元となった辞書の項目
argument
解説
1. 基本情報と概要
単語: argument
品詞: 名詞 (countable noun)
意味(英語)
- A reason or set of reasons given in support of an idea, action or theory.
- A disagreement or quarrel between people.
意味(日本語)
- ある主張や理論・意見を支えるための理由、または一連の論拠のこと。
- 人と人との間で起こる口論や言い争い、いさかいのこと。
「理由づけ・主張」というアカデミックな文脈から、「言い争い」のように日常的な場面まで幅広く使われる単語です。
- 活用形: 名詞なので、基本的に「argument」の形のみです。複数形は「arguments」となります。
- 他の品詞例:
- 動詞: argue (例: “They always argue about money.”)
- 形容詞: argumentative (例: “She was in an argumentative mood.”)
- 名詞: argumentation (「論証」、より学術的文脈で使用)
- 動詞: argue (例: “They always argue about money.”)
CEFRレベル: B2(中上級)
ある程度の英語力が身についた学習者が、議論や主張を行う文脈でよく目にする単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: argu- (ラテン語由来)
- 接尾辞: -ment (「結果」「状態」を表す名詞化の接尾辞)
もともとラテン語の “arguere” (はっきり示す、明らかにする) が語源で、それが変化して “argumentum” となり、最終的にフランス語を経て英語の “argument” になったと考えられています。
関連語や派生語
- argue (動詞): 主張する、論じる、言い争う
- argumentative (形容詞): 口論好きな、議論好きな
- argumentation (名詞): 論証、論証法
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- have an argument (with someone)
(誰かと)口論をする - make an argument
主張をする・論を展開する - a strong/solid argument
強い・しっかりした主張 - a compelling argument
説得力のある主張 - a heated argument
白熱した口論 - a logical argument
論理的な主張 - a counter argument
反論 - present an argument
主張を提示する - a valid argument
妥当な主張 - resolve an argument
議論を解決する
3. 語源とニュアンス
語源
上述のとおり、ラテン語 “argumentum” に由来し、「はっきり示す」「明らかにする」という意味の “arguere” が元となっています。
ニュアンス・使用時の注意点
- 口語的には「言い争い・ケンカ」のニュアンスが強いため、友人や家族間で問題があったことを示す時にも使われます。
- 文章・学術的には「主張」「論拠」という厳密な意味で使われ、説得力を示す論理的な土台として言及されます。
- 使い方を誤ると感情的な衝突を指すのか、論理的な主張を指すのか誤解される可能性があるので、文脈に気をつけましょう。
- フォーマルな文章(エッセイ、レポート、ディベート)から日常会話まで幅広い場面で使用されます。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞
- 例: “He made several strong arguments.” (彼はいくつもの強い主張を展開した)
- 単数形と複数形の使い分けに注意が必要です。
- 例: “He made several strong arguments.” (彼はいくつもの強い主張を展開した)
一般的な構文
- “[Subject] + have/had an argument + (with [someone])”
- 例: “I had an argument with him yesterday.”
- 例: “I had an argument with him yesterday.”
- “[Subject] + present + (a/an) argument + (about/for/against [topic])”
- 例: “She presented a compelling argument for changing the policy.”
- “[Subject] + have/had an argument + (with [someone])”
イディオムやよくあるフレーズ
- “win an argument” (議論に勝つ)
- “lose an argument” (議論に負ける)
- “win an argument” (議論に勝つ)
5. 実例と例文
(A) 日常会話での例文 (3文)
- “I had a small argument with my roommate about the rent this morning.”
(今朝、ルームメイトと家賃のことで小さな言い争いをしたよ。) - “They often end up in arguments over the TV remote.”
(彼らはよくテレビのリモコンのことで言い争いになってしまう。) - “Let’s not start another argument, okay?”
(もう言い争いはやめようよ、わかった?)
(B) ビジネスシーンでの例文 (3文)
- “The team members presented their arguments for increasing the advertising budget.”
(チームメンバーたちは、広告予算を増やすことについて自身の主張を提示した。) - “We had a brief argument over cost-cutting measures during the meeting.”
(会議中、コスト削減策について短い口論になった。) - “Her argument for entering the new market was well-researched and convincing.”
(新規市場への参入に関する彼女の論拠は、よく調査されていて説得力があった。)
(C) 学術的/アカデミックな文脈での例文 (3文)
- “His argument relies on several historical sources to validate the hypothesis.”
(彼の主張は、その仮説を検証するためにいくつかの歴史的資料に基づいている。) - “To strengthen your argument, you should provide more empirical data.”
(あなたの主張を強化するには、さらに実証的なデータを提示するべきです。) - “In her thesis, she makes a compelling argument about climate change policy.”
(論文の中で、彼女は気候変動政策について説得力のある主張を展開している。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- debate (ディベート)
- 他者と意見を交わして議論する点では似ていますが、よりフォーマルで秩序だった場面を指すことが多いです。
- 他者と意見を交わして議論する点では似ていますが、よりフォーマルで秩序だった場面を指すことが多いです。
- discussion (話し合い)
- 議題に沿って意見を交換するイメージで、必ずしも対立や論争を意味するわけではありません。
- 議題に沿って意見を交換するイメージで、必ずしも対立や論争を意味するわけではありません。
- disagreement (意見の相違)
- 意見が一致しないという点に焦点がある言葉です。
- 意見が一致しないという点に焦点がある言葉です。
- quarrel (口げんか)
- より感情的で激しい口論のニュアンスが強いです。
反意語 (Antonyms)
- agreement (合意)
- 「意見が一致すること」を表します。
- 「意見が一致すること」を表します。
- harmony (調和)
- 複数の意見が衝突せずに、調和している状態を表します。
- 複数の意見が衝突せずに、調和している状態を表します。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA):
- 米: /ˈɑːrɡjʊmənt/ あるいは /ˈɑrɡjumənt/
- 英: /ˈɑːɡjʊmənt/
- 米: /ˈɑːrɡjʊmənt/ あるいは /ˈɑrɡjumənt/
- アクセント(強勢): 第1音節 “AR” の部分に強勢が置かれます。
- よくある発音の間違い: “arg*u*” の部分を曖昧にしてしまうと、通じにくくなることがあります。母音 “u” の発音を少し “yu” のように意識するとよいでしょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “argument” を “arguement” と書いてしまうミスが頻出。
- 動詞 “argue” との混同: “argument” は名詞、 “argue” は動詞なので使い分けに気をつけましょう。
- 同音異義語: 同音異義語そのものは少ないですが、 “argument” のつづりを変な風に覚えて “arrangement (アレンジメント)” と混同してしまう例もあるので注意。
- 試験対策: TOEICや英検のリスニング・リーディングで “argument” が「主張」「口論」のどちらの意味で使われているかを文脈から見極める必要があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “argument” の中に “argu(e)” という動詞の形(「言い争う、主張する」)が入っていると考えると覚えやすいです。
- スペルのポイントは “a-r-g-u-m-e-n-t” と “u” → “m” の流れを意識して何度か書いて覚えるとミスが減ります。
- 「主張する(argue)の結果(-ment)として生まれるもの」と捉えると、日常での口論から学術的な論証まで一気にイメージが広がります。
以上が “argument” の詳細解説です。主張や言い争いの文脈でよく登場する便利な単語なので、使用シーンと意味の広がりをぜひ意識してみてください。
意味のイメージ