元となった辞書の項目
paraphrase
解説
以下では、英単語「paraphrase(パラフレーズ)」について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語と日本語)
- 英語: “paraphrase” means to restate a text or speech in other words, usually to clarify or simplify the original meaning.
- 日本語: 「paraphrase(パラフレーズ)」とは、文章や話を別の言い回しや表現で言い換えることを指します。元の意味を保ちながら、より分かりやすくしたり、要約したりするイメージです。例えば、難しい文章を易しく書き直すときに使われます。
「こういう場面で使われる、こういうニュアンスの単語です」
- 他の人の言葉を分かりやすく解説するとき
- 研究や論文で引用するときに、自分の言葉で言いなおしたいとき
- 日常会話でも、相手の発言を理解したうえで別の表現に言い換えて確認するとき
品詞と活用例
- 品詞: 動詞(to paraphrase), 名詞(a paraphrase)
- 動詞の活用:
- 現在形:paraphrase
- 過去形:paraphrased
- 過去分詞:paraphrased
- 現在分詞:paraphrasing
- 現在形:paraphrase
- 名詞形の例: “He gave a clever paraphrase of my statement.”(彼は私の発言を巧みにパラフレーズした。)
他の品詞形
- 形容詞形(まれ): “paraphrastic” → パラフレーズ調の、言い換えの
- 副詞形(非常にまれ): “paraphrastically” → 言い換えて
難易度(CEFRレベル)
- B2(中上級)
語彙的には少し専門的かもしれませんが、多くの英語学習やアカデミックな文脈で使用されるため、B2クラス(中上級)レベルの学習者が意識しておきたい単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語: “para-”
「そばに」「並行して」という意味があります。(例:“parallel” 「平行の」などと同じ接頭語) - 語幹: “phrase”
「言い回し」や「文章」を表します。
“paraphrase” は、「もとの文章や表現のそば(近く)にある形で言い換える」というイメージを持つ単語です。
派生語・類縁語
- “paraphrastic”: パラフレーズの(形容詞形)
- “paraphrastically”: 言い換えて(副詞形)
よく使われるコロケーション(例と日本語訳)
- “to paraphrase a sentence”
(文を言い換える) - “to paraphrase a quote”
(引用をパラフレーズする) - “paraphrase the instructions”
(指示をパラフレーズする) - “offer a paraphrase”
(パラフレーズを提供する) - “accurate paraphrase”
(正確なパラフレーズ) - “rough paraphrase”
(大まかなパラフレーズ) - “paraphrase and summarize”
(言い換えて要約する) - “clarify through paraphrase”
(パラフレーズで明確にする) - “paraphrase for clarity”
(わかりやすくするために言い換える) - “misinterpret a paraphrase”
(パラフレーズを誤解する)
3. 語源とニュアンス
語源
- ギリシャ語の “paraphrasis” (「付け加えて述べること」)から来ており、 “para-”(そばに、近くに)+ “phrazein”(述べる、話す)が組み合わさったものです。
- 古代から「原文に加えて、別の角度から表現する」という意味が含まれていました。
ニュアンス・使用上の注意
- カジュアルかフォーマルか
- 学術的な場面(論文やレポートなど)でよく使われるため、ややフォーマルな響きが強いですが、日常でも「言い換える」という行為に対して使うことがあります。
- 学術的な場面(論文やレポートなど)でよく使われるため、ややフォーマルな響きが強いですが、日常でも「言い換える」という行為に対して使うことがあります。
- 感情的な響き
- 特に感情的なニュアンスはなく、どちらかというと冷静・客観的に文章を言い換えるイメージが強いです。
- 特に感情的なニュアンスはなく、どちらかというと冷静・客観的に文章を言い換えるイメージが強いです。
- 使用シーン
- 論文やプレゼンテーションなどで「引用」を自分の言葉で再構成したいとき。
- ビジネスのミーティングで、相手の発言を確認のために言い換えたりする場合。
- 日常会話で、相手の言っていることを要約したり、誤解を避けるために別の言い回しを使ったりするとき。
- 論文やプレゼンテーションなどで「引用」を自分の言葉で再構成したいとき。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文
- 動詞として
- “Paraphrase + 目的語”
例: “I need to paraphrase this paragraph to make it clearer.”
- “Paraphrase + 目的語”
- 名詞として
- “give a paraphrase (of + 名詞)”
例: “Could you give a paraphrase of the sentence?”
