最終更新日:2025/11/27
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元となった辞書の項目

cast

動詞

〈他〉を投げる / を投げ捨てる《off》/ 《…に》〈影・光〉を投げ掛ける / 〈目・視線など〉を向ける / 〈票〉を投じる

このボタンはなに?

彼はその提案に賛成票を投じた。

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解説

以下では、動詞「cast」について、学習者の方が理解しやすいようにできるだけ詳しく解説していきます。


1. 基本情報と概要

意味


  • 【英語】cast

  • 【日本語】「投げる」「投じる」「配役する」「鋳造する」

日本語で「投げる」「投じる」だけでなく、「(役を)割り当てる」「鋳造する」など幅広い意味のある単語です。たとえば「cast a spell(呪文をかける)」や「cast a vote(投票する)」のように、いろいろな状況で使われる便利な動詞です。

品詞

メインの品詞は「動詞」ですが、同じ形で名詞として使われたりもします(例:the cast of a play = 劇の出演者)。

活用形


  • 原形: cast

  • 過去形: cast

  • 過去分詞形: cast

    ※ 不規則動詞ですが、形が変わりません。

他の品詞形


  • cast(名詞): 「出演者(総称)」「鋳型」など。

    例: The cast of the musical(ミュージカルの出演者)

  • caster(名詞): 「キャスター、調味料入れ(pepper caster など)」、または「キャスター付きの車輪」。

CEFRレベル目安


  • B2: 「中上級」

    日常会話はもちろん、ニュースや読書においてもよく見かける単語です。使いこなすには文脈の理解が必要なので中上級レベルとして挙げています。


2. 語構成と詳細な意味

接頭語・接尾語・語幹


  • 「cast」は一語で成立しており、はっきりした接頭語・接尾語が付いていないシンプルな形です。

派生語や類縁語


  • castaway: 漂流者、遭難者

  • broadcast: 「放送する」(brood(広く)+ cast(投げる))

  • forecast: 「予測する」(fore(前もって)+ cast(投げる))

  • outcast: 「追放された人」

  • caster: 「キャスター、(調味料入れや)キャスター付き車輪」

よく使われるコロケーション・関連フレーズ 10選


  1. cast a vote(投票する)

  2. cast a spell(呪文をかける)

  3. cast doubt on ~(~に疑いを投げかける)

  4. cast light on ~(~を明るみに出す、解明する)

  5. cast a shadow(影を落とす)

  6. cast aside(~を捨て去る)

  7. cast away(~を投げ捨てる/漂流するの表現にも)

  8. cast out(~を追い出す/追放する)

  9. cast off(~を離れる/切り離す/(ボートなどの)もやい綱を解く)

  10. cast someone in a role(誰かを役に配役する)


3. 語源とニュアンス

語源

「cast」は古ノルド語の “kasta” (投げる)に由来します。もともとは「投げる」「放り投げる」といった意味が中心でしたが、そこから「役を割り当てる」「魂を投じる」「光や影を投じる」など、派生的な使われ方が広まりました。

使用時の注意・ニュアンス


  • 「投げる」という意味だけでなく、「(疑いなどを)投げかける」「投票する」「配役する」など、抽象的にも具体的にも使える多義的な動詞です。

  • 場面としては「cast a spell」のようにやや文学的な雰囲気を伴う表現から、「cast a vote」のようにフォーマルな政治・社会の場面まで幅広いです。

フォーマル/カジュアル

比較的どちらでも使えますが、「cast」は一般の「throw」よりも少し文学的・フォーマルなニュアンスを帯びることが多いです。


4. 文法的な特徴と構文


  1. 他動詞としての使い方

    例: He cast the fishing line into the river.

    (彼は釣り糸を川に投げ込んだ。)


  2. 自動詞的に使うことも(まれに)ありますが、ほとんどが目的語を取る他動詞として使われます。


  3. イディオム・構文


    • cast about/around for ~:~を探し回る

    • cast aside/flutter aside:捨て去る

    • cast away:漂流する、捨て去る

    • cast one’s mind back:~を振り返る、思い出す


  4. 名詞としての使い方


    • a cast: 演劇などの出演者全員

    • a cast: ギプス(骨折したときに巻くギプス)

    • a cast: 鋳型、投げ網の意も



5. 実例と例文

日常会話(カジュアル)


  1. “I want to cast my fishing line before sunset.”

