sit up
以下では「sit up」という句動詞について、できるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
英語の意味
• “to move from a lying or leaning position to a sitting position”
(横になっている、またはもたれている状態から起き上がって座ること)
• 「注意を向ける」「身を乗り出す」などの比喩的な意味でも使われる(「思わず背筋を伸ばして話を聞く」「急に興味を引かれて姿勢を正す」イメージ)。
日本語の意味
• 「起き上がる」「座り直す」「背筋を伸ばして座る」
こういう場面で使われる句動詞・表現で、英語では「体勢を整えて座る」や「急に関心を向ける」というニュアンスを表します。
品詞と活用形
• 動詞句 (phrasal verb: “sit” + “up”)
• “sit” の活用形:sit – sat – sat / sitting
• “sit-up” (名詞) という形もあり、腹筋運動(「シットアップ」)を指す。
他の品詞例
• 同じ「sit」を使った名詞「sit」(まれ):動物などを命令するとき “Sit!” (「おすわり!」) のように用いられますが、名詞としてはほとんど使われません。
• 「sitter」(名詞):「座る人」「ベビーシッター(baby-sitter)」
難易度目安(CEFR)
• B1(中級)
簡単なフレーズだが、句動詞としての使い方やニュアンスを理解するには中級レベルの知識があるとスムーズ。
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
• 語幹 “sit”:「座る」
• 副詞 “up”:「上へ」「直立して」を表す方向性のイメージ
⇒ “sit up” で「身体を起こして座る」「関心を向けてその場にしっかり座る」というニュアンス。
派生語や類縁語
• “sit-up” (名詞):「腹筋運動」
• “sit-down” (形容詞・名詞):「着席の/着席して行うこと」
• “stand up” (句動詞):「立ち上がる」
よく使われるコロケーション(10個)
- “sit up straight” – まっすぐ座る
- “sit up in bed” – ベッドで上体を起こす
- “make someone sit up” – (誰かに)注意を向けさせる/驚かせる
- “sit up suddenly” – 急に起き上がる
- “it made me sit up and listen” – それで思わず注意深く聞いてしまった
- “sit up all night” – 夜通し起きている
- “sit up properly” – 正しい姿勢で座り直す
- “sit up and take notice” – (興味・関心をそそられて)急に注目する
- “tell someone to sit up” – (相手に)姿勢を正して座るように言う
- “sit up to do something” – (何かするために)体を起こして座る
3. 語源とニュアンス
語源
- “sit” は古英語の “sittan” に由来し、「座る」を意味してきました。
- “up” はゲルマン祖語にさかのぼる、方向や状態を表す副詞です。
- 中世英語以降、動詞 + 副詞の句動詞として“sit up”が確立しました。
ニュアンスと使用時の注意
- 物理的に「起き上がる」という直接的な意味以外にも、「急に興味を持って身を乗り出す」「思わず背筋を伸ばす」という比喩的表現として使われます。
- フォーマルにもカジュアルにも使えますが、日常会話でよく登場します。
4. 文法的な特徴と構文
- 自動詞的に使われ、「~が起き上がる」という形をとります(目的語を直接とらない)。
例: “I sat up suddenly.” (私は突然起き上がった) - イディオム的な構文として “sit up and take notice” は、「急に関心を示す」「注目する」という決まり文句です。
- “sit-up” (名詞) は可算名詞として数えられ、腹筋運動の回数を表すときに使われます。(例: “I did 20 sit-ups.”)
5. 実例と例文
日常会話 (3例)
- “I usually sit up in bed for a while before getting up.”
(起きる前にしばらくベッドで上体を起こして座るんだ。) - “When I heard the news, I sat up and listened carefully.”
(そのニュースを聞いて、思わず姿勢を正して真剣に耳を傾けたよ。) - “Hey, sit up straight! You’ll hurt your back.”
(ちょっと、背筋伸ばして座りなよ。腰を痛めちゃうよ。)
ビジネスシーン (3例)
- “Everyone sat up and took notice when the CEO announced the new strategy.”
