元となった辞書の項目
erase
解説
1. 基本情報と概要
単語: erase
品詞: 動詞 (一般動詞)
意味(英語): to remove something written, recorded, or otherwise stored.
意味(日本語): (書かれたものや記録されたものなどを)消す、消去する、削除する。
「書いた文字を消したり、データを消したりするときに使う動詞です。“消しゴムで消す” から “データを削除する” まで幅広く使われ、物理的にも抽象的にも “消してなくす” というニュアンスがあります。」
活用形
- 現在形: erase
- 過去形: erased
- 過去分詞形: erased
- 現在分詞形/動名詞形: erasing
他の品詞形
- 形容詞形はありませんが、同根語として「eraser (名詞)」=「消しゴム」があります。
CEFRレベルの目安
- B1(中級)
「日常的なやり取りや文章で、”消す”という動作を表さねばならない場面がわりと出てくるため、中級レベルの単語と考えられます。」
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭辞 e- はラテン語の ex-(外へ)に由来する形が変化したものといわれ、
- 語幹 ras はラテン語の radere(削る)に由来します。
「つまり、ラテン語で “外へ削る” という意味から、“書かれたものを削り取って消す” というニュアンスに発展しました。」
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- erase a mistake(ミスを消す)
- erase data(データを消す)
- erase a message(メッセージを削除する)
- erase a file(ファイルを消す)
- erase your memory of ~(〜の記憶を消す)
- erase an image(イメージを消去する)
- completely erase(完全に消す)
- quickly erase(素早く消す)
- erase all evidence(証拠をすべて消す)
- erase from existence(存在から抹消する)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語 “ērāsus” (ērādere = 削り取る) を語源とし、古くは紙に書かれた文字を “こすって取り除く” という物理的な意味合いを持っていました。
ニュアンス・使用時の注意
- 物理的な消去: 「鉛筆や黒板に書いたものを消す」など、表面をこすって消すイメージ。
- データや情報の削除: 「電子的な記録物を削除する」意味でも広く用いられる。
- 抽象的な使い方: 「記憶や存在を消し去る」「負のイメージを取り除く」など比喩的表現にも使われる。
- 口語でも文章でも比較的幅広く使われるが、フォーマル感は低め。ビジネス文書でもデータの削除や記録の抹消を指すときに使われる。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞 (Transitive verb): 「何を消すのか(目的語)が必要」
例: “I erased the board.” (私は黒板を消した)。 - 目的語に モノでもデータでも抽象概念でも OK
例: “He erased old files.” (彼は古いファイルを消した)。 - イディオムや構文:
- “erase from (one’s) memory” … 記憶から消す
- “erase traces of ~” … 〜の痕跡を消す
- “erase from (one’s) memory” … 記憶から消す
5. 実例と例文
日常会話での例文 (3つ)
- “Could you erase the notes on the whiteboard?”
(ホワイトボードのメモを消してくれますか?) - “I accidentally erased my phone contacts.”
(誤って携帯の連絡先を消してしまった。) - “Make sure to erase any pencil marks before handing in your test.”
(テストを出す前に鉛筆の書き込みを消しておいてね。)
ビジネスシーンでの例文 (3つ)
- “Please erase all personal data from these devices before disposal.”
(処分する前に、これらのデバイスから個人データをすべて消去してください。) - “We need to erase any outdated information in the files.”
(ファイル内の古い情報はすべて消去する必要があります。) - “The IT department will erase all servers that are no longer in use.”
(IT部門が、使用されなくなったサーバーをすべて消去する予定です。)
学術的・専門的な文脈での例文 (3つ)
- “Researchers aim to erase the stigma associated with mental health issues.”
(研究者たちは、メンタルヘルス問題にまつわるスティグマを取り除くことを目指している。) - “A high-voltage discharge can erase data stored in certain memory chips.”
(高電圧放電によって、一部のメモリチップに記録されたデータは消去され得る。) - “Attempts to erase historical facts often lead to controversy.”
(歴史的事実を抹消しようとする試みは、しばしば議論を引き起こす。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- delete(削除する)
- データや文章の一部分などを取り除くときによく使われる。
- データや文章の一部分などを取り除くときによく使われる。
- remove(取り除く)
- 広範囲に使われる一般的な意味。「移す」「除去する」の意も強い。
- 広範囲に使われる一般的な意味。「移す」「除去する」の意も強い。
- wipe out(完全に消し去る)
- 「一気に、壊滅的に取り除く」ニュアンス。口語的。
- 「一気に、壊滅的に取り除く」ニュアンス。口語的。
- obliterate(痕跡を消す、跡形もなくする)
- より強い表現。フォーマル/文学的。
- より強い表現。フォーマル/文学的。
- expunge(記録を抹消する)
- 法的・公式な文書から削除するニュアンス。ややフォーマル。
反意語 (Antonyms)
- write(書く): 書きこむ行為
- record(記録する): 新しくデータを残す行為
「erase は “書かれた・記録されたものを消す” イメージなので、これらが反対の動作となります。」
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA:
- アメリカ英語: /ɪˈreɪs/
- イギリス英語: /ɪˈreɪz/
- アメリカ英語: /ɪˈreɪs/
- アクセント位置: 第2音節の「-rase/-raze」にアクセント。
- よくある間違い: 末尾の音が米英で異なり、米では “s” の音 (/s/)、英では “z” の音 (/z/) となる場合が多いなど、発音が微妙に変わる。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「earse」「erace」などと書き間違えないように注意。
- “erase” vs. “delete”: 「erase」は物理的に消すイメージにも使える一方、「delete」は主にデータや文章などデジタル・テキスト要素を消す場合が多い傾向。
- 同音異義語: 基本的に “erase” と同音異義語はありませんが、発音の似ている単語 “arise” /əˈraɪz/ などと聞き間違えないように注意。
- 試験対策: TOEIC や英検などのリスニングで発音の違いに注意。本文中では “erase the data” を “raised the data?” と聞き間違えることもまれにあるので注意。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- スペリングの覚え方: 「e + rase (ラテン語由来の ‘削る’) ⇒ “削る” = 消す」というイメージで覚える。
- イメージ連想: 黒板消しを使って文字をこすって消す様子を思い浮かべると「erase=消す」として記憶しやすい。
- 勉強テクニック: 「eraser (消しゴム)」と対で覚えれば、つづり “erase + r” で “eraser” になるので両方とも覚えやすいです。
「erase」は日常生活からビジネス、学術的な場面まで幅広く使える便利な動詞です。物や情報、そして抽象的なものまで「消す」というニュアンスの表現として活用してみましょう。
意味のイメージ
意味(1)
(…から)〈文字など〉‘を'ふいて消す,削除する,取り消す《+名+from+名》
意味(2)
…‘の'文字(絵など)を消す
意味(3)
(記憶などから)…‘を'消し去る,ぬぐい去る《+名+from+名》