元となった辞書の項目
report
解説
1. 基本情報と概要
単語: report
品詞: 動詞 (名詞としても使われます)
活用形:
- 原形: report
- 三人称単数形: reports
- 現在分詞/動名詞: reporting
- 過去形・過去分詞形: reported
意味(英語・日本語)
- (英) “to give information about something; to present or describe something, often officially or to someone in authority”
- (日) 「何かについて情報を伝えること、特に公式に、あるいは権限を持つ人に伝えること」
「警察に事件を‘報告する’、上司に進捗を‘報告する’などのニュアンスで使われる単語です。口頭・文書問わず、自分が得た情報や状況を他者に伝える際に用いられます。」
他の品詞への変化例
- report(動詞) → report(名詞)「報告書、報道」
- reporter(名詞)「報告者、記者」
- reporting(形容詞・動名詞)「報告の、報告すること」
CEFRレベルの目安
- B1(中級)
報告する・報道するなど、比較的日常的・ビジネス的にもよく使われる言葉で、中級レベルの英会話学習者が学ぶ単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- re- (接頭辞): 「再び」「元に戻す」といったニュアンス
- port (語幹): ラテン語で「運ぶ(carry)」が語源
- → 「戻すように運ぶ」→「(情報を)戻して伝える、報告する」というイメージにつながります。
詳細な意味・用法
- 情報を報告する: 公式・非公式問わず、情報を提供する動作
- 報道する: 新聞やテレビ、SNSなどでニュースとして伝える
- 届け出る: 役所や警察など、権限のある機関に何らかの事実を申告する
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- report an incident
→ 事件を報告する - report a crime
→ 犯罪を届け出る - report progress
→ 進捗を報告する - report findings
→ 調査結果を報告する - report for duty
→ 勤務に就くために出頭する (軍隊や職場など) - report to the police
→ 警察に通報する - report a problem
→ 問題を報告する - report on the situation
→ 状況について報告する - report back (to someone)
→ (人に) 結果や状況を報告する - report live (from somewhere)
→ 現場から生中継で伝える
3. 語源とニュアンス
語源
- report は、ラテン語の「報告する」を意味する “reportare” に由来します。
- “re-” (再び) + “portare” (運ぶ) = 「持ち帰る、持ち運ぶ」→「後で持ち帰って伝える」→「報告する」
ニュアンス・使用時の注意点
- 公的な場面から日常会話まで幅広く使われる、比較的フォーマル寄りの動詞ですが、日常的にも非常に自然に使えます。
- 「誰に何を報告するか」が重要なので、前置詞 “to” や “on” の用法に注意が必要です。
- ビジネスシーンやニュースなどでは特に頻出で、公(おおやけ)の意味合いを含むことが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞: 目的語を取る場合が多い
- 例: “I reported the incident to the police.” (私はその事件を警察に報告した)
- 例: “I reported the incident to the police.” (私はその事件を警察に報告した)
- 前置詞 “to” とともに誰に報告するかを示す
- 例: “He reported his findings to the board.” (彼は調査結果を取締役会に報告した)
- 例: “He reported his findings to the board.” (彼は調査結果を取締役会に報告した)
- 前置詞 “on” とともに何を報告するかを示す
- 例: “She reported on the latest developments.” (彼女は最新の進展について報告した)
- 例: “She reported on the latest developments.” (彼女は最新の進展について報告した)
- 「報告する」という行為を強調したい場合や、口語の形としては “report back” がしばしば用いられます。
フォーマル / カジュアル:
- フォーマルな文書やニュースレポートで使われるのはもちろん、カジュアルな会話でも “I need to report this to my boss.” のように普通に使われます。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “I need to report my lost wallet to the police.”
- 財布をなくしたから警察に届け出ないといけない。
- 財布をなくしたから警察に届け出ないといけない。
- “Did you report the broken window to the landlord?”
- 壊れた窓のことを大家さんに報告した?
- 壊れた窓のことを大家さんに報告した?
- “I’ll report back to you once I find out more.”
- 詳しいことがわかったら、また報告するね。
ビジネスシーンでの例文
- “Please report your sales figures by the end of the day.”
- 今日中に売上数値を報告してください。
- 今日中に売上数値を報告してください。
- “He reported to his supervisor about the project’s delay.”
