元となった辞書の項目
whisper
動詞
ささやく,ひそひそ話す《+about+名》 / 〈風・流れ・木の葉などが〉サラサラ音を立てる / …‘を'ささやく,ひそひそと言う / 《しばしば受動態で》〈秘密など〉‘を'言いふらす《+about+名》
解説
1. 基本情報と概要
単語: whisper
品詞: 動詞 (名詞としても使われる)
CEFR レベルの目安: B1(中級)
意味(英語・日本語)
- 英語: to speak very softly, using the breath but not the vocal cords, so that only the person close to you can hear you
- 日本語: 「声をひそめて話す」「ささやく」という意味です。相手にだけわかるように、小さな声で話すというニュアンスがあります。
例えば、映画館などで大きな声を出せないときや、内緒話をしたいときなど、「ささやく」という状況で使われる単語です。
動詞の活用形
- 原形: whisper
- 三人称単数形: whispers
- 現在分詞 / 動名詞: whispering
- 過去形: whispered
- 過去分詞: whispered
他の品詞形
- 名詞形: a whisper(「ささやき」の意味で名詞として使われる)
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- whisper は、明確な接頭語や接尾語を伴わない単語ですが、古い英語形 “whispren” などから派生しています。
- 静かに息を混ぜ込むような音のニュアンスを含む
whisp-
が語幹ともいわれます。
派生語・関連語
- whisperer: ささやく人
- whispering: ささやき声、ささやき方、あるいは名詞として「ささやき」の意味も
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- whisper quietly (静かにささやく)
- whisper in someone's ear (誰かの耳元でささやく)
- soft whisper (穏やかなささやき)
- faint whisper (かすかなささやき)
- whisper a secret (秘密をささやく)
- gentle whisper (優しいささやき)
- whisper a warning (警告をささやく)
- whisper sweet nothings (恋人に愛の言葉をささやく)
- whisper of the wind (風のささやき)
- rumor whispered around (噂がこそこそささやかれる)
3. 語源とニュアンス
- 語源: Middle English “whisperen” から派生し、さらに古い英語圏で「口の中で洩れる息の音で話す」という意味合いを持ちます。
- 歴史的背景: 騎士や宮廷での密談や宗教的な祈りなど、小声での発話が必要な場面で使われてきました。
- ニュアンスや感情面: whisper は優しい、親密な、あるいは秘密を共有するような雰囲気を含みます。あまり大声にできない話題やロマンティックな状況など、気持ちや雰囲気を和らげたいときに使われます。
- 使用シーン: 日常会話でも使われますが、内容によっては親密さや秘密めいた感じを伴うことが多いです。フォーマル・カジュアル問わず、静かに話す場面ならどちらでも使用可能です。
4. 文法的な特徴と構文
他動詞/自動詞の使い分け:
- 他動詞としては “whisper something” (何かをささやく)
例: She whispered the answer to me. - 自動詞としては “whisper to someone” (誰かにささやく)
例: He leaned in and whispered to her.
- 他動詞としては “whisper something” (何かをささやく)
可算・不可算: 動詞としてはこの区別はありませんが、名詞 “a whisper” は加算扱いで「一つのささやき」と数えられます。
一般的な構文例:
- whisper + (言葉) + to + (人)
- whisper + (言葉) (直接目的語)
- whisper about + (話題)
- whisper + (言葉) + to + (人)
イディオム:
- “whisper sweet nothings” : 恋人に小声で優しい言葉をささやく
5. 実例と例文
ここでは場面別に例文を示します。
日常会話
- “Could you whisper it to me? I don’t want anyone else to hear.”
(それを私にささやいてもらえる? 他の人に聞かれたくないから。) - “She whispered about the surprise party, making sure no one else heard.”
(彼女はサプライズパーティーについてささやき、他の人には絶対聞かれないようにしていた。) - “I love when you whisper funny jokes in my ear.”
(耳元で面白いジョークをささやかれるのって大好き。)
ビジネス
- “He whispered a quick reminder before the presentation.”
(プレゼンの前に、彼は手短にリマインドをささやいた。) - “Could you whisper the client’s name to me? I forgot how to pronounce it.”
(お客様の名前をささやいてもらえますか? 発音をどうするか忘れてしまって。) - “We had to whisper in the conference room so as not to disturb the ongoing meeting.”
(進行中の会議の邪魔をしないように、会議室でも私たちはささやいて話した。)
学術的・フォーマルな文脈
- “During the lecture, students occasionally whispered questions to each other.”
(講義中、学生たちはときどきお互いに小声で質問し合っていた。) - “Researchers observed subjects who whispered their thoughts before writing them down.”
(研究者たちは、自分の考えを筆記する前に小声でささやく被験者たちを観察した。) - “The historian mentioned that in ancient courts, important messages were often whispered in corridors.”
(歴史家は、古代の王宮で重要なメッセージが廊下でしばしば小声で伝えられていたと述べた。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- murmur(つぶやく)
- whisper よりも少しはっきりした音を伴う印象。自分の考えをぼそぼそと話す場合に多い。
- whisper よりも少しはっきりした音を伴う印象。自分の考えをぼそぼそと話す場合に多い。
- mutter(ブツブツ言う)
- 不満や独り言を言うニュアンスが強い。
- 不満や独り言を言うニュアンスが強い。
- breathe(息をする)
- “breathe a word” で「そっと言葉をこぼす」という表現にも。whisper よりもさらに静かな印象。
- “breathe a word” で「そっと言葉をこぼす」という表現にも。whisper よりもさらに静かな印象。
反意語
- shout(叫ぶ)
- yell(大声を上げる)
- scream(悲鳴を上げる)
これらは大声で言うという意味なので、whisper の静かに話す様子と対照的です。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA):
- アメリカ英語: /ˈwɪspər/
- イギリス英語: /ˈwɪspə/
- アメリカ英語: /ˈwɪspər/
- 強勢(アクセント)の位置: 最初の音節 “WIS” に強勢があります。
- 発音の注意点: “whis” の部分は日本人学習者が [w] と [h] の音を続けて発音する際、意外と口が追いつかないことがあります。息を吐く動作から始めて、軽く “ウィ” と系列させるイメージで練習しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “whisper” の “h” を忘れて “wisper” と書いてしまうことがよくあります。
- 同音異義語との混同: “whisper” と “whistle” は音が似ていますが意味は全く異なります(whistle = 口笛を吹く)。
- 試験対策: TOEIC や英検のリスニングセクションでは、大声か小声かなどの文脈上のヒントになります。文中に “whisper” が出てきたら、「静かに話す」シチュエーションをイメージしてください。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「しっ」という静かな音が含まれている感じで、
whis-
はサッと息を混ぜたようなイメージです。 - “whisper” のスペルを覚えるときには “wh + is + per” など、3つに分解してみると覚えやすいかもしれません。
- ロマンチックな場面や、秘密を打ち明ける場面などでよく使われるイメージをもっておくと、実際に使うときに自然に口から出てきます。
小声でそっと話すニュアンスを覚えておくと、実際に日常やビジネスシーンでも使いやすい単語です。必要に応じて他動詞・自動詞の使い分けをマスターすれば、英語のコミュニケーションがさらに豊かになるでしょう。
意味のイメージ
意味(1)
ささやく,ひそひそ話す《+about+名》
意味(2)
〈風・流れ・木の葉などが〉サラサラ音を立てる
意味(3)
…‘を'ささやく,ひそひそと言う
意味(4)
《しばしば受動態で》〈秘密など〉‘を'言いふらす《+about+名》