occupy
1. 基本情報と概要
意味
- 英語: “occupy”
- 日本語: 「(場所・時間・地位などを)占める」「(場所を)占拠する」「(人や物が空間を)埋める」などの意味があります。
例えば「場所や時間を埋める」「軍隊が土地を占拠する」「自分が手一杯の状態になる」というようなイメージで使われます。
「occupy」は「他のものが入らないように何かを埋めたり支配したりする」というニュアンスが強い単語です。誰かが「席を占める」,「時間を占める」,「建物を占拠する」などの状況で使われることが多いです。
品詞と活用
- 品詞: 動詞 (他動詞)
- 活用形:
- 原形: occupy
- 三人称単数現在形: occupies
- 現在分詞/動名詞: occupying
- 過去形/過去分詞: occupied
- 原形: occupy
他の品詞形
- occupation(名詞): 「職業」「占拠」「占用」
- occupied(形容詞): 「使用中の」「占拠された」「忙しい」
- occupant(名詞): 「居住者」「占有者」
CEFRレベルの目安
- B2(中上級): 日常会話でも仕事でもよく使うが、抽象的な文脈(政治や社会運動、比喩的な使い方など)でしっかり使いこなそうとすると中上級程度の語彙力が必要。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語: 「oc-」は 「ob-(〜に向かって)」の変形とされることが多いです。
- 語幹: 「-cup-」はラテン語の “capere”(つかむ、手に取る)に由来し、「占める」「奪う・取る」といった意味を含みます。
- 接尾語: 「-y」は動詞を作る際の一種の接尾辞的変化として見ることもできます。
つまり、「何かを取って自分のものにする、埋める」というニュアンスが含まれています。
関連する派生語や類縁語
- occupation: 上記のとおり「職業」「占領」「占拠」
- occupant: 「居住者」「占有者」
- occupational: 「職業の」「業務上の」
- unoccupied: 「空いている」「使用されていない」
10個のよく使われるコロケーション
- occupy a position – (ある)地位・ポジションを占める
- occupy space – 空間を占める
- occupy a seat – 席を占める
- occupy one’s mind/thoughts – (人)の頭の中を占める・思考を支配する
- occupy oneself with ~ – (自分自身が)〜に没頭する
- occupy an area – (ある)地域を占拠する
- occupy a building – 建物を占拠する
- be occupied in (doing) ~ – 〜に従事している・忙しい
- occupy a large portion – 大部分を占める
- occupy the time – 時間を埋める・費やす
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の “occupare” = 「先に取る、つかむ」 → 次第に「場所を占める」「職務や地位を占有する」という意味に発展。
- 中英語を経て、現代英語の “occupy” に至る。
微妙なニュアンス・使用時の注意点
- 軍事的に「占領する」という意味合いでも使われるので、文脈によってはかなり強い表現(政治や社会運動関連など)。
- 日常会話では「場所を使う」「時間をとる」「頭を悩ませる」などにも広く使える。
口語と文章・カジュアルかフォーマルか
- 「occupy」はフォーマルにもカジュアルにも使えますが、強い意味を持つ(占拠・支配)文脈では、政治的・社会的・軍事的文脈向けの文章表現になりがちです。
- 日常的にも「I’m occupied now.(今手が離せない)」のようにカジュアルに使うことがあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞: 「occupy + 目的語」の形をとる(例:occupy a seat)。
- 受動態: 「be occupied (with/in/by)」で「〜に占められる」「〜で忙しい」の形。
- 「occupy oneself (in/with 〜)」: 「〜に没頭する」という反射的な構造もよく使われます。
イディオム・一般的な構文
be occupied with ~
- 「〜で忙しい、手いっぱい」
例) I am occupied with this project.
- 「〜で忙しい、手いっぱい」
occupy oneself with/in ~
- 「〜に没頭する、専念する」
例) She occupied herself with reading all day.
- 「〜に没頭する、専念する」
occupy a seat/position
- 「席や地位を占める」
- 「席や地位を占める」
occupy someone’s thoughts
- 「人の思考を占める、頭から離れない」
- 「人の思考を占める、頭から離れない」
5. 実例と例文
日常会話での例文
“I’m sorry, this seat is already occupied.”
- 「すみません、この席はすでに使われています。」
“Could you occupy the kids for a moment while I make dinner?”
- 「夕食を作っている間、子どもたちの相手をしてくれない?」
“I was so occupied with homework that I forgot to call you.”
