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rather
解説
以下では、英単語「rather」の詳細を、できるだけわかりやすく解説します。
1. 基本情報と概要
単語: rather
品詞: 副詞 (adverb)
意味(英語): somewhat, to a certain extent, more willingly, or preferably
意味(日本語): 「やや」「かなり」「むしろ」「どちらかというと」「いっそ」など
「rather」は「少し」「かなり」など程度を表すときや、「むしろ〜したい」などの好みや意志を表すときに使われる副詞です。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われ、ニュアンスとしては「少し強めに 'ちょっと〜だ' 」という感じを伝えたいときにも便利な言葉です。
活用形
- 副詞のため、名詞のような複数形や動詞のような時制変化はありません。
- ただし「would rather」という定型的表現や、「rather than」という構文としてもよく使われます。
他の品詞形
- 「rather」はもともと副詞ですが、動詞や名詞としての派生形は一般的には存在しません。
- 「would rather + 動詞の原形」=「むしろ〜したい」という表現(助動詞+副詞+動詞原形の構造)で用いられます。
CEFRレベル
- B2(中上級): 英文記事や英会話などで幅広く接する単語です。比較的高頻度で出てくるため、文脈に合わせた使い方を理解しておくと、自分の意思や度合い、好みを自然に表現できます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「rather」は特別に目立つ接頭語や接尾語を持たない単語です。語源的には古英語の “hræther”や “rath” から派生したとされ、「早い、早期の」といった意味合いが変化して現在の「むしろ」「どちらかといえば」といったニュアンスを持つようになりました。
詳細な意味と使い方
- 程度を表す: “somewhat”や“quite”に近い意味で、「やや」「かなり」「ちょっと」といった程度を強調する。
例) “It’s rather cold today.”(今日はかなり寒い。) - 好み・選択を表す: “would rather”で「〜する方がいい、むしろ〜したい」と自分の好みや意志を示す。
例) “I’d rather stay home.”(私はむしろ家にいたい。) - 言い直し・微調整を表す: 「or rather」などで言い直すときに使われる。
例) “He was angry, or rather, disappointed.”(彼は怒っていた…いや、むしろ失望していた。)
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- rather cold(やや寒い)
- rather difficult(かなり難しい)
- rather tricky(ちょっとやっかいな)
- rather unusual(やや珍しい)
- rather expensive(やや高価な)
- would rather do(むしろ〜したい)
- rather than do(〜するよりむしろ)
- rather a lot(かなりの量)
- or rather(つまり…正しくは)
- rather good(けっこう良い)
3. 語源とニュアンス
「rather」は、古英語の “hræther,” “rath” から来ており、元々は「早い」「迅速な」を意味していました。その後、時間的に「早く選びたい」「むしろ選びたい」など、好みを示すニュアンスに派生していきました。
- ニュアンス・使用時の注意
- 「rather」は「少し強い 'ちょっと' 」のような響きを持つため、カジュアルな会話でもビジネスの場でも比較的使いやすい語です。
- ただし、「I would rather not 〜」のように否定形で使うと、意志をはっきり伝えるので、場合によってはややきっぱりした印象を与えることもあります。
- 「or rather」と表現すると、言い直しをしたり、「正確に言うと〜だ」という修正ニュアンスで使われます。
- 「rather」は「少し強い 'ちょっと' 」のような響きを持つため、カジュアルな会話でもビジネスの場でも比較的使いやすい語です。
4. 文法的な特徴と構文
- “would rather + 動詞の原形”
- 例) “I’d rather go home now.”(むしろ今家に帰りたいです。)
- カジュアルからフォーマルまで幅広く使われる定番表現。
- 例) “I’d rather go home now.”(むしろ今家に帰りたいです。)
- “rather than + 動詞の原形 / 名詞”
- 例) “I’ll email you rather than call.”(電話するよりむしろメールします。)
- 二つの行為や選択肢を比較し、「こちらの方を選ぶ」というニュアンス。
- 例) “I’ll email you rather than call.”(電話するよりむしろメールします。)
- 文頭や文中で強調の副詞として
- 例) “It’s rather hot outside.”(外はかなり暑い。)
- 程度を微妙に調整して表現できる。
- 例) “It’s rather hot outside.”(外はかなり暑い。)
- フォーマル/カジュアルの使い分け
- 「rather」は日常会話でもビジネスでも問題なく使える比較的万能な単語です。
- ただし、イギリス英語ではややフォーマルな印象を与えるケースもあるため、カジュアルには “pretty,” “quite,” “somewhat” などに変える場合もあります。
- 「rather」は日常会話でもビジネスでも問題なく使える比較的万能な単語です。
5. 実例と例文
日常会話(カジュアル)
- “It’s rather chilly tonight. Let’s wear a jacket.”
