元となった辞書の項目
arguably
解説
以下では、副詞「arguably」について、できるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: “arguably” means “it can be argued that...” or “it is possible to state that...”
- 日本語: 「おそらく〜と言える」「〜であると主張できる」という意味です。
→ 物事について「まあ、そう言ってもいいだろう」「〜の可能性が高い」というニュアンスで使われます。議論の余地はあるけれど、かなり有力に予想・主張できるという感じです。
品詞
- 副詞 (adverb)
活用形
- 副詞なので、時制による活用はありません。
- 原形:arguably
他の品詞になった場合の例
- 形容詞: arguable(「議論の余地がある」「~と言えるかもしれない」)
- 形容詞の比較級・最上級は一般的には用いません。
- 関連名詞: argument(議論)
CEFRレベルの目安
- C1(上級): ある程度抽象的かつ複雑な意味が含まれ、「~と言えるだろう」という婉曲表現に近いニュアンスを持つため、上級学習者向けです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- arguably = argue(議論する) + -ably(副詞を作る接尾語)
- argue(動詞):「議論する」「主張する」
- -ably(接尾語):「~できる方法で」「~と言える形で」
よく使われるコロケーション(共起表現)・関連フレーズ(10個)
- arguably the best (おそらく最高の)
- arguably the most influential (おそらく最も影響力のある)
- arguably the greatest (おそらく最も偉大な)
- arguably important (おそらく重要な)
- arguably true (おそらく本当の)
- arguably valid (おそらく妥当な)
- arguably relevant (おそらく関連性のある)
- arguably necessary (おそらく必要な)
- arguably beneficial (おそらく有益な)
- arguably correct (おそらく正しい)
これらは「〜と言えるかもしれない」という婉曲さを含み、文脈や意見をやわらかく提示するときに使われます。
3. 語源とニュアンス
語源
- 「arguably」は、ラテン語の“arguere”(示す、論証する)に由来するとされる“argue”から派生しました。
- 「主張する」という動詞 argue に、副詞形の接尾語 -ably が付いて、 “arguably” となりました。
ニュアンス・使用時の注意
- 「arguably」は述べていることについて、確固たる断定を避けながらも、それに強い確信を持っているようなニュアンスを出すときに使われます。
- 口語・文章の両方で使いますが、ややフォーマル寄りの文章や議論で使われることも多いです。
- 謙虚に断定を避けつつも「~かもしれない」と強めに言いたいときの表現です。
4. 文法的な特徴と構文
- 副詞なので、主に文全体や形容詞の前などに置かれ、修飾の対象を分かりやすくする役割を持ちます。
- 典型的な構文例:
- “Arguably, SV...” (文頭に置いて全体を修飾する)
- “He is arguably one of the most skilled players.” (be動詞や述語動詞の直後に置く)
- “Arguably, SV...” (文頭に置いて全体を修飾する)
フォーマル/カジュアル
- 論文やビジネス文書、少しかしこまった場面でしばしば見られますが、口語でも使われることがあります。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “Arguably, this is the best pizza place in town.”
(たぶん、ここが街で一番おいしいピザ屋だと言えるよ。) - “He’s arguably the nicest guy in our class.”
(彼はうちのクラスでいちばん優しい人だと言えるかもしれない。) - “This movie is arguably better than the sequel.”
(この映画は続編よりもおそらくいいと言えるね。)
ビジネスでの例文(3つ)
- “Arguably, our new product will surpass last year’s sales.”
(おそらく、わが社の新製品は昨年の売上を上回るでしょう。) - “He is arguably the strongest candidate for the manager position.”
(彼はマネージャー職にもっともふさわしい候補者の一人だと言えるかもしれません。) - “This approach is arguably more efficient in reducing costs.”
(このアプローチはコスト削減においておそらくより効率的です。)
学術的な文脈(3つ)
- “Arguably, the researcher’s findings point to a new paradigm in physics.”
(おそらく、その研究者の発見は物理学の新たなパラダイムを示しています。) - “This theory is arguably supported by numerous experimental results.”
(この理論は、おそらく多くの実験結果によって裏付けられています。) - “He is arguably one of the most cited scholars in developmental psychology.”
(彼は発達心理学で最も多く引用される学者のひとりだといえるでしょう。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- “possibly” (ひょっとすると)
- 「可能性がある」という意味で、より不確定でやわらかい印象。
- 「可能性がある」という意味で、より不確定でやわらかい印象。
- “conceivably” (考えようによっては)
- ややフォーマルで「考慮すればそうかもしれない」というニュアンス。
- ややフォーマルで「考慮すればそうかもしれない」というニュアンス。
- “likely” (おそらく)
- 「~しそう」と断定に近いが、確実ではない。
※ “arguably” は「異論もあるかもしれないが、~だと言うことはかなり有力」という、自分の主張に重点を置く言い回しなので、単純な「おそらく」とは少しニュアンスが異なります。
反意語(Antonyms)
- はっきりした反意語はありませんが、断定「obviously」(明らかに)や「definitely」(確実に)のような単語は “arguably” と反対のニュアンスになります。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈɑːrɡ.ju.ə.bli/ (米), /ˈɑːɡ.ju.ə.bli/ (英)
- アメリカ英語とイギリス英語での違い:
- 大きな違いはありませんが、アメリカ英語では “r” の音がはっきりと発音され、イギリス英語では “r” がやや弱めに発音される傾向です。
- 大きな違いはありませんが、アメリカ英語では “r” の音がはっきりと発音され、イギリス英語では “r” がやや弱めに発音される傾向です。
- アクセント: 第1音節(ARG)に強勢が来ます。(“ARG-u-a-bly”)
よくある発音の間違い
- “arguable” と混同して “ar-gu-a-bull-ly” のように間延びする。
- アクセントの位置がずれて “argu-AB-ly” などと発音してしまうことに注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “arguably” を “argueably” と綴ってしまう間違いが多いです。 “e” が入りそうに見えますが、正しくは “arguably” です。
- 同音異義語との混同: “arguably” と “arguably?”(特にありませんが、口語で “arguably” を疑問形のイントネーションで言って混乱するなど)。
- 試験対策: エッセイや論証文の中で、「強すぎる断定」を避けるために多用される副詞です。IELTSやTOEFLなどのライティングでも重宝されます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「arguably = argue + ably」の語構成から、「議論(argue)に耐えられるレベルで…」というイメージを持つと覚えやすいかもしれません。
- “arguably” は「たくさんの意見がある中で、それでもこう言える」というニュアンスなので、「まだ議論があるかもしれないけど、強く言ってみる」というストーリーで記憶すると使いやすいです。
- スペリングのコツ: “argu” + “ably” と分割して覚えると間違いにくいでしょう。
以上が、副詞「arguably」の詳細な解説です。
「絶対ではないけどかなり有力な見方だよ」「〜かもしれないが、かなり根拠があるよ」というときに、とても便利な表現です。上級レベルの英語を使う際に、ぜひ使いこなせるようにしてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
《文修飾・しばしば最上級・比較級の前で》まず間違いなく,十分論証できることだが
意味(2)
議論の余地はあるかもしれないが
意味(3)
きっと,おそらく