元となった辞書の項目
surrender
動詞
〈自〉《...に》降伏する《to ...》 / 《...に》身を委ねる《to ...》 / 〈他〉《...に》を引き渡す,を明け渡す《to ...》 / 《...に》 (自分の身)を任せる《~ oneself to ...》 / 《文》(権利・自由など)を譲る,を放棄する
解説
1. 基本情報と概要
単語: surrender
品詞: 動詞(他動詞/自動詞の両方で使われる場合が多い)
意味(英語)
- To give up or hand over (typically after a struggle).
- To relinquish possession or control to another.
意味(日本語)
- 諦める、降伏する、(抵抗を)やめて明け渡す。
- 所有物や権利などを引き渡す。
「surrender」は、相手に対して抵抗をやめて降参する、あるいは何かを明け渡す場面で使われます。
例えば、戦いに負けたときに降伏するというイメージが代表的ですが、日常の中でも「手放す」「諦める」といったニュアンスで使うことがあります。
活用形
- 原形: surrender
- 三人称単数現在形: surrenders
- 現在進行形: surrendering
- 過去形/過去分詞形: surrendered
他の品詞形
- 名詞形: surrender (例: “the surrender of the fortress” = その要塞の降伏)
- 形容詞形: 直接的にはありませんが、“surrendered” が形容詞的に使われる場合もある(例: “the surrendered territory” = 降伏して明け渡された領土)。
CEFRレベルの目安
- B2(中上級):抽象的な状況や複雑な文脈で使われることが多いため、多少高めのレベルとされています。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: render(他の英単語 “render” に似た形が入っていますが、必ずしもそのまま語源が同じというわけではありません。下記「3. 語源」で詳述します)
- 接頭語/接尾語: 特になし
- surrender 全体として「相手の前に“降りて委ねる”」のイメージを持ちます。
そのほかの派生語や関連語
- surrenderer(名詞):降伏した人(あまり一般的ではない)
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- surrender to the police(警察に自首する)
- surrender one’s passport(パスポートを返納する)
- unconditional surrender(無条件降伏)
- surrender to temptation(誘惑に負ける)
- surrender information(情報を引き渡す)
- force someone to surrender(誰かを降伏させる)
- surrender one’s rights(権利を放棄する)
- complete surrender(完全な降伏)
- refuse to surrender(降伏を拒否する)
- negotiated surrender(交渉による降伏)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「surrender」は、古フランス語の “surrendre” から来ており、“sur-” は「上に」というニュアンス、 “rendre” は「返す」という意味を持ちます(現在のフランス語にも “rendre”=「返す」という動詞があります)。
- 元々は「何かを相手に返す」「明け渡す」というイメージが背景にあります。
ニュアンス・使用上の注意
- 降伏/明け渡しという強い意味を持つため、戦争や警察への自首などややフォーマル・深刻なシーンにも使われます。
- 日常的にも「諦める」「手放す」といった心情的な面で使われることがあり、カジュアルな文脈では「~に負ける、屈する」という意味合いで使われることもあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞として: “He surrendered the hostages.”(彼は人質を引き渡した)
- 目的語に “the hostages” のような「何かを渡す対象」がくる。
- 目的語に “the hostages” のような「何かを渡す対象」がくる。
- 自動詞として: “They finally surrendered.”(彼らはとうとう降伏した)
- 自動詞として使うと、単純に「降伏する、屈する」という意味。
- 自動詞として使うと、単純に「降伏する、屈する」という意味。
- 前置詞 to の使用: “I surrendered to the enemy.”
- 「~に降伏する」という表現で、相手を表すときに “to” を使う。
- 「~に降伏する」という表現で、相手を表すときに “to” を使う。
可算・不可算
- 動詞なので可算・不可算の区別は基本的に関係しません。
- 名詞形の“surrender”は不可算として使われることが多いですが、場合によっては特定の降伏を指すときは可算扱いになることもあります(“the surrenders in the war”)。
イディオム(例)
- “wave the white flag” = 「白旗をあげる」=降参する(“surrender” のイメージとよく関連)
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “I decided to surrender to my hunger and grab a snack.”
- お腹が空いて我慢をやめて、おやつを食べることにした。
- お腹が空いて我慢をやめて、おやつを食べることにした。
- “Sometimes you just have to surrender and admit you need help.”
- 時には諦めて、自分が助けを必要としていることを認めたほうがいいよ。
- 時には諦めて、自分が助けを必要としていることを認めたほうがいいよ。
- “He finally surrendered to sleep after studying all night.”