- 「宿題にかかりきりで、あなたに電話するのを忘れてたよ。」
ビジネスでの例文
“We currently occupy the third floor of the building for our operations.”
- 「弊社は現在、この建物の3階を事業拠点として利用しています。」
“His role will occupy a central position in the new project.”
- 「彼の役割は新プロジェクトの中心的ポジションを占めることになるでしょう。」
“I’m fully occupied with the audit process this month.”
- 「今月は監査作業で手一杯です。」
学術的・フォーマルな文脈での例文
“The troops occupied the territory following the treaty.”
- 「軍隊はその条約に続いて、その地域を占領した。」
“This debate has occupied scholars’ attention for decades.”
- 「この議論は何十年も学者たちの関心を引いてきた。」
“Several species occupy the same ecological niche, leading to competition.”
- 「複数の種が同じ生態的地位を占めることで、競合が生じます。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- take up(〜をとる/占める)
- 日常レベルで「空間や時間を占める」ときによく使う。ニュアンスは比較的カジュアル。
- 日常レベルで「空間や時間を占める」ときによく使う。ニュアンスは比較的カジュアル。
- fill(満たす、埋める)
- 物理的な空間を埋める、書類に記入するなど幅広い意味。
- 物理的な空間を埋める、書類に記入するなど幅広い意味。
- inhabit(住む)
- 主に人や動植物が「生息する、住む」。場所を物理的に支配というよりは「暮らす」ニュアンス。
- 主に人や動植物が「生息する、住む」。場所を物理的に支配というよりは「暮らす」ニュアンス。
- engage(従事する)
- ある活動や事柄に専念・従事している意味を強調する。
- ある活動や事柄に専念・従事している意味を強調する。
- hold(保持する)
- 場所としてはやや古風なイメージもあるが、同様に「占める・保有する」という意味。
反意語(Antonyms)
- vacate(空ける、退去する)
- abandon(放棄する)
- leave(去る、残していく)
いずれも「占める」状態をやめるニュアンスがある単語です。
7. 発音とアクセントの特徴
IPA:
- 英英(イギリス英語): /ˈɒkjʊpaɪ/
- アクセントは第1音節 “oc-” にあります。
- “o” が「オ」のように発音される(イギリス英語では短めの [ɒ])。
- 米英(アメリカ英語): /ˈɑːkjəpaɪ/
- “o” の部分がやや「アー」に近い音 [ɑː]。
- 英英(イギリス英語): /ˈɒkjʊpaɪ/
よくある発音の間違い:
- “oc” の部分を「オッ」ではなく “アッ” と曖昧にすると不自然に聞こえることがあります。
- “py” を「パイ」ではなく「ピィ」と弱く発音してしまうミスに注意。
- “oc” の部分を「オッ」ではなく “アッ” と曖昧にすると不自然に聞こえることがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「ocupy」「ocupy」など、cが一つ抜けたり、pやyが抜けたりしやすい。
- 同音異義語との混同: 同音異義語はあまりありませんが、“occipital(後頭部の)” などまったく別の単語と混同しないように。
- TOEIC・英検など試験対策: ビジネス文書やニュースなどで「occupy the position」「be occupied with tasks」などの形でしばしば出題されます。特に社会的・政治的文脈(例:抗議活動や軍事的占領など)での用法がリーディング文章に出ることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ: ラテン語の “capere” =「つかむ」が元 → 「手に取って場所を占める」。
- 語源で覚える: “oc-” + “capere” → 「向かって + つかむ」→「先に取って場所を埋める」。
- 勉強テクニック: 「occupied / occupation / occupant」のセットで覚えると記憶しやすい。特に「occupation」が「職業」と「占領」の両義を持つ点が印象に残り、どちらも「場所を取る」イメージと関連づけると覚えやすい。
以上が「occupy」の詳細な解説になります。使い方や文脈によっては強い意味合いを伴うこともある単語ですが、日常的にも「時間や場所を埋める」という軽めのニュアンスでよく使われる便利な動詞です。
〈地位〉‘を'占める
〈軍隊〉…‘を'占領する,占拒する
(ある時間)…‘に'居る
《受動態で,またはoneselfを目的にして》(…で)〈人〉‘の'時間をとる,‘を'手いっぱいにさせる《+名+by(with, in)+名(do*ing*)》
〈場所・空間〉‘を'占める,ふさぐ;〈時間〉‘を'とる,占める