバーが止まっていて、今は注文を処理できません。)“The system being down for maintenance could delay the project deadline.”
(システムがメンテナンスで停止していると、プロジェクトの締切が遅れる可能性があります。)“We need to inform the clients that the network is currently down.”
(ネットワークが現在停止中であることを顧客に伝えなければなりません。)
学術的な文脈
“When the neural networks are down, the AI system fails to recognize images accurately.”
(ニューラルネットワークが機能停止状態にあると、AIシステムは画像を正確に認識できなくなる。)“A down economy often leads to decreased consumer confidence.”
(景気が落ち込んでいるときは、消費者の信頼感も下がることが多い。)“In clinical studies, participants reported feeling down due to prolonged isolation.”
(臨床研究では、長期にわたる隔離生活によりうつ気分を報告する参加者がいた。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- sad(悲しい)
- depressed(憂うつな)
- blue(憂うつな、気分が沈んでいる)
- low(気分が落ち込んでいる)
- 例: “I feel sad/depressed/blue/low.” はいずれも「落ち込んでいる」というニュアンスが含まれますが、 “depressed” は臨床的な状況や深刻な状態を示す場合もあり、重みが増します。 “blue” は口語、 “low” は抽象的に元気がない感じを伝えます。
反意語(Antonyms)
- up( 上向きの / 元気な)
- happy(幸せな)
- cheerful(陽気な)
- 例: “He is feeling up today.” は「今日は元気だね」というニュアンスになります。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /daʊn/
- アメリカ英語: [ダウン]
- イギリス英語: [ダウン](ほぼ同じ音ですが、地域によっては若干両母音の発音に差がでることもあります)
- アクセント: 短い単語なので特別なアクセントの移動はなく、語全体を一気に発音します。
- よくある間違い: “don” (/dʌn/) と混同してしまう場合がありますが、母音が異なるので注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “dwon” と入れ替えてしまうなど。
- 同音異義語の混同: 音が近い “dawn” (/dɔːn/) と混同しないように注意。
- 副詞や前置詞の “down” と、形容詞の “down” との使い分けを意識する。文脈で判断するとよいでしょう。
- 試験対策: TOEIC や英検では、システム障害などの話題や感情表現で出ることもあります。特にビジネスシーンで “The network is down.” などが問われることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「ダウンジャケット」で「下にある柔らかい羽毛」をイメージするかもしれませんが、この “down” は名詞としての羽毛を指し、形容詞として「落ち込む」という意味とスペルは同じです。書き言葉では文脈で判別しましょう。
- 「落ち込む」というときに指さす方向は下(↓)、 “down” が「下」を表す感覚と結びつけると覚えやすいです。
- 単語カードなどで “I'm down.” とイラスト付きで覚えると定着しやすいでしょう。
形容詞の “down” は、気持ちやシステム状況が「下向き/停止中」になっているイメージを持つと理解しやすいです。会話でもビジネスでもよく登場するので、しっかり覚えて使えるようにしておきましょう。