元となった辞書の項目
bail
解説
1. 基本情報と概要
単語: bail
品詞: 名詞 (n.) / 動詞 (v.)
英語での意味
- (名詞) 保釈金、保釈、(釈放のための)保証金
- (動詞) 保釈金を払う、ボートなどから水をかき出す、急に立ち去る、困難から救済する
日本語での意味と概要
- (名詞) 「保釈金」を指す言葉です。裁判を待つ被告人が一時釈放されるために支払う保証金のことを指します。
→ 犯罪関連の文脈で「○○ドルの保釈金を払って釈放される」などという場面で使われます。 - (動詞) 「保釈する」、「ボートなどから水をかき出す」、「急に逃げる(離脱する)」、「救済する(特に金銭的に助ける)」という意味です。
→ 「お金を払って保釈する」か、「ボートの水をかき出す」か、「パーティーから急に抜ける」のような文脈で使われます。
「bail」は複数のまったく異なる状況で使われるので、前後の文脈に注意して学習するとよいでしょう。
活用形
- 動詞: bail - bailed - bailed - bailing (すべて規則変化)
他の品詞形
- 名詞: bail(保釈金)
- 動詞: bail(保釈にお金を払う/水をかき出す/急に立ち去る)
- この単語から派生した形容詞などはあまり一般的ではありませんが、名詞形の「bail」から派生した「bailout(救済措置、特に経済的な救済)」は名詞としてよく使われます。
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- 保釈金の法律的概念や金融関係の救済など固有の使い方があるため、多少専門的表現を理解できるレベルが望ましいです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「bail」そのものは短い語で、明確な接頭辞・接尾辞を含まず、語幹としてそのままの形で使用します。
詳細な意味
- (名詞) 保釈金:
- 被疑者・被告人が裁判を受けるまで拘留を免れるための保証金。
- 被疑者・被告人が裁判を受けるまで拘留を免れるための保証金。
- (動詞) 保釈する:
- 「pay bail」「bail someone out」の形で使用し、誰かを保釈する、または自分が保釈される意味。
- 「pay bail」「bail someone out」の形で使用し、誰かを保釈する、または自分が保釈される意味。
- (動詞) ボートから水をかき出す:
- 「bail out the boat」などで水を外に出す動作。
- 「bail out the boat」などで水を外に出す動作。
- (動詞) 急に立ち去る・ドタキャンする (口語的):
- 「I’m going to bail on the party」は「パーティーから急に抜ける(行かない・途中で帰る)」のイメージ。
- 「I’m going to bail on the party」は「パーティーから急に抜ける(行かない・途中で帰る)」のイメージ。
- (動詞) 救済する・助ける:
- 「bail someone out」=金銭面や困難から助ける。ビジネスで「企業を救済する」という文脈でも登場。
- 「bail someone out」=金銭面や困難から助ける。ビジネスで「企業を救済する」という文脈でも登場。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ (全10個)
- bail out – 「救済する、救い出す、ボートから水をくみ出す」
- post bail – 「保釈金を払う」
- skip bail – 「保釈中に逃亡する」
- set bail – 「保釈金を設定する」
- deny bail – 「保釈を認めない」
- make bail – 「保釈に必要なお金を工面する」
- bail hearing – 「保釈審問」
- bail bond – 「保釈保証書」
- bail on someone – 「(約束や予定を)直前でやめる、すっぽかす」
- bail water out (of a boat) – 「(ボートなどから)水をくみ出す」
3. 語源とニュアンス
語源
- 「bail」には2つの系統があるとされています。
- 保釈金に関する意味は、中英語を通じて古フランス語の “baillier(管理する、引き渡す)” に由来すると考えられています。
- ボートから水をかき出す動詞としての意味は、中英語で「バケツで水を汲み出す」といったニュアンスの別語源(古ノルド語由来など)といわれています。
- 保釈金に関する意味は、中英語を通じて古フランス語の “baillier(管理する、引き渡す)” に由来すると考えられています。
ニュアンス・使用時の注意
- 「(保釈という)厳粛な状況」から「急に立ち去るようなカジュアルな表現」まで幅広く使われる単語なので、文脈を誤ると大きな誤解を招きやすいです。
- 法律文脈や金融救済で使うときはフォーマル寄り、パーティーなどから「bail」と言う場合はカジュアルです。
4. 文法的な特徴と構文
名詞として使うとき:
- 可算名詞「a bail」「the bail」ですが、「保釈金」全体を抽象的に言う場合は無冠詞で扱われることもあります。
- 例: “He was released on bail.” (彼は保釈金で釈放された)
- 可算名詞「a bail」「the bail」ですが、「保釈金」全体を抽象的に言う場合は無冠詞で扱われることもあります。
動詞として使うとき:
- 他動詞の場合: “bail someone out” (誰かを保釈する / 救済する)
- 他動詞の場合: “bail water out” (ボートなどから水をかき出す)
- 自動詞的なニュアンスもあり: “I’m going to bail.” ((急に)立ち去る、ドタキャンする)
- 他動詞の場合: “bail someone out” (誰かを保釈する / 救済する)
イディオム:
- “bail out (of something)” は「やめる」「急に離脱する」という意味でも使われる。文語よりも口語的。
5. 実例と例文
(A) 日常会話での例文
- “I’m really sorry, but I have to bail on tonight’s dinner.”
