元となった辞書の項目
mutation
解説
1. 基本情報と概要
英単語: mutation
品詞: 名詞 (countable noun)
意味(英語):
- A change or alteration in form or qualities, especially in a biological context (e.g., a change in a gene).
意味(日本語):
- (特に生物学における)変化、変異。主に遺伝子の構造や情報が変わることを指す場合が多いです。
「mutation」は、遺伝子が変化したり、形質が変わるときに用いられる専門的な単語です。科学的な文脈で使われることが多いですが、一般的に「変異」や「変化」というニュアンスでも用いられることがあります。
- 単数形: mutation
- 複数形: mutations
関連する別の品詞・形:
- mutate (動詞): 変異する / を変異させる
- mutated (形容詞): 変異した
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- 生物学や医学など、ある程度専門的なトピックにおいて扱う語彙なので、中上級レベルの英語学習者が身につけるとよい単語です。
2. 語構成と詳細な意味
- 語幹: “mut”(変化を意味するラテン語 “mutare” が由来)
- 接尾語: “-ation”(行為・状態を表す名詞を作る)
主な派生語や関連語
- mutant (名詞/形容詞): 突然変異体、変異の
- mutability (名詞): 変わりやすさ、不変でない性質
- immutable (形容詞): 変わらない、不変の
よく使われるコロケーション(10例)
- gene mutation(遺伝子変異)
- random mutation(偶発的変異)
- mutation rate(変異率)
- beneficial mutation(有益な変異)
- harmful mutation(有害な変異)
- silent mutation(サイレント変異)
- induced mutation(誘発変異)
- spontaneous mutation(自発変異)
- genetic mutation(遺伝的変異)
- major mutation(大きな変異)
3. 語源とニュアンス
語源:
- ラテン語の “mutare” (変える)から派生し、フランス語を経由して英語に取り入れられました。
歴史的背景と使われ方:
- 古くは単に「変化」「変容」を指す一般的な意味で使われていましたが、特に近代以降は遺伝学・生物学の発展とともに、遺伝子レベルでの変異を指す用語として確立しました。
使用時のニュアンスや注意点:
- 科学論文や研究の場ではフォーマル・専門的な用語として用いられます。
- カジュアルな会話では「大きな変化が起こった」という意味合いでの比喩的表現にも使われることがありますが、やや専門用語寄りです。
4. 文法的な特徴と構文
名詞としての使用法:
- 可算名詞 (a mutation, multiple mutations)
- 文中では主語、目的語などに用いられる。科学的・専門的な文脈・報道などでよく見られる。
例:
- “There is a new mutation in the virus.” (そのウイルスに新たな変異がある。)
- “We studied various mutations under different conditions.” (私たちはさまざまな条件下で、いろいろな変異を研究した。)
イディオムや定型フレーズは少ないですが、研究論文やニュース記事で多用されるため、しばしば “undergo a mutation” (変異を起こす)というフレーズが使われます。
5. 実例と例文
日常会話での例文(カジュアルな場面)
- “I heard the virus went through a mutation, making it stronger.”
(そのウイルスが変異を起こして、より強力になったって聞いたよ。) - “The comic book storyline involves a strange mutation turning people into monsters.”
(その漫画のストーリーは、人々をモンスターに変える奇妙な変異が起こるって設定なんだ。) - “He said his taste in music had a mutation over the years.”
(彼は長年で音楽の好みが変わったって言ってたよ。)
ビジネスでの例文(比較的フォーマルな場面)
- “Our R&D department is examining genetic mutations in crop plants to increase yield.”
(私たちの研究開発部門では、収量を増やすために作物の遺伝子変異を調べています。) - “The report highlights the potential impact of unexpected mutations on product quality.”
(そのレポートは、予期せぬ変異が製品の品質に及ぼす可能性のある影響を強調しています。) - “We must be prepared for market mutations that can drastically shift consumer behavior.”
(消費者行動を大きく変えるかもしれない市場の変化に備えなければなりません。)
学術的な例文(専門的・フォーマルな場面)
- “Further analysis of the mutation suggests a direct impact on protein synthesis pathways.”
(この変異のさらなる分析により、タンパク質合成経路に直接影響を及ぼすことが示唆されます。) - “The frequency of random mutations increases under high radiation exposure.”
(放射線を多く浴びると、偶発的変異の頻度が上昇します。) - “Scientists have developed a model to predict how certain mutations affect disease progression.”
(科学者たちは、特定の変異が病気の進行にどのように影響するか予測するモデルを開発しました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- alteration(変更、改変)
- より広い意味での「変更」。日常的な軽い変更から専門的な文脈まで幅広く使われる。
- change(変化)
- 一般的な単語。フォーマル・インフォーマルを問わず使える汎用表現。
- modification(修正、変更)
- 「修正」や「改良」といったニュアンスが強い。遺伝子操作の文脈などでもよく出てくる。
反意語
- 厳密な反意語はありませんが、あえて挙げると stability(安定、変化がない状態)が、概念的に「変わらない状態」という対比関係にあります。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA表記(アメリカ英語): /mjuːˈteɪʃən/
- IPA表記(イギリス英語): /mjuːˈteɪʃ(ə)n/
アクセント:
- “mu-TA-tion” の「ta」のあたりにアクセントがあります。
- “mjuː” の部分を「ミュー」のように少し伸ばして発音すると英語らしくなります。
- アメリカ英語とイギリス英語で大きく異なるわけではありませんが、イギリス英語は若干 “[ʃən]” の音が弱い場合もあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “mutatoin” や “mutaion” といったタイプミスが起きやすいので注意。
- 同音異義語: ほとんどありませんが、“mootation” など架空の単語と混同しないよう気をつけましょう。
- 試験対策: TOEIC・英検などでは、生物学や医学のトピックの読解問題などで出題される可能性があります。特に記事や長文読解で頻出ですので、見慣れておくとスムーズです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「mutant(ミュータント)」や「Mutant Ninja Turtles(ミュータント・ニンジャ・タートルズ)」などのポップカルチャーでの使用を思い出すと、遺伝子の変異や突然変異を連想しやすいです。
- 語幹の “mut” は「変化」を意味するので、「change と同じ root なんだ」とイメージすると覚えやすいでしょう。
- また、スペリングは “mu + ta + tion” と分解して覚えるとミスが減るかもしれません。
以上が “mutation” の詳細解説です。生物学的な文脈だけでなく、比喩的に「大きな変化」を表す際にも使われることがありますが、全体としてはやはり「遺伝子的変異」のイメージが強い単語なので、文脈をしっかりと押さえて使い分けるとよいでしょう。
意味のイメージ
意味(1)
変化,俸転
意味(2)
(生物の)突然変異;その変種