pipeline
「pipeline」の徹底解説
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: pipeline
- 日本語: パイプライン
「pipeline」とは、主に液体やガスなどを通すための管状の設備のことを指します。また比喩的に、物事の進行ルートやプロセスを示すときにも使われます。たとえば、新しい製品やプロジェクトが進行中であるという意味で「in the pipeline」(進行中、計画中)という表現をします。
こうした場面で使われるときには、「何かがこの管(ルート)を通じて流れてくる」というイメージがあります。ビジネスシーンでは、開発中の製品ラインナップや、営業で問い合わせから契約までの流れを指す場合にもよく用いられます。
品詞
- 名詞 (noun)
活用形
名詞なので、複数形は pipelines となります。動詞としては一般的に使われませんが、IT・ビジネス文脈で「to pipeline(~をパイプラインに通す)」という表現が使われることも、非常にまれにあります。
例:
- pipeline (名詞, 単数形)
- pipelines (名詞, 複数形)
他の品詞形
- 動詞形: (あまり一般的ではありませんが、一部専門領域・IT関連の用例で)“to pipeline ~” が使われるケースがあります。
- 形容詞形: 一般に形容詞形としては使われませんが、たとえば “pipeline project” などで「パイプラインのプロジェクト」と言うときは、名詞が名詞を修飾している構造です。
CEFRレベルの目安
- B2(中上級)
一般的に「パイプライン」は専門・技術系の話題やビジネスの文脈で登場することが多く、日常会話としてはやや上級寄りに入ってきます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- pipe + line の複合語
- pipe: 管
- line: 線や列、あるいは物の連なりを表す語
- pipe: 管
派生語・類縁語
- pipeline network: パイプライン網
- pipeline architecture: パイプラインの構造や設計(特にIT分野・プロセッサなど)
- sales pipeline: 営業・商談の進捗状況を示すパイプライン
- product pipeline: 製品の開発・リリースまでの一連の流れ
よく使われるコロケーション(10個)
- oil pipeline(石油パイプライン)
- gas pipeline(ガスパイプライン)
- product pipeline(商品開発ライン)
- sales pipeline(営業案件の流れ)
- pipeline construction(パイプライン建設)
- pipeline leak(パイプラインの漏れ)
- pipeline maintenance(パイプラインの保守)
- project in the pipeline(進行中のプロジェクト)
- pipeline capacity(パイプラインの処理能力)
- pipeline proposal(パイプラインの提案)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「pipe」は古英語の「pīpe」やラテン語起源とされる単語から発展しており、「管」や「パイプ」を意味します。
- 「line」は古英語の「līne」、ラテン語 基源の「linea」から派生しており、「線」「列」を意味します。
- pipe + line が合わさって「pipeline(パイプが連なる線=パイプライン)」という意味になりました。
ニュアンスと使用時の注意
- 物理的パイプライン: 液体やガスを輸送する実際の管の仕組み。
- 比喩的パイプライン: 何かが連続的・体系的に流れていく状態。プロセスやプロジェクトの進行度合いを表すことも多いです。ビジネス文脈では「製品開発の流れ」「売上見込みの流れ」を指すこともしばしば。
- カジュアル/フォーマル: 技術的・業務的な話題で多用される。日常会話で使う場合は比喩的表現が中心。ビジネス文書などフォーマルな場面でも問題なく使用されます。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞 (可算名詞)
「パイプライン1本」「複数のパイプライン」と数えられるため、可算名詞です。 - in the pipeline: 進行中・準備中というイディオム的表現でよく登場します。
- build/construct a pipeline: パイプラインを建設する(他動詞構文)
- flow through the pipeline: パイプラインを通して流れる(自動詞構文)
使用シーン
- フォーマル: 政府レポートやビジネス報告書、技術論文などで「pipeline」について論じるとき。
- カジュアル: 日常会話では、「We have some exciting plans in the pipeline.(面白い計画が進行中だよ)」という比喩表現が自然に使われたりします。
5. 実例と例文
日常会話(3つ)
“We’ve got a few surprises in the pipeline for the party, so stay tuned!”