- 彼は徹夜で勉強して、ついに睡魔に屈した。
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “The company decided to surrender some of its assets to pay off debts.”
- その会社は負債を返済するために一部の資産を手放すことにした。
- その会社は負債を返済するために一部の資産を手放すことにした。
- “If you breach the contract, you must surrender all confidential documents.”
- 契約に違反した場合は、すべての機密書類を引き渡さなければなりません。
- 契約に違反した場合は、すべての機密書類を引き渡さなければなりません。
- “We refuse to surrender our market share to our competitors.”
- わが社は競合他社にマーケットシェアを譲るつもりはない。
学術的な文脈(3つ)
- “In international law, a state may surrender jurisdiction over a foreign suspect under certain treaties.”
- 国際法において、ある国は特定の条約の下で外国人容疑者に対する裁判管轄権を放棄する場合がある。
- 国際法において、ある国は特定の条約の下で外国人容疑者に対する裁判管轄権を放棄する場合がある。
- “Some argue that individuals should never surrender their fundamental rights, even under emergency conditions.”
- 緊急事態下であっても、人々は基本的権利を決して放棄するべきではないという主張もある。
- 緊急事態下であっても、人々は基本的権利を決して放棄するべきではないという主張もある。
- “The term ‘surrender’ is often used in historical texts to describe the end of conflicts.”
- 「surrender」という用語は、歴史文献で紛争の終結を表す際によく用いられる。
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- give up(ギブアップする)
- よりカジュアルな表現で、戦いだけでなく様々な状況で使える。
- よりカジュアルな表現で、戦いだけでなく様々な状況で使える。
- yield(譲る、屈する)
- 法律や交通ルールで「優先権を譲る」、あるいは政治的に「譲歩する」場面などで使われる。
- 法律や交通ルールで「優先権を譲る」、あるいは政治的に「譲歩する」場面などで使われる。
- submit(服従する、提出する)
- 相手に従うニュアンスが強い。役所や上位の権力に対して「提出する」意味もある。
- 相手に従うニュアンスが強い。役所や上位の権力に対して「提出する」意味もある。
反意語(Antonyms)
- resist(抵抗する)
- fight on(戦い続ける)
- withstand(耐える、持ちこたえる)
「yield」は「屈する」という点で似ていますが、「surrender」はより「明確に負けを認めて降伏する」という強い意味合いがある、というニュアンスの違いがあります。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- アメリカ英語: /səˈrɛn.dɚ/
- イギリス英語: /səˈren.dər/
アクセント
- 第2音節「ren」に強勢があります: su-ren-der。
アメリカ英語とイギリス英語の違い
- 最後の “r” の発音が、イギリス英語では弱まる(またはほぼ発音されない)傾向がある。
- アメリカ英語では /dɚ/ のように「ダー」という音になる。
よくある発音の間違い
- “surren*der*” の最後の “d” と “er” の発音があいまいになる。
- アクセントが最初の音節に来て “sur-render” となってしまうことがある。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリング: “surender” のように “r” を一つ落としてしまうミスが起きやすい。 正しくは “s-u-r-r-e-n-d-e-r”。
- 同音異義語との混同: 特にはありませんが、“render”(与える、提供する)と間違えないように注意。
- 資格試験の出題例: TOEICや英検でも、ビジネスシーンや戦争・権利放棄などの文脈で問われる可能性がある。熟語表現(surrender to など)を含む語彙問題や読解問題で出題されやすい。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “白旗を上げるイメージ”:戦いに負けたら白旗を振って降伏する、というイメージが単語全体の意味を覚える上で役立つでしょう。
- “sur- + render”:語源的には「上に+返す」→「上位の相手に返す・明け渡す」と覚えておくと理解が深まります。
- スペルは“sur” + “rend” + “er”と3つに区切って覚えるとミスを防ぎやすいです。
以上が「surrender」の詳細な解説です。自分の意志で何かを明け渡す、降参するシーンを頭に描くと理解しやすいでしょう。日常からビジネス、学術的文章まで幅広く使われる動詞なので、ぜひ使い方をマスターしてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(…に)…‘を'引き渡す,明け渡す《+名+to+名》
意味(2)
《文》〈権利・自由など〉‘を'譲る,放棄する
意味(3)
(…に)降伏する,自首する《+to+名》
意味(4)
(感情などに)身をゆだねる,屈服する《+to+名》
意味(5)
(感情などに)〈自分の身〉‘を'任せる,ゆだねる《+oneself to+名》