flavor
以下では、英単語 flavor
について、学習者向けにできるだけ丁寧に解説していきます。
1. 基本情報と概要
単語: flavor
品詞: 名詞 (countable noun)
活用形:
- 単数形: flavor
- 複数形: flavors
※ イギリス英語では flavour
とつづります。同じ意味です。
意味 (英語)
• flavor: the distinctive taste of a food or drink, or a particular quality that makes something interesting
意味 (日本語)
• 「味」「風味」「持ち味」「特色」などの意味を持つ名詞です。食べ物や飲み物に対しては「味」や「香りを含む風味」を示しますし、会話の雰囲気や出来事の特徴についても「持ち味・独特の味わい」というニュアンスで使われることがあります。
例えば、「This soup has a rich flavor.(このスープはコクのある味がする)」という文で、単に「味」というだけでなく「香りや食感など総合的な風味」を指すことが多いです。味覚だけでなく、「話し方の独特な味わい」「作品の個性」のように、比喩的にも使う単語です。
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
学校や仕事、自分の興味のあるトピックなど、日常的な会話からもう一歩進んだ表現で使われることも多い単語です。A1やA2レベルの初学者でも「taste」という単語を学んだあとに次に知ることが多いかもしれません。
2. 語構成と詳細な意味
- 語幹: 「flav-」という目立った接頭語・接尾語のない形。
- 派生形:
- 動詞: to flavor (~に風味をつける)
- 形容詞: flavorful (風味豊かな), flavorless (味気ない)
- イギリス英語のスペリング: flavour, flavourful, flavourless
- 動詞: to flavor (~に風味をつける)
よく使われるコロケーション(共起表現)例(日本語訳つき)
- rich flavor → コクのある味
- delicate flavor → 繊細な風味
- strong flavor → 強い味(くせのある味)
- subtle flavor → ほのかな味わい
- sweet flavor → 甘い風味
- flavor profile → 味の特徴・プロファイル
- flavor combination → 味の組み合わせ
- add flavor → 風味を加える
- enhance the flavor → 風味を高める
- unique flavor → 独特の味
3. 語源とニュアンス
flavor
は、古フランス語の「flaour」(嗅覚、味)などから派生し、さらにラテン語に遡ると「flare(香りを放つ)」に関係するとされています。「味や香りの本質的な部分」を表すことから、料理だけでなく、物事の本質的な「味わい・雰囲気」にも使われます。
食べ物の話題で頻繁に使われるだけでなく、比喩的にも「状況や雰囲気の特色を強調する」便利な単語です。カジュアルな会話でもフォーマルな文章でも広く使われますが、食べ物の話題を超えて文脈を広げたいときには重宝します。
4. 文法的な特徴と構文
名詞として
- 基本的に 可算名詞 (countable noun) なので、a flavor / the flavor / flavors などと冠詞や複数形を伴います。
- 抽象的(「なんとなくいい味わい」)に使う場合にも可算名詞の扱いが中心です。
一般的な構文
- “(Something) has a (形容詞 +) flavor.”
例: This dish has a unique flavor. - “add (形容詞 +) flavor to (何か).”
例: Adding fresh herbs can add extra flavor to the soup. - “bring out the flavor of (何か).”
例: Lemon juice helps bring out the flavor of the fish.
食べ物の状況ではカジュアルな表現ですが、ビジネス文書や製品の説明でも使われることが多く、フォーマル/カジュアルを問わず幅広く使用されます。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
“This ice cream has an amazing chocolate flavor.”
→ 「このアイスクリームは素晴らしいチョコレートの味がするね。」“I love trying new flavor combinations when I cook.”
→ 「料理するときに新しい味の組み合わせを試すのが大好き。」“There’s a subtle flavor of mint in this tea.”
→ 「このお茶にはかすかにミントの風味があるよ。」
(2) ビジネスシーンでの例文
“We plan to launch a new flavor next summer to expand our product line.”
→ 「来年の夏に新しいフレーバーを発売して、製品ラインを拡充する予定です。」“Consumer feedback indicates that a sweeter flavor would sell better in the Asian market.”
→ 「顧客からのフィードバックによると、アジア市場では甘めのフレーバーの方が売れ行きが良いようです。」“The marketing team is working on a campaign to highlight the unique flavor profile of our coffee beans.”
→ 「マーケティングチームは、当社のコーヒー豆のユニークなフレーバープロファイルを強調するキャンペーンを進めています。」
(3) 学術的/アカデミックな例文
“Research shows that the flavor perception is influenced by both taste and olfactory receptors.”
→ 「研究によると、味の知覚は味覚受容体と嗅覚受容体の両方に影響されることがわかっています。」“In food science, developing a new flavor often requires extensive testing of various ingredients.”
→ 「食品科学の分野では、新しい風味を開発するにはさまざまな原材料の広範なテストが必要です。」“Flavor compounds can interact with proteins, altering the overall taste of the final product.”
→ 「風味成分はタンパク質と相互作用し、最終製品の全体的な味を変化させる可能性があります。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- taste(味)
- 「味覚」を主に指す点が異なり、
flavor
は香りや食感など総合的な「風味」を強調。
- 「味覚」を主に指す点が異なり、
- aroma(香り)
- 「香り」を中心とした語であり、味というより嗅覚面を強調。
- 「香り」を中心とした語であり、味というより嗅覚面を強調。
- savor(味わい・風味)
- より文学的または一部では古風な響きを持つ。動詞として「~を味わう」という意味も。
- より文学的または一部では古風な響きを持つ。動詞として「~を味わう」という意味も。
- essence(本質・エッセンス)
- 「香り・フレーバーの元となる本質」に限らず、物事の根本要素や本質を示す場合にも使う。
- 「香り・フレーバーの元となる本質」に限らず、物事の根本要素や本質を示す場合にも使う。
反意語 (Antonyms)
- blandness(無味・味気なさ)
- 「風味のない状態」を表す抽象名詞。
- 「風味のない状態」を表す抽象名詞。
- tastelessness(味がないこと)
- 「味がしない、またはつまらない状態」として議論される場合に使われる。
- 「味がしない、またはつまらない状態」として議論される場合に使われる。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- アメリカ英語 (GA): /ˈfleɪ.vɚ/
- イギリス英語 (RP): /ˈfleɪ.və/
flá-vor のように、最初の音節に強勢が来ます。イギリス英語では語末の「r」が無音(または弱い音)になり、アメリカ英語でははっきりと /ɚ/ 音になります。スペリングの違い (flavor/flavour) にも注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングの違い: アメリカ英語では「flavor」、イギリス英語では「flavour」。どちらで統一するかに注意する。
- taste との混同:「taste」は「味覚」にフォーカスしているが、「flavor」は香りや食感にも含意がある。
- 発音の間違い: “fla-ver” と /fleɪ/ をしっかり伸ばし、/v/ と /və(r)/ を曖昧にしないように。
- TOEIC・英検など: 一般的な語としてビジネス文脈でも見られる。派生形「flavored」「flavoring」などを問われる場合もあるので注意。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「flow(流れ)+味」をイメージすると、味がふわっと「流れて広がる」雰囲気を覚えやすいかもしれません。
- 「taste」1本だったところに「aroma」や「overall impression」が加わっているイメージで「flavor」を理解すると便利です。
- スペリングは「favor(好意)」のように見えますが、間に「l」があることで「風味」に繋がると連想すると間違いを減らせます。
以上が英単語 flavor
の詳細な解説です。味だけではなく、様々なものの「特有の味わい、雰囲気、特色」を表現したいときに、ぜひ活用してみてください。
(独特の)風味,味
味つけするもの,調味料
特質,味わい