    (日没前に釣り糸を投げたいんだ。)

  2. “Don’t cast your trash on the street.”

    (ゴミを道に捨てないで。)

  3. “He cast a big net during the summer fishing trip.”

    (彼は夏の釣り旅行で大きな網を投げたよ。)

ビジネスシーン(ややフォーマル)


  1. “We need to cast a wide net to find suitable candidates for this position.”

    (このポジションに合った人材を見つけるために、幅広く探す必要があります。)

  2. “Shareholders will cast their votes during the annual meeting.”

    (株主は年次会合で投票を行います。)

  3. “The CEO’s speech cast some doubts on the company’s direction.”

    (そのCEOのスピーチは、会社の方針にいくらか疑念を投げかけました。)

学術的/フォーマルな文脈


  1. “The new evidence will cast light on the historical debate.”

    (新たな証拠が、その歴史的論争を解明するでしょう。)

  2. “Researchers cast a model using advanced data analytics.”

    (研究者たちは先進的なデータ分析を使ってモデルを構築しました。)

  3. “The data might cast doubt on the previous study’s conclusions.”

    (そのデータは、先行研究の結論に疑問を投げかけるかもしれません。)


6. 類義語・反意語と比較

類義語(Synonyms)


  1. throw(投げる)


    • 一般的に「投げる」の意味。カジュアルで広範囲に用いられる。


  2. toss(軽く投げる)


    • 軽く放り投げるニュアンスで、ややカジュアル。


  3. fling(勢いよく放る)


    • 感情的・衝動的な投げ方をイメージ。


  4. assign(割り当てる)


    • 「役割をあてがう」点で似ているが、投げるニュアンスはない。


反意語(Antonyms)


  • catch(受け取る)

  • keep(保持する)

  • gather(集める/拾う)

「cast」は“手から放す”イメージがあるのに対し、「catch」「keep」は“手元に取り込む”イメージを持ちます。


7. 発音とアクセントの特徴


  • IPA:


    • アメリカ英語: /kæst/ (「キャスト」に近い)

    • イギリス英語: /kɑːst/ (「カー(長いア)スト」に近い)


  • 強勢(アクセント)は 1 音節の単語なので、語全体にかかります。


  • アメリカ英語は “æ”(cat の a) に近い音で、イギリス英語は “ɑː”(father の a) に近い音になります。


  • スペルミスとして “cost” と混同しやすいですが、発音・意味ともに異なるので注意。



8. 学習上の注意点・よくある間違い


  1. 不規則動詞だが、形がすべて同じ (cast - cast - cast)。


    • 例: Yesterday, I cast my vote.(過去形も “cast”)


  2. 「cost (費用)」とスペルが似ているので混同しやすい。

  3. “cast a vote” と “vote” のコロケーションは試験でもよく出題される表現。

  4. TOEICや英検などでも「配役」「投票」「影を落とす」など多義語として問われがち。文脈で意味を捉える力が必要です。


9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • “cast”=「手からポンと投げる」イメージを持っておくと理解しやすいです。

    そこから「投票用紙を投げる(入れる)」「役を投げかける」のように拡張していきます。

  • “forecast”「前に投げる」=「予測する」、 “broadcast”「広く投げる」=「放送する」など関連語を覚えると、意味やスペルをまとめて覚えやすくなります。

  • とにかく “cast = cast = cast” と、現・過去・過去分詞を同じ形で押さえると混乱が減ります。


以上が、動詞「cast」の詳細解説になります。ぜひいろいろな文脈の例文やコロケーションを意識して使ってみてください。

意味のイメージ
cast
意味(1)

…'を'投げる,ほうる

意味(2)

…'を'投げ捨てる,ほうり出す《+off+,++off

意味(3)

〈目・視線など〉'を'向ける,投げ掛ける

意味(4)

〈票〉'を'投じる

意味(5)

(…に)〈名誉・祝福〉'を'与える,〈非難など〉'を'浴びせる《++on(upon)+

意味(6)

(人に)〈役〉'を'つける《+〈役〉+to+》;(ある役に)〈人〉'を'当てる《++for+〈役〉》

意味(7)

(鋳型に流し込んで)…'を'鋳造する

意味(8)

物を投げる,(特に)釣り糸を投げる

意味(9)

鋳造される

意味(10)

(…に)〈影・光〉'を'投げ掛ける;〈疑に・魔法など〉'を'かける《++on (upon)+

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