元となった辞書の項目
default
(義務・債務などの)不履行,怠慢《+on(against)+名》;(法廷・試合場などへの)不出場・欠席 / (義務・債務などを)履行しない;(裁判・試合などに)出場しない《+in(on)+名》
解説
1. 基本情報と概要
単語: default
品詞: 名詞 (noun)、動詞 (verb)
英語での意味
- (名詞) 義務や支払いなどを履行しないこと、または不履行の状態。
- (名詞) (コンピュータ設定などで) 特に指定がない場合に自動的に適用される初期設定。
- (動詞) (通常 “default on…” の形で) 支払いや約束を履行しない、債務不履行になる。
日本語での意味
- (名詞) 債務などを支払わない、不履行という状態や行為。
「お金を返さなければいけないのに返せないときなどに使われる言葉です。ビジネスや金融の文脈でよく使われます。」 - (名詞) コンピュータの設定で初期値として自動的に選ばれている設定。
「新しくソフトを開いたとき、特に何も選ばないときに適用される設定のことです。日常生活でも『特に指定がなければこれになります』というニュアンスでも使われます。」 - (動詞) (特に “default on a loan” など) 借金を期限までに返さないこと。
「金融・ビジネス上の文脈で、『支払いをしない状態になる』という場面で使われます。」
活用形
- 動詞: default – defaults – defaulted – defaulting
例:
- I default on my payment. (現在形)
- She defaults on her loan. (三人称単数現在形)
- They defaulted last month. (過去形)
- I default on my payment. (現在形)
他品詞形
- 形容詞的な使い方: 名詞を修飾する場合、通常は “default settings” のように名詞として使いながら形容詞のように機能します(厳密には形容詞形というより名詞の形容詞的用法)。
CEFRレベル (目安)
- B2(中上級)
「会話にも交渉にも出てくるような中上級レベルの単語です。金融やIT関連の文脈で登場するため、語彙レベルは若干高めです。」
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- de-: (フランス語由来) 不足、不完全を含意するニュアンス(英語の一般的な接頭語の “de” とは少し異なります)。
- fault: 欠点、落ち度。
歴史的には、古フランス語の “defaute” (欠乏、不足) が語源となっています。
現在、明確に「de- + fault」と区切って使われるわけではありませんが、不履行や欠如を表す意味合いとつながっています。
派生語・類縁語
- defaulting (形容詞・動名詞): 不履行をしていること、不履行中の状態。
- defaulter (名詞): 債務不履行者。
- in default: 不履行の状態で。
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- default settings(デフォルト設定)
- default option(デフォルトの選択肢)
- default value(デフォルト値)
- default position(デフォルトの立場・初期位置)
- be in default(不履行状態にある)
- default on a loan(ローンを不履行にする)
- by default(デフォルトで、自動的に)
- set as default(デフォルトとして設定する)
- go into default(不履行状態に陥る)
- default judgment(欠席裁判 / デフォルト判決)
3. 語源とニュアンス
語源
- 中英語 “defaute” は古フランス語の “defaute” (不足、欠如、落ち度) に由来します。もともとは「何かが欠けている状態」を表しており、債務が満たされていない、不履行であるという意味へと発展しました。
ニュアンス・使用時の注意
- 金融・法的文脈: 「支払い義務を果たさない」という厳しい響きがあり、フォーマルです。
- IT・日常会話: 「何も指定しないときの自動設定」という非常にカジュアルかつ広く使われる場面があります。
- 「by default」は「自動的に/何もしなければ~になる」という軽い表現で、会話でもよく使われます。
4. 文法的な特徴と構文
名詞としての使い方
- 可算名詞・不可算名詞どちらでも使われます。
- 「a default」(特定の不履行・特定のデフォルト設定)
- 「default」(一般的状態・不履行全般)
- 「a default」(特定の不履行・特定のデフォルト設定)
- 可算名詞・不可算名詞どちらでも使われます。
動詞としての使い方
- 他動詞的に “default on something” の形をとることが多い (支払い・義務を不履行にする)。
- 例: “He defaulted on his mortgage.”
- 自動詞としてはあまり単独で “default” とは言わず、on の目的語を伴うのが基本です。
- 他動詞的に “default on something” の形をとることが多い (支払い・義務を不履行にする)。
一般的な構文・イディオム
- by default: 「自動的に/その他の選択肢がないために」
- in default: 「不履行の状態で」
- default on + 債務: 「~の支払いを不履行にする」
- by default: 「自動的に/その他の選択肢がないために」
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “If you don’t pick a coffee flavor, the machine will give you the default option.”
- (コーヒーの味を選ばないと、自動でデフォルトの味になるよ。)
- (コーヒーの味を選ばないと、自動でデフォルトの味になるよ。)
- “My phone always goes back to the default ringtone after every update.”
- (私の携帯はアップデートのたびにデフォルトの着信音に戻るの。)
- (私の携帯はアップデートのたびにデフォルトの着信音に戻るの。)
- “I kept the default wallpaper on my computer because I like it.”
