元となった辞書の項目
bottle
IPA(発音記号)
解説
1. 基本情報と概要
単語: bottle
品詞: 動詞 (他動詞)
意味 (英語):
- To put something (usually a liquid or substance) into a bottle.
- (イディオム的に) To hold or suppress emotions, often expressed as “bottle up.”
意味 (日本語):
- 飲み物や液体などをボトルに詰めること。
- (比喩的に) 感情を抑え込むこと。「bottle up your emotions」(感情を心の中に押しとどめる)などの表現で使います。
「何かをボトルに入れる」という実際の動作としても使われる動詞ですが、「感情を抑える」というメタファー的な使い方もよくあります。気持ちを胸にしまい込むニュアンスです。
活用形:
- 原形: bottle
- 三人称単数形: bottles
- 現在分詞/動名詞: bottling
- 過去形/過去分詞形: bottled
他の品詞になった時の例:
- bottle (名詞): ボトル、瓶
例) “He drank a full bottle of water.” (彼は水のボトル1本を飲んだ。)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
感情を「押し込める」という抽象的表現では中上級レベルの英語力が必要になりますが、料理や飲料などで「瓶詰めにする」という意味の方は、もう少し易しい文脈でも出てくることがあります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語源的には、名詞 bottle(瓶、ボトル)から派生した動詞です。
- 「ボトルに入れる」→ そこから比喩的に「思いを中に閉じ込める」という意味へ広がりました。
関連語・派生語
- bottled (形容詞): ボトルに詰められた
例) bottled water(ボトル入りの水) - bottle up (句動詞): 感情などを抑え込む
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- bottle wine (ワインを瓶詰めにする)
- bottle beer (ビールを瓶詰めにする)
- bottle water (水をボトルに詰める)
- bottle homemade jam (自家製ジャムを瓶詰めにする)
- bottle one’s emotions (感情を抑え込む)
- bottle anger (怒りを抑える)
- bottle up frustrations (欲求不満を溜め込む)
- bottle the sauce (ソースを瓶に詰める)
- bottle from the source (産地で瓶詰めする)
- bottling facility (瓶詰工場)
3. 語源とニュアンス
語源
- bottle はフランス語の bouteille(ボトル、瓶)から英語に入り、中世ラテン語 butticula(樽/ボトルの小形)に遡るとされています。もともとは名詞として使われていましたが、16〜17世紀頃から「瓶に詰める」という動詞としても使われるようになりました。
ニュアンスと使用時の注意点
- 実際に「瓶詰めにする」動作を表す場合は、ビールやワイン、ソースなどを保存・販売目的で詰めるといった具象的なニュアンスがあります。
- 感情に関する「bottle up」は、「感情を外に出さずに抑え込む」という比喩表現で、時にネガティブな響きとして使われます。「ため込む」というニュアンスなので、否定的な結果を暗示することが多いです。
フォーマルかカジュアルか
- 「感情を抑える」という意味で使う場合は、カジュアルな会話でもビジネス会話でも比較的よく使われます。
- 書き言葉としても「bottling up one’s emotions」として使われますが、カジュアルからセミフォーマル程度のニュアンスが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞: 目的語が必要です。
- 例) “They bottled the beer yesterday.”
- 例) “They bottled the beer yesterday.”
- 句動詞 “bottle up”: 感情や怒りなどを目的語として取ります。
- 例) “She bottled up her anger for years.”
- 例) “She bottled up her anger for years.”
一般的な構文やイディオム
- bottle something: 何か(液体など)を瓶詰めにする
- bottle up one’s emotions: 感情を抑え込む
- bottle it (all) up: 「(すべて)抑え込む」口語的表現
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “I bottled some homemade lemonade for the picnic.”
(ピクニックのために自家製レモネードを瓶に詰めたんだ。) - “Don’t bottle up your feelings. It’s better to talk about what’s bothering you.”
