最終更新日:2025/11/03

《肯定的に》 (人・事・物)のおかげで / 《否定的に》...のせいで

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元となった辞書の項目

thanks to

《肯定的に》 (人・事・物)のおかげで / 《否定的に》...のせいで

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解説

1. 基本情報と概要

表現: thanks to

品詞: 慣用表現(句)

和訳: 〜のおかげで、〜の結果として

CEFR レベル目安: B1(中級レベル)

「thanks to」は「〜のおかげで」「〜のために」という意味を持つ表現です。ポジティブな要因や協力のおかげで何かが実現したり、恩恵を受けたりするニュアンスを伝えます。日常会話からビジネスシーン、カジュアルから比較的フォーマルな文章まで、幅広く用いられるフレーズです。


  • 「thanks to」の活用形というより、固定的なフレーズとして使われます。文法上「thanks to」は前置詞句として機能し、「〜が原因で」「〜のおかげで」という文全体への修飾を行います。

  • 元となる名詞「thanks」は「感謝」「謝意」を示す名詞としても使用されます(例: “Give my thanks to your parents.”)。動詞形「thank」は「感謝する」を表しますが、「thanks to」とは別の構文になります。


2. 語構成と詳細な意味


  • thanks


    • 「感謝」を意味する名詞。また “thank” は動詞「感謝する」。


  • to


    • 前置詞。「〜へ」「〜に」を意味するが、「thanks to」の場合は「〜によって」「〜のおかげで」という因果関係を表す役割になります。


関連する派生語や類縁表現


  • thank (動詞): 感謝する

  • thankful (形容詞): 感謝している

  • thankless (形容詞): やりがいが感じにくい、見返りが少ない

よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(例を10個)


  1. thanks to your help

    (あなたの助けのおかげで)

  2. thanks to modern technology

    (現代技術のおかげで)

  3. thanks to the internet

    (インターネットのおかげで)

  4. thanks to an unexpected bonus

    (予想外のボーナスのおかげで)

  5. thanks to the support of my friends

    (友人の支援のおかげで)

  6. thanks to quick thinking

    (素早い判断のおかげで)

  7. thanks to everyone’s cooperation

    (みんなの協力のおかげで)

  8. thanks to diligent practice

    (熱心な練習の結果として)

  9. thanks to the new policy

    (新しい方針のおかげで)

  10. thanks to good planning

    (良い計画のおかげで)


3. 語源とニュアンス


  • 語源


    • 「thanks」は古英語の “þanc” に由来し、「感謝」「好意」「満足」などを表す言葉でした。そこから「感謝の気持ち」に関するさまざまな語が生まれています。


  • ニュアンス


    • 「thanks to」は感謝や恩恵に焦点を置きながら、物事の因果関係を示します。ポジティブな文脈で使われることが多いですが、皮肉や軽い嫌味として「(皮肉な意味で)〜のせいで」と使われる場合もあります。


  • 使用時の注意点


    • カジュアルな会話からビジネス文書まで幅広く使いやすいフレーズです。フォーマルに使う際は、「due to」や「owing to」に置き換えられることもありますが、「thanks to」はややカジュアル寄りかつ肯定的な響きがあります。



4. 文法的な特徴と構文


  • 文中の使い方


    • 前置詞句として文頭・文中で使用し、原因や理由を示します。

      例: “Thanks to your advice, I was able to finish on time.”


  • 可算/不可算の区別


    • 「thanks」自体は通常可算名詞ですが、慣用表現「thanks to」として使う場合は単数・複数の活用は気にせず固定表現として扱われます。


  • 主な構文


    • [Thanks to] + [名詞/名詞句], [文]

    • [文] + thanks to + [名詞/名詞句]



5. 実例と例文

日常会話での例文(3つ)


  1. “Thanks to you, I found a great restaurant in this area!”

    (あなたのおかげでこのエリアの素敵なレストランを見つけたよ!)


  2. “I managed to catch the bus, thanks to my friend who reminded me of the time.”

    (友人が時間を教えてくれたおかげで、バスに間に合ったよ。)


  3. “Thanks to the nice weather, we had a wonderful picnic.”

    (いい天気だったおかげで、素敵なピクニックになった。)


ビジネスでの例文(3つ)


  1. “Thanks to our team’s cooperation, we finished the project ahead of schedule.”

    (チームの協力のおかげで、予定より早くプロジェクトを終えられました。)


  2. “Thanks to the new marketing strategy, our sales have increased dramatically.”