- “give a paraphrase (of + 名詞)”
イディオムや表現
- 特定のイディオムはあまりありませんが、学術文脈で “In other words,” とセットで使われやすいです。
“To paraphrase: In other words, …” という言い方で意味を補足することが多いです。
フォーマル/カジュアル
- 論文・ビジネス → フォーマル
- 日常会話 → 必ずしもフォーマルな場面でない場合も、相手の言ったことを「言い換え」するときに使うと少し丁寧な響きになります。
他動詞・自動詞
- 他動詞: “to paraphrase (文章/他人の発言/引用)”
- 自動詞的にはあまり使われませんが、会話で “Let me paraphrase.”(言い換えてみましょう)といった形で補語を省略する形はあります。
5. 実例と例文
日常会話(3例)
- “Could you paraphrase what you just said? I want to make sure I understand correctly.”
(今言ったことを言い換えてもらえますか?ちゃんと理解できているか確かめたいので。) - “Let me paraphrase that: You’re saying we should start earlier, right?”
(言い換えると、もっと早めに始めた方がいいってことかな?) - “I’ll paraphrase it for Mom so she can follow along.”
(お母さんがわかるように言い換えてあげるよ。)
ビジネスシーン(3例)
- “Could you paraphrase the client’s request in simpler terms?”
(クライアントの要望をもう少し簡単な言葉で言い換えてもらえますか?) - “In the presentation, try to paraphrase any technical jargon for the audience.”
(プレゼンでは、専門用語を聴衆のために言い換えるようにしてください。) - “To avoid miscommunication, let me paraphrase the key points of the agreement.”
(誤解を避けるために、合意事項の重要ポイントを言い換えさせてください。)
学術・アカデミック(3例)
- “When citing sources, you must paraphrase accurately and provide references.”
(文献を引用するときは、正確にパラフレーズし、参考文献を示さなければなりません。) - “This essay will paraphrase the main arguments of the philosopher before critiquing them.”
(このエッセイでは、その哲学者の主張をパラフレーズしてから批評を行います。) - “Please paraphrase the data analysis results for the non-experts in the room.”
(専門外の人向けに、データ分析の結果をパラフレーズしてください。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- restate(再び述べる)
- 大筋の内容を再度言うイメージ。やや短めにまとめる感覚が強い。
- 大筋の内容を再度言うイメージ。やや短めにまとめる感覚が強い。
- reword(言い直す)
- 言葉を変えることに重点。
- 言葉を変えることに重点。
- summarize(要約する)
- 全体を短くまとめるニュアンスが強く、詳細な説明を省くイメージ。
- 全体を短くまとめるニュアンスが強く、詳細な説明を省くイメージ。
- rephrase(言い換える)
- 意味的には「paraphrase」に非常に近く、ほぼ同じ使い方ができます。
- 意味的には「paraphrase」に非常に近く、ほぼ同じ使い方ができます。
反意語(Antonyms)
- quote(直接引用する)
- 相手や文献の言葉をそのまま引用することで、「自分の言葉に置き換える」パラフレーズとは対照的です。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ˈpærəfreɪz/
- 強勢: 最初の音節「párə-」にアクセントがあります(「パラ-フレイズ」)。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い: 大きな差はありませんが、イギリス英語はやや「パラフレー(ズ)」と母音が少しはっきり・長めになる傾向があります。
- よくある間違い:
- アクセントを後ろに置いて “paraPHRASE” と言ってしまうこと。正しくは “PAraphrase” と最初に強勢を置きます。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “paraphrase” の中間に “r” や “a” を入れ間違えたり、 “phrase” を “phase” と書いてしまうことがあります。
- 同音異義語との混同: 直接の同音異義語はありませんが、 “phrase” と “phase” は発音がやや似ているので注意。
- 試験対策での出題傾向: 英作文やリーディングで「元の文章をパラフレーズしなさい」と指示されることが多いです。TOEICや大学入試などで、リーディングの問題文の再表現として “paraphrase” が動詞として登場する場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “para” = “そばに” + “phrase” = “フレーズ” →「そばにあるフレーズで置き換える」とイメージしてください。
- スペリングのコツ: 「パラ」+「フレーズ」(paraphrase)
- 覚え方のストーリー: “You take a phrase and shift it to a parallel expression – that’s a paraphrase!”
(フレーズを平行移動して別の言い回しを作る、というイメージで。)
以上が「paraphrase(パラフレーズ)」の詳細解説です。自分が読んだ文章を「正しく・わかりやすく」要約する力として、学術からビジネス、日常会話に至るまで、幅広く活用できますので、ぜひ習得してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(原文を)別の言葉で置き換えること,言い換え,意訳
意味(2)
(説明するために)〈文章・語句など〉‘を'言い換える,やさしい言葉に置き換える