(今夜はちょっと肌寒いね。上着を着よう。) - “I would rather watch a movie at home than go out.”
(外出するより家で映画を見ていたいな。) - “He seemed rather upset about the news.”
(彼はそのニュースにかなり動揺しているようだったよ。)
ビジネスシーン(ややフォーマル)
- “The report is rather long; could you provide a concise summary?”
(この報告書は少し長いですね。簡潔な要約をいただけますか?) - “I would rather not disclose that information at this stage.”
(現時点ではその情報を開示したくありません。) - “We should rather focus on customer satisfaction than solely on profit.”
(利益だけに集中するよりも、むしろ顧客満足に注力すべきです。)
学術的な文脈(フォーマル)
- “The theory is rather complex and requires further research.”
(その理論はかなり複雑で、さらなる研究が必要です。) - “Rather than analyzing each variable independently, a holistic approach is recommended.”
(各変数を独立して分析するというよりは、総合的なアプローチが推奨されます。) - “The data rather supports the hypothesis, though additional trials are advised.”
(データはむしろその仮説を支持しているようですが、さらに追試が望まれます。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- quite(かなり)
- 「quite」は「非常に」「全く」と強調するニュアンスが強め。
- 「quite」は「非常に」「全く」と強調するニュアンスが強め。
- somewhat(いくらか、多少)
- 「rather」よりは弱めで「ある程度」「少しだけ」の意味合い。
- 「rather」よりは弱めで「ある程度」「少しだけ」の意味合い。
- fairly(まずまず、なかなか)
- 「rather」と似ているが、やや肯定的なニュアンスが強い。
- 「rather」と似ているが、やや肯定的なニュアンスが強い。
- pretty(かなり)
- カジュアルでやや口語的。「rather」よりは少しくだけた印象。
反意語
- 「very little」(ほとんど〜でない)、強いて言うならば否定的文脈では「hardly」や「barely」が反対のニュアンス。ただし「rather」の正確な反意語は存在しにくいです。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA):
- イギリス英語: /ˈrɑː.ðər/
- アメリカ英語: /ˈræ.ðɚ/ または /ˈræð.ər/
- イギリス英語: /ˈrɑː.ðər/
アクセント:
- 最初の “ra” の部分に強勢がきます (RA-ther)。
- 最初の “ra” の部分に強勢がきます (RA-ther)。
よくある発音の間違い:
- “ra-ther” の “th” を /s/ と発音してしまったり、カタカナ発音で「ラザー」としてしまうことがありますが、本来は「ラ-thァ/ラザ」と “th” の有声音を意識しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- ×「rathar」 / ○「rather」
- ×「rathar」 / ○「rather」
- “would rather” 構文の混同
- “I would rather eat at home.”(家で食事をしたい。)を “I had rather eat at home.” としてしまうミス。
- 「would rather」で決まった表現として覚えましょう。
- “I would rather eat at home.”(家で食事をしたい。)を “I had rather eat at home.” としてしまうミス。
- “rather than” の用法
- “rather than to do” のように不定詞を重ねる誤用が起こりやすい。
- 正しくは “rather than do” が自然(“rather than to do” も間違いではありませんが、より口語的には不定詞を省略することが多い)。
- “rather than to do” のように不定詞を重ねる誤用が起こりやすい。
- TOEIC・英検など試験対策
- 「選択や好みを表す」問題で “would rather” が頻出する場合があります。特に文法・読解では “rather than” の用法が問われることも多いです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 音で覚える: “ra-ther” の “th” をしっかり発音することを意識しましょう。日本語の「サ行」「ザ行」と似た音と混同しないように、 “th” のあいまいな音を出してみる練習がおすすめです。
- “would rather” = “むしろこっちがいい”のイメージ
- 「ラーダー(rather)→らー、だー、むしろ…」と自分で語呂合わせを作るのも良いでしょう。
- 「ラーダー(rather)→らー、だー、むしろ…」と自分で語呂合わせを作るのも良いでしょう。
- コロケーションと一緒に: フレーズごと幾つか覚えておくと、使うときに迷いません。例: “rather difficult,” “rather interesting,” など。
以上が、副詞「rather」の包括的な解説です。程度を表すときや選択・好みを示すときなど、さまざまな文脈で使える便利な単語ですので、例文で練習しながらぜひ使いこなしてください。
意味のイメージ
意味(1)
いくぶん,やや
意味(2)
それどころか,反対に
意味(3)
《話》かなり,相当に
意味(4)
《英話》(応答に用いて)確かに,そうですとも(certainly)