(本当に申し訳ないけど、今夜の食事会は行けなくなっちゃった。) - “We got water in the boat, so we need to bail it out fast.”
(ボートに水が入ってきたから、急いでくみ出さないと。) - “He was arrested, but his friend posted bail for him.”
(彼は逮捕されたが、友人が保釈金を払ってくれた。)
(B) ビジネスでの例文
- “The government decided to bail out the failing bank.”
(政府は経営危機にある銀行を救済することを決定した。) - “We need to assess whether it’s worth bailing this company out.”
(この会社を救済する価値があるか評価しなければなりません。) - “If construction costs rise further, some investors might bail on the project.”
(もし建設費がこれ以上上がるなら、投資家の中にはプロジェクトから手を引く可能性もある。)
(C) 学術的な/よりフォーマルな文脈の例文
- “The defendant was granted bail under strict conditions.”
(被告人は厳格な条件の下、保釈を許可された。) - “The economic impact of government bailouts has been extensively studied.”
(政府による救済措置(バイルアウト)が経済に与える影響は広範に研究されてきた。) - “Failure to appear in court while on bail may lead to additional charges.”
(保釈中に出廷しなかった場合、追加の罪状が課される可能性がある。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- bond (n.) – 「債券」「保証金」:保釈金としての「ボンド(保証金)」の意味で近い
- release (v.) – 「解放する、釈放する」:保釈という点で「自由にする」という意味合い
- rescue (v.) – 「救助する」:特に “bail out” を「救済する」として使う場合の近い意味
反意語 (Antonyms)
- detain (v.) – 「勾留する」:保釈の真逆となる法的措置
- imprison (v.) – 「投獄する」:保釈の反対で投獄する意味
同じ「離脱する」という意味の「bail (out)」に対しては、
- stay (v.) – 「とどまる」
- remain (v.) – 「残る」
などが反意語的表現となります。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /beɪl/
- アメリカ英語 (米)・イギリス英語 (英) いずれもほぼ同じ発音。
- 強勢: 一音節単語なので特に強勢の移動はありません。
- よくある間違い: “bail” と “bale” (干し草などをまとめた俵) を混同しやすい。
- “bail” → /beɪl/
- “bale” → /beɪl/
実は発音は非常に似ていますが、意味が全く異なります。スペリングに注意してください。
- “bail” → /beɪl/
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリング: 「bail」と「bale」を混同しやすい。前者は「保釈金・救済・水をくみ出す」、後者は「干し草などの大きなまとまり」。
- 同音異義語: 上記のようにスペルの違う同音語に注意。
- 語義の多様性: 法律・金融・日常会話と幅広い意味を常に文脈で判断する。
- 試験対策: TOEICや英検などでは「bail out」はビジネス経済の救済(金融支援)として出題される可能性あり。「保釈金」は法律文脈の単語問題としても登場しやすい。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「ボートの“バケツ(pail)”で水を“ベイル(bail)”する」というイメージで覚えると、「ボートから水をかき出す」という動詞の意味が定着しやすいです。
- 「保釈金で“出す”→“bail someone out”」と関連づけると、金銭的に誰かを助けるというイメージに繫がりやすいでしょう。
- 「急にパッと抜ける」カジュアル表現として「バイル」という響きをイメージできると、口語での「bail on ~」も覚えやすいです。
必要最低限の文脈だけでも、保釈金の話題とボートの話題で何度か耳にするうちに自然と定着していくはずです。ぜひ多くの例文に触れて覚えてください。
意味のイメージ
意味(1)
保釈;保釈金;
意味(2)
〈C〉保釈保証人
意味(3)
(保釈金を払って)…'を'保釈出所させる《+名+out,+out+名》