(パーティーのためにいくつかのサプライズを計画中だから、お楽しみに!)“I’m hoping they’ll fix the water pipeline soon; the water pressure has been low.”
(水道パイプラインを早く直してほしいわ。水圧が低くて困ってるの。)“His new book is still in the pipeline, but we can expect it next year.”
(彼の新しい本はまだ進行中だけど、来年には発売されるだろう。)
ビジネス(3つ)
“Our sales pipeline looks promising for the next quarter.”
(次の四半期に向けて、営業案件のパイプラインは好調そうだ。)“We have several projects in the pipeline that could boost our revenue.”
(売上増に貢献しそうなプロジェクトがいくつか進行中だ。)“It’s crucial to maintain transparency throughout the pipeline for all stakeholders.”
(すべての利害関係者に対して、パイプライン全体の透明性を維持することが極めて重要だ。)
学術的・技術的な文脈(3つ)
“The oil pipeline through the desert is a massive engineering feat.”
(砂漠を横断する石油パイプラインは壮大な工学的偉業だ。)“In processor design, the instruction pipeline allows for faster execution of commands.”
(プロセッサ設計では、命令パイプラインによってコマンドの実行が高速化する。)“Research on hydrogen pipelines is expanding rapidly as sustainable energy demands rise.”
(持続可能エネルギーの需要が高まる中、水素パイプラインに関する研究が急速に広がっている。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- conduit(導管、導水管)
- より物理的で、電線や配線、液体を通す管やチューブを指すことが多い。
- より物理的で、電線や配線、液体を通す管やチューブを指すことが多い。
- channel(チャネル、経路)
- 水路などの意味のほかに、情報伝達経路にも使われる。パイプラインほど物理的なイメージは強くない。
- 水路などの意味のほかに、情報伝達経路にも使われる。パイプラインほど物理的なイメージは強くない。
- route(ルート、道筋)
- 比喩的にも使われるが、物理的パイプを指すことは稀。
- 比喩的にも使われるが、物理的パイプを指すことは稀。
反意語
- endpoint(終点)
厳密には反意語ではありませんが、「経路・流れ」に対して「終点・完結点」を指す単語として比較できます。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA):
- アメリカ英語: /ˈpaɪp.laɪn/
- イギリス英語: /ˈpaɪp.laɪn/
- アメリカ英語: /ˈpaɪp.laɪn/
- アクセント:
- “PIPE-line” のように、最初の “pipe” の部分に強勢がきます。
- “PIPE-line” のように、最初の “pipe” の部分に強勢がきます。
- よくある間違い:
- “pipe” と “line” の綴りを間違えるケースや、間にハイフン(-)を入れる “pipe-line” という表記をするケースもありますが、一般的には “pipeline” が主流です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “pipleline” といったタイプミスに注意。
- 容量や物理的概念を指すか、比喩的なビジネス用語かに注意しながら文脈を見る必要があります。
- TOEIC・英検など試験での出題: ビジネス用語として出る場合や、技術文脈についてのリーディングパッセージに登場するケースがあります。「something in the pipeline」(何かが進行中である)の比喩に注意しておくと得点につながるでしょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「pipe(管)」と「line(線)」が合わさって成り立つ単語。
- 物理的にも、比喩的にも「ずっと続いていく管」をイメージすると覚えやすい。
- ビジネスシーンで「in the pipeline」を頻繁に目にするときは「プロジェクトが流れて進んでいる最中なんだ」とイメージしてください。
以上が「pipeline」の詳細な解説です。物理的な「管のネットワーク」としても、ビジネスやIT分野での「プロセスや流れ」の比喩としても、幅広く用いられる便利な単語です。ぜひ実際の文脈の中で、そのニュアンスをつかんでみてください。
(石油・ガスなどの)輪送パイプ
《米》情報ルート
〈石油など〉‘を'パイプラインで運ぶ