元となった辞書の項目
specialty
解説
以下では、英単語 specialty
について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
英語と日本語での意味
- 【英語】
specialty
- 【日本語】「専門分野」「得意分野」「名物料理」など
「specialty」は、「専門分野」や「得意とするもの」を表す名詞です。その人やお店などが特に得意とする分野や商品・料理などを指すときにも使われます。
「これが私の得意な〇〇です」や「このレストランの名物料理です」というニュアンスを伝えたいときに便利な単語です。
品詞
- 名詞 (noun)
活用形
- 単数形: specialty
- 複数形: specialties
※ イギリス英語では speciality
、複数形 specialities
とつづることが多いです。
他の品詞形
- 特に形容詞形や動詞形はありませんが、関連語として “specialize (~を専門とする)” などがあります。
CEFR レベルの目安
- B2(中上級)
学習者にとっては、ある程度語彙が増えてくるB2レベル頃に出てくる単語であり、書き言葉・話し言葉の双方で使われます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「special (特別な)」+ 接尾辞 「-ty(名詞化)」
“special” から派生して「特別なもの」というニュアンスで名詞化されました。
関連語・派生語
- specialize (動詞): (~を)専門とする
- specialized (形容詞): 専門的な、特殊な
- specialist (名詞): 専門家
よく使われるコロケーション(共起表現)
- culinary specialty(料理の名物)
- local specialty(地元の名物)
- house specialty(お店の看板料理)
- medical specialty(医学の専門分野)
- a specialty shop(専門店)
- specialty coffee(スペシャルティコーヒー)
- area of specialty(専門領域)
- specialty dish(得意料理・名物料理)
- major specialty(主要な専門分野)
- signature specialty(看板の得意分野)
3. 語源とニュアンス
語源
ラテン語の “specialis” (特別な) が語源で、フランス語を経由し英語に取り入れられました。「特別な」という意味合いから、そこから派生して「専門性が高いもの」というニュアンスが強くなっています。
ニュアンス・使用時の注意点
- 「専門分野」や「名物料理」を表すのに使われますが、文脈によっては「得意科目」や「得意技」など幅広く使えます。
- 一般的な会話からビジネスの専門的な場面まで、比較的カジュアルからフォーマルまで幅広い使い方ができます。
- イギリス英語では
speciality
とつづられることが多いため、スペルに注意が必要です。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞 (a specialty / specialties)
- 「〜の専門分野」として使うときは
someone’s specialty,
the specialty of 〜
などの形をとります。 in one’s specialty
で「(人の)専門分野で」という表現ができます。
イディオムや一般的な構文
- It’s my specialty.(これは私の得意分野・お手の物です。)
- to make something one’s specialty(何かを自分の得意分野にする)
- What is your specialty?(あなたの得意分野は何ですか?)
5. 実例と例文
日常会話、ビジネス、学術的な文脈で、それぞれ3例ずつ提示します。
① 日常会話
- “This pasta is the house specialty. You should definitely try it!”
(このパスタはこの店の名物料理だよ。ぜひ食べてみて!) - “Baking cakes is my specialty. Would you like a slice?”
(ケーキ作りが私の得意分野なの。ひと切れいかが?) - “What’s your specialty for the talent show?”
(タレントショーでは何を得意技にするの?)
② ビジネス
- “Our company’s specialty is sustainable packaging solutions.”
(当社の専門分野はサステナブルな包装ソリューションです。) - “He’s a specialist in corporate law, which is his major specialty.”
(彼は企業法の専門家で、それが彼の主な専門分野です。) - “We need to find someone whose specialty is data analysis.”
(データ分析を専門とする人を見つける必要があります。)
③ 学術的な文脈
- “Her specialty lies in neuroscience, focusing on memory formation.”
(彼女の専門分野は神経科学で、特に記憶形成に焦点を合わせています。) - “He wrote a paper on his specialty, environmental engineering.”
(彼は専門である環境工学について論文を書きました。) - “Our lab’s specialty is next-generation battery technology.”
(私たちの研究室は次世代バッテリー技術を専門としています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- expertise(専門知識)
- 「専門性」「熟練度」のニュアンス。人のスキルを強調するときによく使う。
- 「専門性」「熟練度」のニュアンス。人のスキルを強調するときによく使う。
- forte(得意分野、十八番)
- よりカジュアル。フランス語由来の言葉で、日常会話でも使う。
- よりカジュアル。フランス語由来の言葉で、日常会話でも使う。
- niche(得意分野、隙間をつく専門領域)
- 狭い範囲で専門的な分野を指す際に使う。
- 狭い範囲で専門的な分野を指す際に使う。
- profession(職業・専門職)
- どちらかというと「職業」としての専門性を表す。
反意語(Antonyms)
- generality(一般的なこと)
- commonality(共通点)
specialty
が「特化」「特別」を示すのに対して、上記は「一般的なもの」を表し、「特別なもの」の反対のニュアンスを持ちます。
7. 発音とアクセントの特徴
IPA表記
- アメリカ英語: /ˈspɛʃəlti/
- イギリス英語: /ˈspɛʃəlti/ または /ˈspɛʃəlɪti/ (
speciality
)
アクセントの位置
- 第1音節「spe」に強勢が置かれます: SPE-cial-ty
発音の違い
- イギリス英語では “speciality” と発音・つづりをする場合も多いです。
- アメリカ英語では “specialty” と母音が少しはっきりし、やや短く聞こえます。
よくある間違い
- 「スペシャリティ―」のように日本語発音を引きずって /iː/ を強く入れる傾向があるので注意しましょう。正しくは /ˈspɛʃəlti/ となります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
スペルの違い
- アメリカ英語: specialty
- イギリス英語: speciality
使い分ける際は地域による好みや出版社のスタイルガイドに従うこともあります。
- アメリカ英語: specialty
special
の形容詞との混同- 「特別な」を
special
と表現するのはOKですが、名詞として「専門分野」を言いたいときはspecialty
を使う必要があります。
- 「特別な」を
同音異義語は特になし
- ただし
especially
(特に) と間違いやすいので注意。
- ただし
試験対策
- TOEICなどではビジネス文脈で
specialty products
(専門商品)、area of specialty
(専門領域)といった表現が出題されることがあります。
- TOEICなどではビジネス文脈で
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「スペシャル(special)に ‘-ty’ を付けると名詞になる」とイメージすると覚えやすいでしょう。
- 何かの「特別(t)」→「専門分野」を表す「ty(名詞化)」とイメージしてみると頭に入りやすいかもしれません。
- 自分の得意分野やお店の看板商品などをイメージすると直感的に覚えられます。
以上が specialty
の詳細な解説です。自分の“specialty”を英語でうまく表現してみてくださいね。
意味のイメージ
意味(1)
専門,専攻
意味(2)
特色,特性
意味(3)
特製品,特別品