- (気に入っているから、コンピューターのデフォルト壁紙をそのまま使っているの。)
ビジネスでの例文
- “The company may default on its payments if sales do not improve.”
- (もし売上が改善しなければ、その会社は支払い不履行に陥るかもしれない。)
- (もし売上が改善しなければ、その会社は支払い不履行に陥るかもしれない。)
- “We need to clarify the default terms in the contract before signing.”
- (契約に署名する前に、債務不履行時の条件をはっきりさせる必要があります。)
- (契約に署名する前に、債務不履行時の条件をはっきりさせる必要があります。)
- “By default, the program is set to automatically save changes every five minutes.”
- (デフォルトでは、このプログラムは5分ごとに自動で変更を保存するようになっています。)
学術的・専門的な文脈での例文
- “In the event of a default, the lender has the right to seize collateral.”
- (不履行があった場合、貸し手は担保を差し押さえる権利を有する。)
- (不履行があった場合、貸し手は担保を差し押さえる権利を有する。)
- “Default risk is a critical factor in bond valuation.”
- (デフォルトリスクは債券評価において重要な要因である。)
- (デフォルトリスクは債券評価において重要な要因である。)
- “The software’s default configuration can be overridden by advanced users.”
- (ソフトウェアのデフォルト設定は、上級ユーザーが上書きできます。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- nonpayment (支払い不履行)
- 金融文脈で「お金を払わない」行為を表す際に似た意味を持つ。
- ただし「default」は不履行全般であり、より広い意味合いを持つことがある。
- 金融文脈で「お金を払わない」行為を表す際に似た意味を持つ。
- delinquency (延滞・滞納)
- 支払いの遅れや延滞行為に焦点を当てた言葉。
- “default” は完全に払わない、または支払期限を大幅に逃した場合というニュアンスが強い。
- 支払いの遅れや延滞行為に焦点を当てた言葉。
- preset (プリセット)
- IT文脈での「あらかじめ設定されているもの」という意味で、デフォルトと近い。
- “default” はシステムの標準値というニュアンスが含まれるため、若干広義。
- IT文脈での「あらかじめ設定されているもの」という意味で、デフォルトと近い。
- standard setting (標準設定)
- “default setting” とほぼ同義だが、通常 “default setting” のほうが頻繁に使われる。
反意語
- (契約不履行の文脈)
- fulfillment (履行・実行)
- 義務を果たす、支払いや契約をきちんと遂行する場合。
- fulfillment (履行・実行)
- (初期設定の文脈)
- custom setting (カスタム設定)
- あらかじめ用意されたものではなく、手動で設定を変えた状態。
- custom setting (カスタム設定)
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA (アメリカ英語): /dɪˈfɔlt/ または /dəˈfɔlt/
- IPA (イギリス英語): /dɪˈfɔːlt/
アクセント
- 「di-FAULT」のように、第二音節 “fault” に強勢があります。
- アメリカ英語は「ディフォルト」に近い発音、イギリス英語は「ディフォールト」に近い発音。
- よくある間違いとして「de-fault」と発音してしまう方がいますが、正しくは「di-fault」(ディ-フォルト)です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス: “defalt” / “defult” などと書き間違えないよう注意。
- 発音: 慣れないうちは「ディフォルト」と日本語的に片仮名読みしがちですが、英語では第二音節が強くなります。
- 用法の混同:
- ITの “default” (初期設定) と 法的・ビジネスの “default” (債務不履行) は文脈がかなり違うので使い分けに注意。
- ITの “default” (初期設定) と 法的・ビジネスの “default” (債務不履行) は文脈がかなり違うので使い分けに注意。
- 試験対策: TOEIC や英検などでも、ビジネス英語・金融リーディングで登場することがあります。「デフォルトする=支払いが滞る」という意味を把握しておくと役立ちます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ: 「何もしなければこうなる」というニュアンス → “欠けている (何か行動が足りない) 状態”
- ストーリー: 何もしない(= 行動が欠けている)とシステムは“default”という初期設定を選ぶし、お金を払わない(= 行動が欠けている)と“default”してしまう…というイメージで覚えると両義が結びつきやすいです。
- 覚え方テク:
- 「de (不足) + fault (落ち度) → 何かの過失で不足している状態」と考える。
- “ファウルト” の音に注意しながら “de-fault” と切り分ければスペルも覚えやすいです。
- 「de (不足) + fault (落ち度) → 何かの過失で不足している状態」と考える。
以上が “default” の詳細な解説です。金融の不履行からITの初期設定まで幅広く使われる重要な単語なので、文脈を意識して使い分けましょう。
意味のイメージ
意味(1)
(義務・債務などの)不履行,怠慢《+on(against)+名》;(法廷・試合場などへの)不出場・欠席
意味(2)
(義務・債務などを)履行しない;(裁判・試合などに)出場しない《+in(on)+名》