元となった辞書の項目
silently
解説
1. 基本情報と概要
単語: silently
品詞: 副詞 (Adverb)
意味(英語): in a quiet manner, without making any sound
意味(日本語): 静かに、音を立てずに、黙って
「silently」は「音を立てずに、または黙って行動する」というニュアンスのある副詞です。誰かに気付かれないように静かに何かを行う場合や、大きな声や音を出さないで行動する様子を表すときに使われます。
活用形:
副詞なので、形そのものには活用はありません。同じ語形変化をとる品詞は存在しませんが、形容詞「silent」や名詞形「silence」など、関連する語形があります。
- 形容詞: silent(静かな)
- 名詞: silence(静けさ、沈黙)
CEFRレベルの目安:
- B1(中級): ある程度の表現力が必要だが、日常的な意味での使用頻度も高い単語。
2. 語構成と詳細な意味
- 語幹: silent (形容詞「静かな」)
- 接尾辞: -ly (形容詞を副詞化する接尾辞)
形容詞「silent」が「-ly」を伴うことで副詞化し、「静かに」「無言で」という意味を持つようになります。
関連する派生語・類縁語
- silent (形容詞): 静かな
- silence (名詞): 静けさ、沈黙
- silencer (名詞): 消音器(機械などの音を和らげる装置)
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- sit silently(静かに座る)
- watch silently(黙って見守る)
- wait silently(静かに待つ)
- work silently(黙々と作業する)
- cry silently(声を抑えて泣く)
- pray silently(心の中で祈る)
- walk silently(足音を立てずに歩く)
- listen silently(黙って聞く)
- scream silently(声にならない悲鳴を上げる)
- nod silently(無言でうなずく)
3. 語源とニュアンス
- 語源: 「silent」は、ラテン語の“silēre”(黙する、静かでいる)に由来します。中英語を経由して英語に取り入れられ、そこから「silently」という副詞形が生まれました。
- ニュアンス: 「音を立てずに」という意味合いから、気付かれずにこっそり行動する場面や、口を挟まない・声を押し殺す場面など、慎重さや意図的な黙りをイメージさせます。気持ちを静かに吐露したり、穏やかに行動したりする際にもよく使われます。
使用場面と注意点
- カジュアルでもフォーマルでも使えますが、深刻な場面(喪に服すなど)や、慎重さを強調したいシーンで特に重みが出ます。
- 日常会話では「quietly」と使われることも多いですが、「silently」はより完全な黙りをイメージします。
4. 文法的な特徴と構文
文法上の特性:
- 副詞として動詞や形容詞などを修飾し、「どのように行うか」を表します。
- 他動詞/自動詞どちらと組み合わせても問題ありませんが、人間の感覚や動作に関連して使われることが多いです。
- 語尾が -ly なので、副詞であることが明示的になっています。
一般的な構文例
- [主語] + [動詞] + silently: “He left the room silently.”(彼は静かに部屋を出ていった)
- [主語] + silently + [動詞]: “She silently agreed.”(彼女は黙って了承した)
- Where/When/How + silently?: “How can we move silently?”(どうやって音を立てずに移動できる?)
5. 実例と例文
以下では、日常会話・ビジネス・学術的文脈などでの使用例を3つずつ提示します。
日常会話
- “I silently opened the door so I wouldn't wake anyone.”
- (誰も起こさないように、静かにドアを開けたんだ。)
- (誰も起こさないように、静かにドアを開けたんだ。)
- “He silently poured himself a cup of coffee and sat down.”
- (彼は黙ってコーヒーを注いで座った。)
- (彼は黙ってコーヒーを注いで座った。)
- “They nodded silently, showing they understood.”
- (彼らは無言でうなずき、理解を示した。)
ビジネス
- “The team silently agreed with the new proposal, showing no objection.”
- (チームは新しい提案に黙って同意し、異論は示さなかった。)
- (チームは新しい提案に黙って同意し、異論は示さなかった。)
- “She walked silently into the meeting room to avoid interrupting the ongoing discussion.”
- (彼女は進行中の議論を妨げないように、静かに会議室に入った。)
- (彼女は進行中の議論を妨げないように、静かに会議室に入った。)
- “We observed the competitor's actions silently before making our decision.”
- (私たちは決定を下す前に、競合他社の動きを黙って観察した。)
学術的/フォーマル
- “The audience listened silently to the speaker’s presentation.”
- (聴衆は講演者のプレゼンテーションを静かに聞いていた。)
- (聴衆は講演者のプレゼンテーションを静かに聞いていた。)
- “During the experiment, we silently recorded each data point to minimize interference.”
- (実験中、干渉を最小化するために、私たちは黙って各データを記録した。)
- (実験中、干渉を最小化するために、私たちは黙って各データを記録した。)
- “In the memorial ceremony, participants silently paid their respects.”
- (追悼式では、参加者は静かに哀悼の意を表した。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- quietly(静かに)
- 「声や音が小さい」というニュアンスが強い。やや意味が広く、周囲が静かな状況にも使われる。
- 「声や音が小さい」というニュアンスが強い。やや意味が広く、周囲が静かな状況にも使われる。
- wordlessly(一言も言わずに)
- 「言葉を発しない」という点を強調する。
- 「言葉を発しない」という点を強調する。
- mutely(無言で)
- 口をきかずに、という点が強調される。やや文語的。
- 口をきかずに、という点が強調される。やや文語的。
- softly(やわらかい音で)
- 声や音が小さく穏やかなイメージを強調。
反意語(Antonyms)
- loudly(大声で)
- 大きな音を伴う、真逆の行動・状態を示す。
- 大きな音を伴う、真逆の行動・状態を示す。
- audibly(はっきり聞こえるくらいに)
- 音が聞き取れるほどの状態を示す。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ˈsaɪ.lənt.li/
- アクセント: “sílent-ly” のように、最初の音節 “sī-” が強調されます。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い: ほぼ同じ発音です。ただし、イギリス英語で「t」をはっきり発音する人が多いのに対し、アメリカ英語ではやや弱まる傾向があります。
- よくある間違い: “silent” の “i” を “ai” と発音しそこねて /sɪl-/ としてしまう例など。また、“ly” が抜けて “silent” のままで使ってしまうミスにも注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “silenly” や “sillent” など。
- 同音異義語との混同: 同音異義語は特になし。ただし “listen” と混同して覚えてしまう学習者が稀にいる。
- 試験対策: 英検やTOEICなどでは、文脈上「音の有無」を問う問題で “silently” が選択肢に出ることがあります。シチュエーションを想定して、文意に合った選択をするのが重要です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “Silent film” の流れ: かつて映画が「サイレント映画(無声映画)」と呼ばれた時代をイメージすると、「silently」は「音を立てずに」と強く関連付けやすくなります。
- “Silent” + “-ly”: 「静かな」に副詞の “-ly” を付けると「静かに」になる、と理解すると形容詞と副詞のつながりを覚えやすいです。
- 記憶術: “SILENT” の最初5文字「S I L E N」を “静けさ (SIlEncE)” と絡めて覚えると印象に残りやすいでしょう。
以上が副詞 “silently” の詳細な解説です。ぜひ日常表現からフォーマルな文書まで、幅広い場面で使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
静かに
意味(2)
黙って