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out there
解説
以下では、英語の表現 “out there” について、できるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語の意味例:
1) Outside; in the external world.
2) Unconventional; strange or unusual. - 日本語の意味例:
1) 「外の世界で」「あちらの外側で」
2) 「かなり変わった」「常識から外れた」
「out there」は、カジュアルな会話の中でよく使われる表現で、文脈次第で「実際に外にいる」「世の中にある」という物理的な意味から、「突飛な」「風変わりな」といった比喩的な意味まで幅広く使われます。
品詞・活用
- 基本的には副詞句(adverbial phrase)として扱われることが多いです。
- 例: “He is out there now.”(彼は今外にいる)
- 例: “His ideas are really out there.”(彼の考え方はかなり突飛だ)
- 例: “He is out there now.”(彼は今外にいる)
- 厳密には「out」と「there」が組み合わさったフレーズなので、活用形は特にありません。
他の品詞形へ派生する例
- 単独で「out」や「there」として使われることはありますが、「out there」のまま他の品詞になる例はほぼありません。
- 例として、形容詞的用法(extremely out-there)で「極めて突飛な」といった表現をするケースもありますが、これは口語的・スラング的な用法です。
CEFRレベル
- 目安: B1 (中級)
- 理由: 割と日常的に使われる表現ですが、比喩的な使い方の理解は中級レベル以降に求められることが多いため。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- “out” + “there”
- 接頭語や接尾語は含まれておらず、2つの単語の結合によるフレーズです。
派生語・類縁語
- “outside” (外側)
- “outward” (外に向かう)
- “out of this world” (信じられないほど素晴らしい、または奇妙)
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10例)
- “There’s something out there.”
(外に何かあるよ) - “Way out there.”
(はるか向こうに/かなりぶっ飛んでいる) - “Far out there.”
(遠くの方に/ものすごく変わっている) - “Ideas out there.”
(世の中にあるアイデア、または突飛なアイデア) - “Somewhere out there.”
(どこか遠くで) - “Still out there.”
(まだ外にある、まだ解決していない) - “Out there in the world.”
(世の中で、世界で) - “Just out there.”
(ただ外に/本当に変わっている) - “Keep an eye out there.”
(あちらにも気を配る) - “Out there on the horizon.”
(地平線上に/これから期待できるものとして)
3. 語源とニュアンス
語源
- “out” は古英語の「ūt」から、 “there” は古英語の「þǣr」(thǣr) からきています。両者とも「外」や「そこ」を示す基本的な副詞ですが、それを組み合わせた「out there」は、時代とともに比喩的な意味を持つようにもなりました。
ニュアンス・使用上の注意点
- 物理的な意味: 「あちらの外にある/いる」という単純な空間的ニュアンス。
- 比喩的な意味: 「奇抜で常識外れ」「突拍子もない」「変わった」といったニュアンス。
- カジュアル vs. フォーマル: 会話やカジュアルな文章でよく使われますが、フォーマルな文章ではあまり使われません。ビジネス文書や学術的文書の場合は言い換えることが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
1) 物理的な意味での使用例
- “Someone is out there.” → 「誰かが外にいる」
- 副詞としての機能がメイン。
2) 比喩的な意味での使用例
- “That idea is (really/far) out there.” → 「そのアイデアは(本当に/かなり)突飛だ」
- 文中で形容詞句のように機能することもある。
3) フォーマル/カジュアルの使い分け
- カジュアルな会話では頻繁に登場。
- フォーマルな文書では、「unorthodox」「unusual」「beyond the norm」などと言い換えることが多い。
4) 他動詞・自動詞などの区別
- 「out there」はそもそも動詞ではなく副詞句なので、他動詞・自動詞の概念は当てはまりません。
5. 実例と例文
それぞれ日常会話・ビジネス・学術的な文脈で3つずつ提示します。
日常会話
- “Hey, let’s go check out what’s out there!”
(ねえ、外で何があるのか見に行こうよ!) - “I heard there’s a new restaurant out there in the next town.”
(隣町に新しいレストランができたって聞いたよ。) - “Her fashion sense is really out there, but I kind of like it.”
(彼女のファッションセンスは本当に独特だけど、私は好きだな。)
ビジネス
- “We need to see what options are out there before making a decision.”
(決断を下す前に、世の中にどんな選択肢があるか調べる必要があります。) - “Let’s explore the marketing tools out there to expand our reach.”
(私たちのリーチを拡大するために、世の中にあるマーケティングツールを調べてみましょう。) - “Some of the proposals seem a bit out there, but we should keep an open mind.”
(提案の中にはちょっと突飛なものがありますが、柔軟に考えるべきでしょう。)
学術的な文脈
- “Researchers believe there might be undiscovered species out there in the deep ocean.”
(深海にはまだ発見されていない生物がいるかもしれない、と研究者たちは考えています。) - “While some theories sound out there, they can inspire groundbreaking research.”
(一部の理論は突飛に聞こえるかもしれませんが、画期的な研究を刺激することがあります。) - “It’s important to verify all data sources out there to maintain academic integrity.”
(学術的な誠実性を保つため、世の中にあるすべてのデータソースを検証することが重要です。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “outside”(外側に):より物理的。比喩的意味合いは弱い。
- “unconventional”(型破りな):もう少しフォーマルで、中立的な印象。
- “weird”(変わった):口語的。ネガティブな響きが強い場合がある。
- “far-fetched”(信じがたい):何か根拠が薄く無理がある感じを示唆。
反意語
- “normal”(普通の)
- “conventional”(伝統的な、従来の)
- “mainstream”(主流の)
“out there” が「風変わり/突飛」を意味する場合、上記の反意語と比較すると「主流ではない」という対比がわかりやすいです。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA表記:
- アメリカ英語: /aʊt ˈðɛr/
- イギリス英語: /aʊt ˈðeə/
- アメリカ英語: /aʊt ˈðɛr/
- アクセント: “out” の /aʊt/ の二重母音がポイント。続く “there” の /ð/ の発音も日本語話者には難しいとされます。
- よくある間違い:
- /ð/ を /d/ や /z/ と混同してしまう。
- “out there”を早口で発音するとき、「アウッ・ゼア」のように聴こえる場合が多い。
- /ð/ を /d/ や /z/ と混同してしまう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「out there」は2語なので、くっつけて書かないように注意(“outthere” は誤り)。
- 同音異義語との混同: 「there」と「their」や「they’re」を混同しないように。
- 試験対策: TOEICや英検で直接頻出というよりは、リスニングで “out there” がサッと出てきた時に物理的な意味か「変わった」意味かを文脈で判断できるかがポイント。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “Out” + “There” = 「外の、あちらの」。どこか遠くにあるイメージや、常識の外にあるイメージを思い浮かべて連想すると覚えやすいです。
- 「奇抜」なイメージを、頭の中で「遠くにある風船」や「宇宙」に例えて思い浮かべると印象に残りやすいでしょう。
- 話し言葉の中で「Your idea is out there!」と言われたら「すごく(常識外れで)面白い」と受け取るとよいです。
以上が “out there” の詳細な解説です。物理的な意味と比喩的な意味をしっかり区別しつつ、日常ではよく使われるカジュアルな表現だと理解しておくと便利です。
意味のイメージ
意味(1)
あそこに, 向こうで
意味(2)
《米俗》(人・考え方などが)普通でない, 並外れた
意味(3)
世の中では