    (新しいマーケティング戦略のおかげで、売上が大幅に伸びました。)


  3. “We’ve gained many new clients, thanks to the conference we attended last month.”

    (先月参加したカンファレンスのおかげで、新規顧客が大きく増えました。)


学術的な文脈での例文(3つ)


  1. “Thanks to recent developments in AI, data analysis has become more efficient.”

    (近年のAIの発展のおかげで、データ分析がより効率的になりました。)


  2. “Thanks to extensive field research, the accuracy of these findings has improved.”

    (広範なフィールド調査のおかげで、これらの研究結果の正確性が高まりました。)


  3. “Thanks to interdisciplinary collaboration, we have a broader understanding of the subject.”

    (学際的な協力のおかげで、そのテーマについてより幅広い理解が得られました。)



6. 類義語・反意語と比較

類義語


  1. due to(〜が原因で)


    • 「thanks to」はポジティブなニュアンスが強いのに対して、「due to」は中立的・客観的に原因や理由を示します。


  2. because of(〜のために)


    • 一般的な原因表現。ニュアンスに感謝やポジティブさは特に含まれません。


  3. owing to(〜によって)


    • フォーマルな場面で使われることが多く、「due to」と近い意味合いです。


  4. as a result of(〜の結果として)


    • 結果に焦点を当てる表現。ニュアンスは比較的中立です。


反意語

はっきりした単一の反意語はありませんが、「〜のせいで」を示すときにネガティブ要因を強調するには “because of” や “due to” のあとに悪い原因を述べるなどの言い方をします。皮肉を込めて “thanks to” を使う場合もあり、そのときは結果が「悪いこと」であっても、あえてポジティブな単語の「thanks」を用いることで皮肉を表現することがあります。


7. 発音とアクセントの特徴


  • 発音記号(IPA):


    • thanks /θæŋks/

    • to /tuː/ または弱形で /tə/


  • 強勢(アクセント)の位置:


    • 「thanks to」は基本的に「thanks」の部分に強めのアクセントがあります。

    • 口語では「thanks to」がつながって発音されることが多く、特に「to」は /tə/ に弱化されることが多いです。


  • アメリカ英語とイギリス英語での違い


    • 大きな差はありませんが、アメリカ英語のほうが “thanks” の /æ/ がはっきりとしており、イギリス英語では若干 /æ/ が /ɑ/ に近い音になることがあります。


  • よくある発音ミス


    • 「サンクス」ではなく、しっかりと最初に無声音 /θ/ (舌先を歯の間に軽くあてる) を含む音を出す点に注意。

    • 「トゥ」を「ト」ですばやく発音してしまったり、「トォ」と曖昧に発音しないよう注意する。



8. 学習上の注意点・よくある間違い


  • “thanks for” との混同


    • “thanks for + 目的語” は「〜してくれてありがとう」という直接的な感謝を伝えるフレーズ(例: “Thanks for helping me.”)

    • “thanks to + 名詞/名詞句” は「〜のおかげで(結果として)」という因果関係や感謝の理由を示すフレーズ(例: “Thanks to your help, we finished early.”)


  • ネガティブな文脈への使用


    • ネガティブな結果をもたらした原因を表すときは “because of” や “due to” を使うほうが一般的。ただし、皮肉表現で “thanks to” を使う場合もあるので文脈に注意。


  • 試験対策・資格試験での出題


    • TOEIC や英検などでは、前置詞(句)の正誤問題や置き換え問題で「thanks to」=「because of / due to」など、原因・理由を表すバリエーションとして扱われることが多いです。



9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • 「お礼を言う(thanks)」+「(誰か・何か)に対して(to)」というイメージで覚えると、因果関係だけでなく「感謝」を込めているというニュアンスがわかりやすくなります。

  • 「何か良いことが起こった理由」のフレーズとしてイメージすると使いやすいです。嫌味や皮肉を言いたいときにも応用できる点がユニークです。

  • スペリングは “thanks” の “s” を忘れないこと、「thank to」は誤用です。同音異義語には特にありませんが、発音で“think” /θɪŋk/ と混同しないよう注意しましょう。


「thanks to」は感謝の気持ちやポジティブな理由を強調できる便利な表現です。話し言葉・書き言葉ともに幅広く使えますので、自信を持って活用してみてください。

意味のイメージ
thanks to
意味(1)

《肯定的に》 (人・事・物)のおかげで

意味(2)

《否定的に》...のせいで

頻出英熟語500 / 英訳 / 4択問題

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