pour
《副詞[句]を伴って》〈液体〉‘を'注ぐ,つぐ,流す / (…に)…‘を'注ぎかける,溶びせる,〈努力など〉‘を'注ぐ《+out(forth)+名,+名+out(forth)》 / 《副詞[句]を伴って》〈水・煙などが〉流れる;《比喩(ひゆ)的に》〈人・物が〉流れ出る / 〈雨が〉激しく降る《+down》 / 《話》(レセプションなどで)〈婦人が〉お茶(コーヒーなど)をつぐ,接待役をする / どしゃ降り
以下では、英単語 pour
について、学習者が理解しやすいように9つの観点から解説します。
1. 基本情報と概要
・単語
pour
・品詞
動詞 (verb)
・意味(英語・日本語)
- 英語: to cause (a liquid) to flow from a container in a steady stream
- 日本語: 液体を容器などから一定の流れで注ぐ
「コップに水を注ぐ」といった動作でよく使われる、とても日常的な単語です。「pour」はコーヒーやお茶などの飲み物を誰かに注ぐイメージでも、雨がどしゃ降りになる様子にも使われたりします。
・活用形
- 原形: pour
- 三人称単数現在形: pours
- 現在分詞: pouring
- 過去形: poured
- 過去分詞: poured
・他の品詞への派生例
- 名詞形 (pouring): 建設や料理などの文脈で「注ぐ行為」自体を指す場合に使われることがあります。
例) “The pouring of concrete took three hours.”(コンクリートの注入作業に3時間かかった。)
・CEFRレベルの目安
A2(初級)
「日常生活でよく使われる動作を表す動詞で、基本的なコミュニケーションで登場する語彙」としてはA2レベルくらいの単語といえます。
2. 語構成と詳細な意味
「pour」は接頭語・接尾語を特に含まない動詞ですが、以下のような派生語や関連表現があります。
・派生語や類縁語
- pourable (形容詞): “注げる、注ぎやすい”
- poured (形容詞): “注がれた”
- pouring (名詞・形容詞): “注いでいる状態、どしゃ降りの” など
・よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- pour water (水を注ぐ)
- pour coffee (コーヒーを注ぐ)
- pour tea (お茶を注ぐ)
- pour wine (ワインを注ぐ)
- pour sauce (ソースをかける)
- pour in/into a container (容器に注ぎ入れる)
- pour out (注ぎ出す、流れ出る)
- pour down (雨などが激しく降る)
- pour one’s heart out (思いの丈を吐き出す)
- pour money into something (〜に多額のお金を投入する)
3. 語源とニュアンス
・語源
“pour” は古フランス語のの “pourer” に由来し、“流す”や“注ぐ”といった行為を表す言葉でした。現在も「液体を注ぐ」という基本的な意味をメインに使われています。
・使用上のニュアンスや注意点
- カジュアルかつ日常生活で使われる動詞ですが、ビジネス文書でも「注ぐ」「資金投入する」という少し比喩的な意味で使われることがあります。
- “It’s pouring outside.” のように、「雨がどしゃ降り」の表現でもよく使われます。
・口語/文語、カジュアル/フォーマル
- “pour” 自体は口語・文語の両方で自然に使える単語です。
- 「液体を注ぐ」という直接的な意味から、「思いの丈を注ぎ込む」という比喩的な使い方まで、幅広い文脈で利用できます。
4. 文法的な特徴と構文
・一般的な構文
pour + 目的語
例: “I poured the tea into the cup.” (私はカップにお茶を注ぎました)
→ 他動詞として使われるpour + 副詞(句)
例: “I poured carefully.” (慎重に注いだ)
→ 状態を修飾It pours. / It’s pouring. (雨が激しく降っている)
→ 天気を表すときには自動詞的にも使われる(“to pour”=「どしゃ降りになる」)。
・可算/不可算・他動詞/自動詞の使い分け
- “pour” は基本的に他動詞で「液体を注ぐ対象」が必要です。
- “It’s pouring (down)” のように、天候を表すときは主語として “it” を用い、自動詞的に使います。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “Could you pour me some coffee?”
(コーヒーを注いでもらえますか?) - “I’ll pour a glass of water for you.”
(あなたのために水を注ぎますね。) - “Don’t pour too much milk in my tea, please.”
(私のお茶にミルクを入れすぎないでね。)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “We decided to pour more resources into the project.”
