abide
1. 基本情報と概要
単語: abide
品詞: 動詞 (verb)
意味(英語):
- To accept or follow a rule, decision, recommendation, etc. (“to abide by”)
- To remain or stay somewhere; to continue in a certain condition
- 古風なニュアンスとして、「我慢する、耐える」の意味 (特に “can’t abide” で「耐えられない」)
意味(日本語):
- 規則や決定、勧告などに従う(“abide by” の形で使われることが多い)
- ある場所にとどまる、またはある状態を続ける
- (やや古風な表現として)我慢する、耐える(“can’t abide” で「我慢できない」)
「abide」は主に「守る」「従う」という文脈で “abide by 〜” の形でよく使われる単語です。また「とどまる」「続く」の意味を持つやや文語的・古風な動詞として使われることもあります。日常会話では「我慢できない、耐えられない」と言いたいときに「can’t abide 〜」の形で見かける場合もあります。
活用形:
- 現在形: abide
- 三人称単数現在形: abides
- 現在分詞/動名詞: abiding
- 過去形: abided(古い形で abode とも)
- 過去分詞: abided(古い形で abode とも)
他の品詞形:
- 形容詞: abiding → 「永続的な」「不変の」という意味で使われる例(例:an abiding memory)
- 名詞形は特にありませんが、「abidance」は非常にまれに「遵守」「滞在」を意味する語として使われることがあります(ただし極めて文語的・古い表現)。
CEFRレベル (目安): B2(中上級)
実際の会話ではそこまで頻出ではありませんが、学習者にとってルールや決定に「従う」という意味で “abide by” は重要な熟語表現。少し上のレベル向きです。
2. 語構成と詳細な意味
- 接頭語 (prefix): なし
- 語幹 (root): “abide” (古英語由来)
- 接尾語 (suffix): -ing, -ed などは動詞の一般的な活用形
ただし「abide」は古英語からの単語であり、はっきりとした接頭語・接尾語・語幹の分解は分かりにくい単語です。
よく使われるコロケーション(共起表現)・フレーズ(10個)
- abide by the law
- 法律を守る
- 法律を守る
- abide by the rules
- 規則に従う
- 規則に従う
- abide by the decision
- 決定に従う
- 決定に従う
- abide by the agreement
- 協定(合意)に従う
- 協定(合意)に従う
- abide by the terms
- 条件を遵守する
- 条件を遵守する
- can’t abide someone/something
- (人や物を)我慢できない
- (人や物を)我慢できない
- abide in peace
- 平穏にとどまる(やや文語的)
- 平穏にとどまる(やや文語的)
- abide with me
- 私と一緒にいてください(古風な表現)
- 私と一緒にいてください(古風な表現)
- abide in Christ (宗教的文脈)
- キリストの教えに根差す・とどまる
- キリストの教えに根差す・とどまる
- abiding faith
- 揺るぎない信念(ここでは形容詞形 “abiding”)
3. 語源とニュアンス
語源:
「abide」は古英語の “ābīdan” (a- + bīdan「待つ」) に由来し、「とどまる」「続ける」「待ち続ける」というニュアンスを持っていました。
徐々に「留まる」→「規則や状況に留まり続ける」→「我慢・耐える」→「従う」といった意味が派生していった形になります。
ニュアンスや注意点:
- “abide by 〜” は「〜に従う/〜を遵守する」という意味で最もよく使われる表現で、特にフォーマルな文脈(ビジネス契約書、法律関連など)で頻出です。
- “can’t abide 〜” の形は「どうしても〜に我慢ならない」というやや強めの否定的ニュアンスになります。
- 全体的には、やや文語的・古風な響きがあり、口語では主に “abide by” か “can’t abide” のフレーズとして耳にする程度です。
4. 文法的な特徴と構文
- 自動詞 / 他動詞:
“abide” 単体では自動詞として使われやすいですが、目的語をとるフレーズもあります (“can’t abide something” のように)。 - 重要な構文:
- abide + 前置詞(by, with, in, etc.)
- can’t abide + [名詞/動名詞]
- abide + 前置詞(by, with, in, etc.)
- フォーマル / カジュアル:
- “abide by” → フォーマルな文書や合意などで必須の表現
- “can’t abide” → 日常会話でも古風な響きがあるが、感情を強めに表現するときに使われる
- “abide by” → フォーマルな文書や合意などで必須の表現
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
“I can’t abide the noise here any longer.”
- 「ここでの騒音にはもう耐えられないよ。」
- 「ここでの騒音にはもう耐えられないよ。」
“She can’t abide spicy food, so she always asks for mild options.”
