元となった辞書の項目
clerk
解説
以下では、名詞「clerk」をできるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味
- 英語: clerk
- 日本語: 事務員、店員、受付係、職員など
「clerk」はオフィスなどで書類整理をしたり、窓口やレジで接客をしたりする人を指す名詞です。
主に事務作業・接客業務などに携わる人を表すときに使われます。日常会話やビジネスでは「受付係」「店員」「事務スタッフ」といったニュアンスです。
品詞
- 名詞 (noun)
活用形
名詞ですので、通常は数によって以下の形があります。
- 単数形: clerk
- 複数形: clerks
他の品詞
- 動詞としての用法はあまり一般的ではありませんが、「clerk for ...」のように「・・・の事務をする」という動詞として使われる場合があります。あまり頻度は高くありません。
CEFRレベル
- 目安: A2 (初級)~B1 (中級)
- 「clerk」は、商店やホテル受付、役所などで見かける単語であり、初級〜中級学習者が覚えておくと便利です。
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- 「clerk」は一語で、明確な接頭語や接尾語は含まれません。
- 語幹: “cler-” (特に区別されるほどの接頭・接尾がない)
関連語
- clerical (形容詞): 事務の、書記の
- clerkship (名詞): 書記・事務の職、実務研修期間 (法律事務所での研修などを指す)
よく使われるコロケーション(10個)
- hotel clerk(ホテルの受付係)
- sales clerk(販売員、店員)
- bank clerk(銀行の窓口係)
- front desk clerk(フロント係)
- office clerk(事務員)
- clerk on duty(当番の店員・係員)
- hiring a clerk(事務員を雇う)
- filing clerk(ファイリング係、書類整理係)
- customer service clerk(カスタマーサービス係)
- postal clerk(郵便局の窓口係)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「clerk」は古フランス語の“clerc”やラテン語の“clericus”(聖職者、または学識のある人)に由来しています。中世では聖職者が読み書きを行っていた経緯から、“書記”や“事務をする人”が「clerk」と呼ばれるようになりました。
ニュアンス・使用時の注意
- 現代英語では「事務職、店員」など広い意味で使われます。
- イギリス英語での発音は /klɑːk/ と読まれることが多い(「クラーク」に近い音)。アメリカ英語は /klɝːk/(「クラーク」よりも「クラーク」に“r”音が強く入る)になり、発音の差があります。
- 「clerk」はややフォーマルか、あるいは口頭やビジネスシーンで普通に使われる単語です。店員や受付などを表す語としては、カジュアルな場面では「店員:salesperson」や「受付:receptionist」が使われることもあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞: 可算名詞 (a clerk, two clerks)。
- 動詞: まれに「to clerk」という形で「事務をする」という用法がありますが、あまり一般的ではありません。主に法律事務所などで「to clerk for a judge」「裁判官の助手を務める」で使われる場合があります。
代表的な構文・表現
- “He works as a clerk at the local bank.”(彼は地元の銀行で事務員として働いている)
- “She clerked for a famous attorney.”(彼女は有名弁護士の助手として働いていた)←やや専門的な表現
フォーマル / カジュアル
- 「clerk」はビジネス場面でも日常会話でも使える汎用性の高い単語です。
- 公的機関や文書では “clerical staff” と表現されることがあります。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “I asked the store clerk if they had this shirt in my size.”
(店員にこのシャツの私のサイズがあるか聞いたよ。) - “The hotel clerk gave us a map of the city.”
(ホテルの受付係が私たちに市内地図をくれた。) - “I needed help, so I went to the information desk and spoke to the clerk.”
(助けが必要だったので、案内所へ行って係員に相談した。)
(2) ビジネスでの例文
- “Our office clerk handles all the paperwork and filing.”
(私たちの事務員は、すべての書類やファイリングを担当している。) - “The front desk clerk in our company greets visitors and schedules appointments.”
(当社の受付係は来客を迎え、アポイントを調整している。) - “We plan to hire a new clerk to assist with data entry and invoicing.”
(私たちはデータ入力と請求書処理を手伝ってくれる新しい事務員を雇う予定だ。)
(3) 学術的・専門的な文脈での例文
- “He clerked for a Supreme Court Justice after graduating from law school.”
(彼はロースクール卒業後、最高裁判所判事の助手を務めた。) - “A research clerk is responsible for gathering and organizing all relevant documents.”
(リサーチ係としての事務員は、関連資料を収集・整理する責任がある。) - “In this program, students clerk at various governmental agencies for practical experience.”
(このプログラムでは、学生たちは実践的な経験を得るため、さまざまな政府機関で事務をする。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- receptionist(受付係)
- 「clerk」が事務全般を含むのに対し、receptionistは特に来客対応や電話対応に特化する。
- 「clerk」が事務全般を含むのに対し、receptionistは特に来客対応や電話対応に特化する。
- secretary(秘書)
- 「clerk」は事務・窓口対応中心、secretaryは上司のスケジュール管理や連絡補助がメイン。
- 「clerk」は事務・窓口対応中心、secretaryは上司のスケジュール管理や連絡補助がメイン。
- office worker(オフィスワーカー)
- 一般的なオフィス勤務者を広く指す表現。
- 一般的なオフィス勤務者を広く指す表現。
- assistant(アシスタント)
- 幅広い領域で補助する人を指す。
- 幅広い領域で補助する人を指す。
- sales assistant / sales clerk(販売員・店員)
- 店舗など販売業の店員を指すが、「clerk」のうちでも特に販売業に特化している。
反意語(Antonyms)
- 「clerk」の直接の反意語は特にありませんが、「manager(管理職)」や「executive(管理職・役員)」は立場が違うため対比的に使われることがあります。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- イギリス英語 (BrE): /klɑːk/
- アメリカ英語 (AmE): /klɝːk/
アクセントの位置
- アクセントは語頭 “clerk” の “e” (子音のあたり) に置かれます(実際の発音では[k]音が主になる感覚)。
- イギリス英語では「クラーク」と母音が長めになります。アメリカ英語では「クラーク」よりも「クラー(r)ク」に近い「r」音が強く聞こえます。
よくある発音の間違い
- イギリス英語を学んでいる場合に /klɜːk/ や /klark/ など、あいまいになりやすい。
- アメリカ英語では /klɝːk/ になり、日本語の「クラーク」とは一部異なる “r” の巻き舌に注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “clark” と書いてしまう ミスがあるので注意。
- 同音異義語: 特にありませんが、イギリス英語では発音が /klɑːk/ になるため、“clerk” と “clark” を混同する学習者がいます。
- 資格試験(TOEICなど)では、ビジネス上の「受付係」や「事務担当者」という意味で出題されることがありますので、しっかり理解しておきましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「クラーク博士」(日本人なら一度は聞いたことがあるウィリアム・スミス・クラーク)を思い浮かべるとスペルを間違えにくいかもしれません。(実際の綴りは “Clark” ですが、響きは同じ。)
- 日常生活で「事務作業をする人」「レジ係」を思い浮かべると覚えやすいです。
- ホテルのフロントや銀行の窓口業務など、人と接する職業イメージを結びつけると、単語の意味が定着しやすいでしょう。
以上が名詞「clerk」の詳細な解説です。事務や窓口対応をする人を幅広く指す便利な単語ですので、ぜひ活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(銀行・会社の)行員,社員;事務員
意味(2)
(官庁の)書記,事務官,吏員;(教会の)書記
意味(3)
《米》店員,売り子(=salesclerk)(《英》shop assistant)
意味(4)
事務員(書記など)として働く