(私たちはプロジェクトにより多くのリソースを投入することを決定しました。) - “The company has been pouring millions into research and development.”
(その会社は何百万ドルもの資金を研究開発に注ぎ込んでいます。) - “If we pour our efforts into improving customer satisfaction, we’ll see better results.”
(顧客満足度の向上に力を注げば、もっといい結果が得られます。)
学術的/フォーマルな例文(3つ)
- “Please pour the solution into the beaker slowly to avoid splashing.”
(液が飛び散らないよう、ゆっくりとビーカーに溶液を注いでください。) - “Volunteers poured their time and energy into community development.”
(ボランティアの人々は地域開発に時間とエネルギーを注ぎ込みました。) - “The government poured financial aid into disaster-stricken areas.”
(政府は被災地に財政支援を注ぎ込みました。)
6. 類義語・反意語と比較
・類義語
“fill”(満たす)
- 意味: 容器に液体・物を入れていっぱいにする。
- 違い: “pour” は「こぼれ落ちる流れ」を強調しており、注ぎ方を意識する。 一方、“fill” は容器の中身が「いっぱいになる」ことを焦点にしている。
- 意味: 容器に液体・物を入れていっぱいにする。
“spill”(こぼす)
- 意味: 意図せず液体をこぼしてしまう。
- 違い: こちらは「意識せずこぼれてしまう」ニュアンス。 “pour” は意図的に注ぐ動作。
- 意味: 意図せず液体をこぼしてしまう。
“tip” (少し傾けて注ぐ)
- 意味: 容器を少し傾けて中のものを移動させる。
- 違い: “pour” より軽く傾けるイメージだが、同じように液体を動かす意味は共通。
- 意味: 容器を少し傾けて中のものを移動させる。
・反意語
- (直接的な反意語はありませんが) “absorb”(吸収する)や “soak up”(吸い上げる)など、液体を「入れる」の反対のイメージがあります。
7. 発音とアクセントの特徴
・発音記号(IPA)
- アメリカ英語: /pɔːr/ または /pɔr/
- イギリス英語: /pɔː/
・強勢(アクセント)
- “pour” は1音節の単語なので、音節の中で強勢が置かれます。
・アメリカ英語とイギリス英語の違い
- イギリス英語では「ポー (paw)」のように聞こえることが多いです。
- アメリカ英語では“r” がはっきり発音されるので「ポー(r)」という響きになります。
・よくある発音ミス
- “poor” (/pʊər/ /pɔːr/) や “paw” (/pɔː/) との混同。スペルは似ていますが意味が変わるので注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “pore” や “poor” と間違える場合が多いので注意。
- 同音異義語: “pore” (毛穴、または熟読する) は発音が同じになる場合がありますが、スペルも意味も違います。
- 使い方の誤用: “pour” は「液体を注ぐ」動作に使われるのが基本ですが、「注ぐように大量に与える/放出する」という比喩表現でも使えることを覚えておくと便利です。
- 試験出題: TOEICや英検のリスニング・リーディングで、「雨が降る」「リソースを投入する」など文脈によって意味が変わる点が問われることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語感ヒント: 「ポー(r)」という響き、カップにティーを注ぐポットのイメージを頭に浮かべると覚えやすいです。
- スペリング上のコツ: “p + our (私たちの)” と分解して、私たち(our)に対して何かを“p” (pour) するイメージで覚える、など語呂合わせも効果的です。
- 実際に「pour」の動作をしながら発音の練習をすると、身体感覚と結びついて長く記憶に残ります。
以上が、動詞 “pour” の詳細な解説です。液体の注ぐ動作から派生して「大量に投入する」という比喩的表現にも使われ、市販の料理本からビジネスレポートまで、幅広いシーンで目にする重要単語ですので、ぜひ覚えて活用してください。
《副詞[句]を伴って》〈液体〉‘を'注ぐ,つぐ,流す
《副詞[句]を伴って》〈水・煙などが〉流れる;《比喩(ひゆ)的に》〈人・物が〉流れ出る
〈雨が〉激しく降る《+down》
《話》(レセプションなどで)〈婦人が〉お茶(コーヒーなど)をつぐ,接待役をする
どしゃ降り
(…に)…‘を'注ぎかける,溶びせる,〈努力など〉‘を'注ぐ《+out(forth*)+名,+名+out(forth*)》