- 「彼女は辛い料理が苦手だから、いつもマイルドなものを頼むんだ。」
- 「彼女は辛い料理が苦手だから、いつもマイルドなものを頼むんだ。」
“I’ll abide with my grandparents during the holidays.”
- 「休暇の間、祖父母の家に滞在するつもりなんだ。」(やや文語的・古い響き)
(2) ビジネスでの例文
“Please ensure that all employees abide by the company’s policies.”
- 「すべての従業員が会社の方針を遵守するようにしてください。」
- 「すべての従業員が会社の方針を遵守するようにしてください。」
“We must abide by the terms of the contract to avoid any legal issues.”
- 「法的トラブルを避けるためにも、契約条項はしっかりと守らなければなりません。」
- 「法的トラブルを避けるためにも、契約条項はしっかりと守らなければなりません。」
“Clients expect us to abide by strict confidentiality standards.”
- 「クライアントは私たちが厳格な機密保持基準を守ることを求めています。」
(3) 学術的な文脈での例文
“Scholars must abide by ethical guidelines when conducting research.”
- 「研究者は研究を行う際、倫理ガイドラインを遵守しなければならない。」
- 「研究者は研究を行う際、倫理ガイドラインを遵守しなければならない。」
“The theory cannot abide contradictions; hence, it must be modified.”
- 「その理論は矛盾を許容できないため、修正が必要だ。」
- 「その理論は矛盾を許容できないため、修正が必要だ。」
“In historical texts, the concept of ‘abide’ often implies long-term residence.”
- 「歴史文書において ‘abide’ という概念は、しばしば長期的な滞在を意味する。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- comply (従う)
- “abide by” と同様に「規則や要求に従う」という意味。よりビジネスや法的文脈で使われやすい。
- “abide by” と同様に「規則や要求に従う」という意味。よりビジネスや法的文脈で使われやすい。
- observe (遵守する)
- 規則や法律を「守る」。ややフォーマル、きちんと規則を見守るイメージ。
- 規則や法律を「守る」。ややフォーマル、きちんと規則を見守るイメージ。
- obey (従う)
- 権力や人に対して従順に従うニュアンスがやや強い。
- 権力や人に対して従順に従うニュアンスがやや強い。
- tolerate (我慢する)
- “abide” の「我慢する」に近いが、やや「許容する・容認する」のニュアンス。
- “abide” の「我慢する」に近いが、やや「許容する・容認する」のニュアンス。
反意語 (Antonyms)
- disobey (従わない)
- 法律や命令などに背くことを示す。
- 法律や命令などに背くことを示す。
- violate (違反する)
- ルールや約束を破るイメージ。
- ルールや約束を破るイメージ。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA):
- 米: /əˈbaɪd/
- 英: /əˈbaɪd/
- 米: /əˈbaɪd/
- アクセント:
- “-bide” の部分に強勢(/ə-BAID/)
- “-bide” の部分に強勢(/ə-BAID/)
- アメリカ英語とイギリス英語の違い:
- 大きな違いはありませんが、若干アメリカ英語の方が /ə/ の弱音が明確に表れる場合があります。
- よくある発音の間違い:
- “uh-bide” のように母音があいまいになるケースがあり “a-bite” と混同しないよう注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “abide” は “abibe” や “abid” などと間違えないように注意。
- “abide by” という熟語を切り離して「abide + something」の形だけで「〜を守る」と誤解しないように。ルール等への従属は “abide by” がセットで使われる。
- “abode” という過去形・過去分詞形は非常に古風・詩的で現代ではあまり使われない。
- TOEICや英検などでは “abide by” の形で出題されることが多いので、熟語として覚えるのが良い。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「アバイド」とカタカナで書くと少し不思議に感じますが、語源は「待機する」「留まる」イメージ。ルールに「留まる/沿う」が “abide by” → 「ルールに留まって守る」と連想してみると覚えやすいかもしれません。
- “can’t abide” は「とどまっていられないほど嫌だ」とイメージすると理解しやすいでしょう。
- 音の響きが “a-bye-d” なので「バイ(bye)して諦めて待つ」というワード連想で覚えている学習者もいます。ちょっとした語呂合わせとして使えます。
以上が “abide” の詳細な解説です。特に「abide by」という熟語はビジネスや法的文脈でしばしば目にする重要フレーズなので、ぜひセットで覚えてみてください。
(ある状態に)とどまる;残る
住む
《決定などに》従う《by ...》
《まれ》…'を'じっと待つ
《否定文・疑問文で》…'を'がまんする,‘に'耐える