(感情を溜め込まないで。何が気になっているか話した方がいいよ。) - “I’m planning to bottle this chili sauce if it tastes good.”
(このチリソースがおいしくできたら瓶に詰めてみようと思ってる。)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “We will bottle our new product at the facility next week.”
(私たちは来週、その製造施設で新製品を瓶詰めします。) - “The marketing team suggested we bottle the sauce in smaller containers for customers.”
(マーケティングチームは、お客様向けにソースを小さめの容器に瓶詰めすることを提案しました。) - “Try not to bottle up your frustrations. Feel free to discuss any issues with the manager.”
(不満を溜めこまないようにして。問題があれば遠慮なくマネージャーに話してね。)
学術的・フォーマルな文脈での例文(3つ)
- “Researchers investigated the best methods to bottle fermented beverages for optimal flavor.”
(研究者たちは、発酵飲料を最適な風味で瓶詰めするための最良の方法を調査しました。) - “The directive was to bottle the vaccine at a sanitary facility to prevent contamination.”
(汚染を防ぐために、そのワクチンは衛生的な施設で瓶詰めにするよう指示されました。) - “Prolonged attempts to bottle up internal conflicts can adversely affect mental health.”
(内面的な葛藤を長期間ため込むことは、メンタルヘルスに悪影響を与える可能性があります。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- encase (~をケースなどに入れる):物理的な容器に入れるイメージ。
- contain (含む、収容する):もっと広い意味で、感情や物を“内側にとどめる”ニュアンス。
- preserve (保存する):特に食品や状態を保つために保存する意味が強い。
- encapsulate (要点をまとめる、カプセルに入れる):形式ばった表現で、学術や技術文書で使われることが多い。
- 感情に関して言えば、suppress (抑える)、repress (抑圧する) も近いニュアンスですが、より心理学的・強い抑圧感がある言葉です。
反意語
- release (解放する)
- unleash (解き放つ)
- pour out (感情を吐露する、液体を注ぎ出す)
「bottle up」=ため込む の反対である「release one’s feelings」=感情を解放する、と対で覚えるとわかりやすいでしょう。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- イギリス英語: /ˈbɒt.əl/
- アメリカ英語: /ˈbɑː.t̬əl/ または /ˈbɑː.ɾəl/ (Tが弾音化されることも多い)
- イギリス英語: /ˈbɒt.əl/
強勢 (アクセント): 最初の音節 “bot-” に強勢があります。
よくある発音の間違い: 日本人学習者は “t” をはっきり発音しすぎたり、逆に省略しすぎたりすることがあります。アメリカ英語では “bot-tle” が “ボーラ(ɾ)”に近くなることがあり、イギリス英語では “ボトゥル”に聞こえます。あいまい母音 “ə” の部分をはっきり母音で言わないようにしましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「botle」「bottel」など。二重子音 “tt” と、語尾の “-le” の順番を間違えないようにしましょう。
- 同音異義語との混同: “battle” (戦い) や “bottle” はスペルが似ているので注意。
- 感情表現の誤用: カジュアルに「感情をためこむ」状況で “bottle up” が使えますが、フォーマルすぎる文章だと “suppress” や “repress” の方があう場合があります。
- 試験対策: TOEICや英検などでは風景描写やビジネスシーン、または比喩表現としての感情面で出題される可能性があります。「bottle up one’s emotions」はイディオムとして覚えておくと便利です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「bottle」は「(瓶など)容器に入れる」というイメージで覚えましょう。感情については、心の中に“瓶”があるように想像すると「感情を瓶に詰めて閉じ込める」→ “bottle up”的なメタファーがスッと入ってきます。
- スペリングのポイントは “tt” の二重子音と、最後に “le” が続くこと。
- 「中身を詰め込む」→ “感情を詰め込む” と関連付けると自然に意味の広がりを覚えられます。
以上が動詞 “bottle” の詳細解説です。瓶詰めから感情の抑え込みまで、場面に合わせてぜひ使い分けてみてください。
意味のイメージ