potential

以下では、名詞「potential」について、学習者の方が理解しやすいように詳しく解説します。

1. 基本情報と概要

単語: potential

品詞: 名詞 (ほか形容詞としても使われる)

CEFRレベルの目安: B2（中上級）

意味（英語・日本語）

• 英語: the possibility of developing or achieving something in the future; the inherent ability or capacity for growth or improvement.
  


• 日本語: 将来発展する（成長する・達成する）可能性、潜在能力。
  

「potential」は何かがまだ形になっていないけれど、“これから発展するかもしれない可能性”や“内に秘めた能力”を表す名詞です。ビジネスや学術的文脈から日常会話まで、比較的フォーマル寄りに幅広く使われます。

活用形

• 名詞なので、形そのものの活用はありません（potentialsと複数形にすることもありますが、文脈はあまり多くありません）。


• 形容詞形（他の品詞）: potential (おなじスペルで形容詞としても「可能性がある」「潜在的な」という意味で使われます)

2. 語構成と詳細な意味

語構成

• 語源の要素: 「potential」はラテン語の「potentia（力、可能性）」に由来し、「potēns（力がある）」の関連語です。
  


• 接頭語・接尾語は特に明示的にはついていませんが、「potent-」という語幹（「力がある」「有力な」）が含まれています。

代表的な関連語

• potent (形容詞): 力強い、有力な
  


• potency (名詞): 力、効力、潜在力
  


• potentially (副詞): 潜在的に、おそらく

コロケーション（よく使われる共起表現）10選

1. realize one’s potential（自分の潜在能力を発揮する）
   


2. have great potential（大きな可能性を秘めている）
   


3. show potential（将来性を見せる）
   


4. unlock potential（潜在能力を解放する）
   


5. economic potential（経済的潜在力）
   


6. growth potential（成長の可能性）
   


7. full potential（最大限の能力・可能性）
   


8. potential candidate（有望な候補者）
   


9. potential problem（起こり得る問題）
   


10. tap into potential（可能性を活かす、引き出す）

3. 語源とニュアンス

語源

• ラテン語の「potentia（力、能力）」を起源とし、古フランス語や中世英語を経て英語の「potential」となりました。

ニュアンス・使用時の注意

• 「potential」は状況や人物が“これから成長する余地を持っている”という、ポジティブな可能性を示唆することが多いです。
  


• ビジネスや学術論文、プレゼンなど、ややフォーマルな場面でも頻繁に使われますが、日常会話でも使われるほど一般的になっています。

4. 文法的な特徴と構文

1. 名詞としての用法

   
   
   • 「～の可能性」「潜在能力」を指して使います。
     
   
   
   • 可算・不可算どちらにもなり得ますが、一般的には不可算名詞として用いられることが多いです。文脈によっては「different potentials」「various potentials」のように複数形も見られます。
   
   



2. 形容詞としての用法

   
   
   • 「潜在的な」「将来起こりうる」という意味で、「potential danger（潜在的危険）」のように名詞を修飾します。
   
   

一般的な構文

• “There is potential for + 名詞/動名詞” （～の可能性がある）
  


• “Somebody has the potential to + 動詞原形” （～する可能性/能力がある）

5. 実例と例文

日常会話での例文

1. “I think he has a lot of potential, but he’s just not motivated right now.”
   
   （彼は大きな可能性を秘めていると思うけど、今はやる気がないだけだよね。）




2. “This city has great potential for tourism.”
   
   （この街には観光産業において大きな可能性がある。）




3. “You should explore your full potential in music.”
   
   （あなたは音楽の分野で自分の可能性を最大限に探ってみるべきだよ。）

ビジネスシーンでの例文

1. “Our company believes in investing in employees’ potential.”
   
   （当社は従業員の潜在能力に投資することを信条としています。）




2. “We see significant potential for growth in the Asian market.”
   
   （アジア市場には大幅な成長の可能性があるとみています。）




3. “The new product has the potential to revolutionize the industry.”
   
   （その新製品には業界を一変させる可能性があります。）

学術的/フォーマルな文脈での例文

1. “The research aims to examine the potential of this technology in medical applications.”
   
   （この研究は、この技術が医療分野でどのような可能性を持つかを調査することを目的としています。）




2. “There is considerable potential for further investigation in this field.”
   
   （この分野には、さらなる研究の余地（可能性）がかなりある。）




3. “Her thesis explores the potential impacts of climate change on biodiversity.”
   
   （彼女の論文は、気候変動が生物多様性に及ぼす潜在的影響を探求しています。）

6. 類義語・反意語と比較

類義語

1. possibility（可能性）
   
   
   
   • 今後起こりうる“事象”の可能性を幅広く指す。
     
   
   


2. capability（能力）
   
   
   
   • できる力量そのものを指し、「～する能力がある」ニュアンスが強い。
     
   
   


3. capacity（能力、収容能力）
   
   
   
   • 「収容能力」だけでなく、人物の能力としても使われる。
     
   
   


4. promise（将来性、見込み）
   
   
   
   • 将来性がある、明るい見込みがあるというポジティブな含み。
   
   

反意語

• limitation（制約、制限）
  
  
  
  • “能力が十分でない”“制約がある”場合に使われる語。
  
  

7. 発音とアクセントの特徴

• 発音記号（IPA）: /pəˈtɛnʃ(ə)l/（米・英ほぼ共通）
  


• 第1音節の「po-」は曖昧母音 [pə-] で発音されます。
  


• アクセント（強勢）は「-ten-」部分に置き、“ポ・テン・シャル”のようなイメージです。
  


• アメリカ英語とイギリス英語で大きな差はありませんが、イギリス英語での /t/ はやや硬めに発音されることがあります。
  


• よくある間違いは、「poten-tial /poʊ-/」など “o” を強く伸ばしすぎることです。短め（pə）で発音するように意識しましょう。

8. 学習上の注意点・よくある間違い

• スペルミス: “potantial” のように “a” を入れ間違えるケースがあります。
  


• 同音異義語との混同: 直接「potential」と同音の単語はあまりありませんが、発音が似ている “potent” と区別がつきにくいおそれがあります。
  


• 試験対策（TOEIC・英検など）: ビジネス関連や、学術的な文章中によく出てくる単語なので、定義だけでなく、例文ベースで理解しておくのがポイントです。

9. 記憶に残るヒントやイメージ

• 語源の「potentia（力）」から、“内に秘めた力”とイメージすると覚えやすいです。
  


• 「ポテチ(ぇ)ャル」と口に出してリズムよく発音を練習すると、スペリングとの紐づけがしやすいでしょう。
  


• 「自分の潜在能力を引き出す」というイメージで、「potential」は“まだ開かれていないパワー”を表している、というストーリーを思い浮かべると覚えやすいです。

以上が名詞「potential」の詳細な解説です。将来の可能性や潜在能力を指す重要な単語ですので、ビジネスや学術的な文章でも使いこなしやすいように、例文やコロケーションとあわせて定着させてください。