(CEOが新戦略を発表したとき、皆が急に注目して話を聞き始めた。) - “You should sit up properly during the meeting to look professional.”
(ミーティング中は、きちんとした姿勢で座ってプロらしく見せたほうがいいですよ。) - “The data made investors sit up and reconsider their options.”
(そのデータを見て投資家たちは急に興味を持ち、自分たちの選択肢を再検討し始めた。)
学術的な文脈 (3例)
- “Participants were instructed to sit up straight in order to maintain consistent posture throughout the experiment.”
(実験全体を通じて一定の姿勢を保つため、参加者は背筋を伸ばして座るように指示された。) - “The surprising findings caused many researchers in the field to sit up and reassess previous theories.”
(その意外な結果により、多くの研究者が急に注目して、従来の理論を再評価するに至った。) - “Students who sit up comfortably are more likely to stay focused during long lectures.”
(座り心地を整えて姿勢良く座っている学生のほうが、長い講義でも集中力を保ちやすい。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “straighten up” (背筋を伸ばす)
- 意味は似ていますが、行動として「背筋を伸ばす」により焦点がある。
- 意味は似ていますが、行動として「背筋を伸ばす」により焦点がある。
- “perk up” (元気になる、しゃんとする)
- どちらかというと「元気づける・元気になる」というニュアンス。
- どちらかというと「元気づける・元気になる」というニュアンス。
- “pay attention” (注意を払う)
- 肉体的な起き上がりというより気持ちの面で意識が向く感じ。
反意語
- “slouch” (だらしなく座る/前かがみで座る)
- “sit up straight” の反対で、猫背になるイメージ。
- “sit up straight” の反対で、猫背になるイメージ。
- “lie down” (横になる)
- “sit up” と対立する身体の位置。
- “sit up” と対立する身体の位置。
7. 発音とアクセントの特徴
• 発音記号(IPA): /sɪt ʌp/
- “sit” は /sɪt/(「シッ」という短い「イ」)
- “up” は /ʌp/(「ア」に近い「アッ」)
• アクセント:
- 一般的には“sit”に軽い強勢が入り、そのまま“up”が続く。
- “sit UP” のように “up” を強調して「すぐ起き上がる」ニュアンスを出すこともあり。
• アメリカ英語とイギリス英語に大きな違いはなく、母音の微妙な違い程度。
• よくある発音ミス:
- “seat” ( /siːt/ ) と混同して “seat up” と言ってしまう行為や、 /ˈsɪt ʌp/ と余計に強調しすぎて不自然になる場合。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 「sit」と「set」の混同
- sit (自分が座る) / set (何かを置く) は全く別。スペルや意味を混同しないように注意。
- sit (自分が座る) / set (何かを置く) は全く別。スペルや意味を混同しないように注意。
- “seat” との混同
- “seat” は名詞(座席)や動詞(誰かを座らせる)の意味。 “sit” とは違う。
- “seat” は名詞(座席)や動詞(誰かを座らせる)の意味。 “sit” とは違う。
- “sit-up” とハイフン付きで書くと名詞の「腹筋運動」を指す点
- 文脈でどちらの意味か識別が必要。
- 文脈でどちらの意味か識別が必要。
- TOEIC・英検対策
- 句動詞はよく出題されるポイント。 “sit up” のように二語以上の動詞表現は意味をまとめて覚えておく。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「横になる状態から“up”する(上方向に起き上がる)」とイメージすると覚えやすい。
- “sit up and take notice” という決まり文句をまるごと覚えておくと、「興味を持って急に姿勢を正す」イメージが強く残る。
- “sit-up” = 「腹筋運動」。ハイフン付きで運動の種類だと覚えると区別しやすい。
以上が「sit up」の詳しい解説です。姿勢を正して夜更かしする場合にも「sit up all night」と表現するなど、意外と使いどころが多い表現なので、ぜひ活用してみてください。
【句動】(寝た姿勢から)身体を起こす,きちんと座る,(寝ないで)起きている