元となった辞書の項目
delicate
解説
以下では、形容詞“delicate”について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: “delicate” = fine in texture, structure, or quality; easily broken or damaged; requiring careful treatment; subtle or gentle.
- 日本語: 「繊細な」「壊れやすい」「扱いに注意が必要な」「微妙なニュアンスを含んだ」といった意味です。
たとえば「繊細なレース」のように、壊れやすいものや、美しい反面丁寧に扱うべきものを表す時に使います。また、「微妙な問題」「デリケートな話題」のように、慎重さや配慮が必要な状況にも使われます。
品詞と活用形
- 品詞: 形容詞 (adjective)
- 比較級: more delicate
- 最上級: most delicate
他の品詞形
- 名詞形: delicacy(デリカシー、繊細な味わい、優美さ、または珍味などを指す)
- 副詞形: delicately(繊細に、優美に)
CEFRレベル
- B2(中上級)
→ 日常会話でもよく使われますが、やや抽象的・比喩的な表現にも使えるため、単に「壊れやすい」だけでなく「微妙な状況」を意味するなど、多面的な使い方をします。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語源的には、ラテン語の“delicatus”から派生しており、「上品な」「柔らかな」「壊れやすい」というニュアンスを含んでいます。
- 接頭語・接尾語というよりも、語幹(delic–)に由来しています。
よく使われるコロケーション(10個)
- delicate balance → 「微妙なバランス」
- delicate flavor → 「繊細な風味」
- delicate aroma → 「優美な香り」
- delicate touch → 「繊細なタッチ(感触・筆遣い)」
- delicate fabric → 「壊れやすい(繊細な)生地」
- delicate situation → 「慎重に扱うべき状況」
- delicate operation → 「注意を要する手術・作業」
- delicate features → 「繊細な顔立ち」
- delicate question → 「答えにくい(デリケートな)質問」
- delicate negotiations → 「難航する(デリケートな)交渉」
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語 “delicatus” → 「優美な」「上品な」「壊れやすい」
- 中世フランス語 “délicat” などを経て現在の英語“delicate”に至りました。
ニュアンス
- 「壊れやすさ」「微妙さ」を含むため、非常に大切に扱う必要がある、または配慮・気遣いが必要な状況を示す場合が多いです。
- 口語では「(感情などが)繊細な」「デリケートな」のように、心理的な話題に使われることもあります。
- フォーマル・カジュアルどちらでも使えますが、「美しさ」「上品さ」を強調したいときにはややフォーマルに、「気を遣う必要がある」と伝えたいときにはカジュアルにも使えます。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞として名詞を修飾する際に使われます。
- 基本的には可算名詞・不可算名詞どちらも修飾できますが、具体物にも抽象概念にも使える柔軟な形容詞です。
- “be delicate to + 動詞” のような形で、「〜するのが慎重を要する」と表現することもあります(ただし文脈によってはややフォーマル感があります)。
イディオム・構文例
- “handle (something/someone) with care because it is delicate”
→ 「壊れやすい(または気を遣うべき)ため、注意して扱う」 - “(It’s) a delicate matter to discuss.”
→ 「話すには気を遣うべき問題だ。」
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “Please don't touch that vase; it's very delicate.”
(その花瓶に触らないでね。とても壊れやすいの。) - “I have a delicate stomach, so I can’t eat spicy food.”
(私は胃が弱いから、辛いものは食べられないの。) - “She's sewing a delicate pattern by hand.”
(彼女はとても繊細な模様を手縫いしているの。)
ビジネスでの例文
- “We need to approach this negotiation with a delicate touch.”
(この交渉には慎重なアプローチが必要です。) - “The software update requires a delicate balance between usability and security.”
(このソフトウェアのアップデートでは、使いやすさとセキュリティのバランスが重要です。) - “Handling employee feedback can be a delicate task.”
(従業員の意見を扱うのは、扱いが難しい仕事になることがあります。)
学術的・専門的な場面での例文
- “The experiment demonstrates how delicate the chemical reactions can be under extreme conditions.”
(その実験は、極端な条件下で化学反応がいかに繊細になり得るかを示している。) - “Preserving such ancient manuscripts requires delicate techniques and controlled environments.”
(このような古文書を保存するには、繊細な技術と管理された環境が必要です。) - “In anthropology, studying a tribe's customs can be a delicate process that demands respect.”
(人類学では、部族の慣習を研究する行為には敬意を伴う慎重さが求められる。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- fragile(壊れやすい)
- 「物理的に壊れやすい」ニュアンスが強い
- 例: “This glass is very fragile.”
- 「物理的に壊れやすい」ニュアンスが強い
- sensitive(敏感な、繊細な)
- 「感情的な繊細さ」「感度の高さ」などで使われる
- 例: “Be careful; he’s very sensitive about that topic.”
- 「感情的な繊細さ」「感度の高さ」などで使われる
- subtle(微妙な)
- 「かすか」「とらえにくい」ニュアンス
- 例: “There's a subtle difference between these two flavors.”
- 「かすか」「とらえにくい」ニュアンス
反意語
- sturdy(頑丈な、丈夫な)
- “sturdy”は「壊れにくい」「屈強な」という意味で“delicate”と正反対です。
- “sturdy”は「壊れにくい」「屈強な」という意味で“delicate”と正反対です。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- アメリカ英語: /ˈdɛl.ɪ.kət/
- イギリス英語: /ˈdel.ɪ.kət/
- アメリカ英語: /ˈdɛl.ɪ.kət/
アクセント: 頭の “del-” に強勢があります (DEL-i-kət)。
よくある間違い: “delicate” の最後を「デリケート」と読んでしまう学習者がいますが、英語では「テ」より「カット」に近い音で終わります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス → “delicate” の “i” と “a” の位置を間違えて “delicete” や “delicete” としてしまう。
- 「微妙」というニュアンスを伝えるときに、日本語の「デリケート」をそのまま当てはめると誤解を与えることがある。
- 例: “delicate problem” は丁寧に扱うべき問題を表し、必ずしも「生々しい」などの意味ではない。
- 例: “delicate problem” は丁寧に扱うべき問題を表し、必ずしも「生々しい」などの意味ではない。
- 試験対策での出題例
- TOIECや英検などでは「delicate negotiations」「delicate situations」など、注意深い対応が必要な文脈で頻出しやすいです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “delicate” = “ deli + cate ” のイメージで覚えるとよいかもしれません。 “deli”(デリ)から想起できるような、繊細でこだわった高級食材や味わいのイメージと繋げると覚えやすいです。
- 「壊れやすい、気を遣う必要がある」という場面のイメージをあわせて訓練すると、自然に使い分けられます。
- スペリングのポイントは “d-e-l-i” + “c-a-t-e”。優雅で繊細な単語だと意識しましょう。
以上が形容詞“delicate”の詳細な解説です。幅広い文脈で使える、繊細さや注意深さを表現する便利な単語です。例文やコロケーションを通して、ぜひ使いこなしてください。
意味のイメージ
意味(1)
(形状・感触などが)繊細な,精巧な,きめの細かい
意味(2)
(におい・色などが)柔らかい,うすい
意味(3)
(ガラス器具などが)壊れやすい
意味(4)
(門題などの取扱いが)微妙な,むずかしい
意味(5)
(技術などが)精密な,高度の;(形器などが)敏感な
意味(6)
(対人的に)神経の細かい
意味(7)
(身体が)か弱い(frail),きゃしゃな