- 彼は上司にプロジェクトの遅延について報告した。
- 彼は上司にプロジェクトの遅延について報告した。
- “We need to report quarterly earnings to shareholders.”
- 四半期の収益を株主に報告する必要があります。
学術的な文脈での例文
- “The researchers reported their preliminary results at the conference.”
- 研究者たちは会議で予備結果を報告した。
- 研究者たちは会議で予備結果を報告した。
- “She was invited to report her findings in a peer-reviewed journal.”
- 彼女は査読付きジャーナルに調査結果を報告するよう依頼を受けた。
- 彼女は査読付きジャーナルに調査結果を報告するよう依頼を受けた。
- “They plan to report on the statistical significance of the data.”
- 彼らはデータの統計的有意性について報告する予定だ。
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- inform (知らせる)
- “inform” は単に情報を「知らせる」ニュアンスで、必ずしも公式性は強くなく、口頭やメールで簡単に伝える場面にも使われます。
- “inform” は単に情報を「知らせる」ニュアンスで、必ずしも公式性は強くなく、口頭やメールで簡単に伝える場面にも使われます。
- notify (通知する)
- “notify” は比較的フォーマルな響きで、主に公式な手続きを想起させるシーンに使われます。
- “notify” は比較的フォーマルな響きで、主に公式な手続きを想起させるシーンに使われます。
- announce (発表する)
- “announce” は大勢の人に向けて正式に「発表・公表する」イメージであり、一方向的コミュニケーションを強調します。
反意語
- 厳密な「反意語」と言える動詞は少ないですが、文脈的には “conceal” (隠す) や “withhold” (情報を与えない) が「報告しない・隠す」という点で逆の意味合いを持つ場合があります。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /rɪˈpɔːrt/ (米), /rɪˈpɔːt/ (英)
- アクセント (ストレス): 第二音節「-port」に強勢があります。
- アメリカ英語とイギリス英語
- 大きな違いはありませんが、アメリカ英語では “r” の発音が強めに残り、[pɔːrt] が [pɔːɹt] になりがちです。
- イギリス英語ではやや短めに /rəˈpɔːt/ のように聞こえることもあります。
- 大きな違いはありませんが、アメリカ英語では “r” の発音が強めに残り、[pɔːrt] が [pɔːɹt] になりがちです。
- よくある間違い
- 最初の “re” を強く読みすぎて /ˈriːpɔːrt/ のようにしないよう注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “report” を “repot” と書いてしまうなどのミスに注意。
- 同音異義語との混同: “rapport” (ラポール: 信頼関係) とは全く別単語なので注意。スペルも発音も少し似ていますが、意味が大きく異なります。
- 試験対策: TOEIC・英検などで「情報を伝える」「報告」関連の文脈で出題されることが多いです。報告先を表す “to” と、報告内容を表す “on” の使い分けがテストで問われる場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語源イメージ: “re-”(戻す) + “port”(運ぶ) → “運んで戻す” →「情報を持ち帰って渡す」→「報告する」。
- 覚え方のコツ:
- 「空港(airport)」や「輸送(transport)」の “port” が「運ぶ」という意味から来ているように、何かを“再び(re-)運ぶ(port)”→ “情報を伝え戻す”とイメージすると覚えやすいです。
- “report” は非常に使用頻度が高いので、ニュースやビジネスメールなど身近な文章で出会ったら必ず音読・模写すると定着しやすいです。
- 「空港(airport)」や「輸送(transport)」の “port” が「運ぶ」という意味から来ているように、何かを“再び(re-)運ぶ(port)”→ “情報を伝え戻す”とイメージすると覚えやすいです。
学習においては、報告先(“report to ~”)や内容(“report on ~”)に注目して例文をたくさん作り、声に出して練習するのがおすすめです。気づいた時にスマホなどにメモしておくと、文脈ごと覚えられて効果的です。
意味のイメージ
意味(1)
(上役・警察などの…のことで)〈人〉‘を'言いつける,訴える《+名〈人〉+to+名+for+名(doing)》
意味(2)
(…について)報告する《+on(upon)+名(do*ing*)》
意味(3)
(…に)出頭する《+for(to)+名》
意味(4)
管理下に入る,直属になる