owe
1. 基本情報と概要
単語: owe
品詞: 動詞 (Verb)
英語の意味:
「to have an obligation to pay or repay someone in return for something received」
(お金やサービスなど、何かを受け取った・借りた相手に対して“返さなければいけない義務がある”という意味)
日本語の意味:
「〜に(お金や恩などを)借りがある」「〜のおかげである」というニュアンスで使われます。
「誰かに借金をしている状態や、誰かに恩義を感じている状態」を表現するときによく使います。他に、「成功は〜のおかげだ」「〜に対して負い目がある」という場合にも使われます。
活用形:
- 原形: owe
- 過去形: owed
- 過去分詞: owed
- 現在分詞/動名詞: owing
他の品詞形:
- 直接的な派生は少ないですが、前置詞句「owing to ~」は「~が原因で」「~のおかげで」という意味の接続的な表現として使われます。
CEFRレベル:
B1 (中級)
→ 日常会話でもよく登場し、借金や義務など、やや抽象的な概念も含むため、初級よりは少し進んだ段階の学習者が扱う単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- owe は英語の古形から受け継がれた動詞で、はっきりとした接頭語・接尾語はありません。
関連や派生表現
- 「owing to ~」: 「~のために」「~の結果として」(because of, due to)
- 「owe A to B」: 「AはBのおかげである」「AはBに借りている」
よく使われるコロケーション・共起表現(10個)
- owe money (お金を借りている)
- owe a debt (借金がある)
- owe someone an apology (誰かに謝罪の義務がある)
- owe someone a favor (誰かに恩を返さなければならない)
- owe gratitude (感謝の念を抱いている)
- owe allegiance (忠誠を誓う義務がある)
- owe back taxes (未納の税金を支払わなければならない)
- owe it to myself (自分のために(そうすべきだ))
- owe your success to someone (成功は〜のおかげだ)
- owe everything (すべてを~に負っている)
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語の “āgan” が語源とされています。
- 元々は「所有する(to possess)」という意味から派生し、「義務がある」という意味へと広がりました。
ニュアンス
- 「相手に対し責務や負い目がある」というニュアンスが強いです。特に感謝や謝罪なども同様に「相手に返すべきものがある」というイメージになります。
- 口語・文章どちらでも使われます。カジュアルにもフォーマルにも使えます。
使用時の注意点
- お金や物的な借り以外に、抽象的な「恩義」や「感謝」のような負い目にも同じ語が使われる点がポイントです。
4. 文法的な特徴と構文
他動詞 (transitive verb) の使い方: “owe someone something” や “owe something to someone” の形をとります。
例: I owe him 10 dollars. / I owe 10 dollars to him.「owing to + 名詞/句」: 「〜のために」「〜が原因で」の意味を表す表現です。
例: Owing to bad weather, the flight was canceled.イディオム/固定表現:
- “owe it to oneself” → 「(自分のために)そうすべきだ、そうする義務がある」
- “owe a large sum of money” → 「大金を借りている」
- “owe it to oneself” → 「(自分のために)そうすべきだ、そうする義務がある」
使用シーン
- フォーマル / カジュアル 両方で使われる。ビジネス文書・カジュアル会話・公式な場面、いずれもOK。
5. 実例と例文
日常会話での例 (カジュアル)
- “I still owe you 20 bucks for dinner last week.”
「先週の夕食代、まだ20ドル借りてるよ。」 - “You owe me an explanation for what happened!”
「何が起きたか説明してくれないと困るよ!」 - “I owe my parents a huge debt of gratitude.”
「両親にはとても感謝してもしきれないくらいの借りがある。」
ビジネスシーンでの例 (ややフォーマル)
- “Our company owes a significant amount to several suppliers.”
「我が社はいくつかの仕入れ先に対してかなりの金額を支払う義務があります。」 - “He owes his recent promotion to his consistent performance.”
「彼が最近昇進できたのは、安定した実績のおかげです。」 - “We still owe the balance of the invoice by the end of this month.”
「請求書の残高は今月末までに支払わなければなりません。」
学術的・フォーマルな文脈
- “Many researchers owe their foundational theories to earlier scientific pioneers.”
「多くの研究者は、先人の科学者たちの先駆的理論に多くを負っています。」 - “The success of the project owes much to the collaborative efforts across multiple departments.”
「このプロジェクトの成功は、多部門にわたる協力のおかげだった。」 - “Students often owe their understanding of advanced concepts to comprehensive preliminary studies.”
「学生はしばしば、高度な概念の理解を、包括的な予備学習に負っている。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- be indebted to (~に借りがある)
- “I’m indebted to him for his support.” (彼の支援にとても感謝している)
- 「owe」とほぼ同義で、ややフォーマルな響き。
- “I’m indebted to him for his support.” (彼の支援にとても感謝している)
- be obligated to (義務がある)
- 借金や恩義に限らず社会的・道徳的義務にも使う。
- 借金や恩義に限らず社会的・道徳的義務にも使う。
- have to pay back (返済義務がある)
- 具体的に金銭を返す場合に使われがち。
- 具体的に金銭を返す場合に使われがち。
反意語 (Antonyms)
- repay (返済する)
- settle (決済する)
- clear (清算する)
「owe」は、まだ返していないものがある状態を表すが、反対に「repay, settle, clear」は返済を完了するニュアンスを表します。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA):
- アメリカ英語: /oʊ/
- イギリス英語: /əʊ/
- アメリカ英語: /oʊ/
アクセントの位置:
- 単音節語のため、特別な強勢の位置はありません。
- 単音節語のため、特別な強勢の位置はありません。
よくある発音ミス:
- “ow” と似た綴りを “アウ” のように発音してしまう場合があるので注意。英語では「~オウ」と伸ばすイメージです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 綴りの間違い: “owe” と “own” (所有する) を混同しないように注意。「-n」と「-e」の違い。
- 同音異義語との混同: “oh” (ああ) とは綴りが似ていて違う。
- 試験対策: TOEICや英検でも「支払う義務がある」という文脈や「owing to ~」を原因・理由として出題される場合があります。
- お金以外の文脈 (感謝・義理・恩、等) でも使われる点が狙われることも。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「owe」を「おー(Oh)」と伸ばして発音すると、「何かを返さないといけない!」と思い出しやすいかも。
- 語源が「own (所有する)」に近いところから来ていて、ある意味「誰かが所有しているものを借りている! → 返さないといけない!」というイメージ。
- 日常会話で「I owe you one. (借りができた。今度返すよ)」とカジュアルに言うフレーズも覚えておくと便利です。
以上が、動詞「owe」の詳細な解説です。借りがある状態を表すだけでなく、「すべてがあなたのおかげです」という感謝や理由を示すときにも使える便利な単語ですので、ぜひ実際の場面でも活用してみてください。
…‘を'借りている,借金している
…‘を'与える義務がある
(…に対して)借りがある,借金をしている《+for+名》
…‘の'おかげをこうむっている