最終更新日:2025/09/07

彼はさまざまな悪徳に関与していると非難された。

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元となった辞書の項目

vice

名詞

〈U》悪徳 / 〈C〉悪徳行為 / 《話》悪癖

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彼はさまざまな悪徳に関与していると非難された。

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解説

以下では、名詞 “vice” について、できるだけ詳しく解説していきます。


1. 基本情報と概要

意味(英語・日本語)


  • 英語: “vice”

  • 日本語: 「悪徳」「悪習」「悪い行動」など、人間の道徳的な欠点や邪悪な行為を指す言葉です。

    「人の弱みに付け込むような行動」「禁じられた楽しみにふけること」など、道徳的・倫理的に好ましくないさまざまな振る舞いを幅広く指すときに使われます。

品詞


  • 名詞 (noun) です。

活用形


  • 単数形: vice

  • 複数形: vices

(※アメリカ英語などで道具の「万力」を指す場合は “vise” とスペルすることがありますが、イギリス英語では “vice” と同じ綴りになります。こちらは工具としての意味なので、今回の「悪徳」を表す名詞とは区別してください。)

他の品詞の例


  • 形容詞: vicious (悪意のある、残忍な)

    例)“He has a vicious temper.”(彼は激しい怒りの気質がある)


  • 接頭辞: “vice-” (「副〜」の意味で使われる)

    例)“Vice President”(副大統領)、“Vice Chairman”(副会長)

    この vice は「悪徳」とは関係がなく、「代理・副」を表す用法になります。


難易度(CEFR レベルの目安)


  • B2(中上級)程度

    → 社会問題や道徳・倫理に関する話題で出やすいため、少し抽象的な語彙として扱われることが多いです。


2. 語構成と詳細な意味

接頭語・接尾語・語幹


  • 語幹: “vice”

    古フランス語 vice (悪徳) から派生、さらにラテン語 vitium (欠点・欠陥) に由来するとされています。

  • 接頭語: “vice-” は「副〜」の意味(上記参照)。

  • 接尾語はつきません。

他の単語との関連性


  • vicious(形容詞): 悪意のある

  • vitium(ラテン語): 欠点、不具合

よく使われるコロケーション(共起表現)10選


  1. human vice(人間の悪徳)

  2. moral vice(道徳上の悪習)

  3. a life of vice(悪徳に満ちた生活)

  4. root out vice(悪を根絶する)

  5. indulge in vice(悪にふける)

  6. vice squad(風紀取締り班)

  7. vice and virtue(悪徳と美徳)

  8. rampant vice(蔓延する悪)

  9. give in to vice(悪に屈する)

  10. combat vice(悪と戦う)


3. 語源とニュアンス

語源


  • ラテン語の “vitium”(欠陥や罪)→ 古フランス語 “vice” を経て英語に取り入れられました。もともとは「欠点・不具合」といったニュアンスから転じて、「道徳に反する行為・悪徳」を広く指すようになりました。

ニュアンス・使用時の注意


  • “vice” は「不道徳」「悪習」といった、どちらかというとややフォーマルまたは説教めいた響きをもつ言葉です。

  • 警察や法の文脈では “vice squad”(風紀取締り部門)というように、法律で規制されるギャンブル・売春などを取り締まる部門として用いられます。

口語/文章/カジュアル/フォーマル


  • ややフォーマル〜セミフォーマルで使われることが多い単語です。

  • 口語で使うときは、やや硬い印象またはやや道徳的な文脈を含みます。一方、社会的な文書やニュース記事などにもよく登場します。


4. 文法的な特徴と構文


  • 名詞として可算・不可算どちらでも使われることがあります。


    • “a vice” として個別の悪習・悪行を指す可算用法もあれば、総称としての “vice” もあります。


一般的な構文やイディオム


  • “(someone’s) vice” = 「(人の)悪い癖・悪行」

  • “vice squad” = 「風紀取締り班(警察組織)」

  • “from vice to virtue” = 「悪徳から美徳へ」(道徳的転換を示す表現)

使用シーン


  • ニュース・警察報道、社会的・道徳的な議論、倫理に関する解説、文学作品など。

  • 日常会話で使う場合は、「悪い癖」や「やめられない(やや悪い)趣味・娯楽」などの意味合いで「My only vice is chocolate.(私の唯一の悪い習慣はチョコレートをやめられないことです)」のように使うこともあります。


5. 実例と例文

日常会話での例文(3つ)


  1. “I know smoking is a vice, but I can’t help it.”

    (喫煙は悪い習慣だと分かっているけど、やめられないんだ。)

  2. “My biggest vice is staying up late to watch movies.”

    (私の一番の悪習は映画を夜更かししてまで観てしまうことなんだ。)

  3. “He has a few vices, but he’s a good person overall.”

    (彼は多少の悪い癖はあるけれど、総合的には良い人だよ。)

ビジネスでの例文(3つ)


  1. “The company’s financial policy aims to reduce any form of corporate vice such as bribery.”

    (その企業の財務方針は、贈収賄のような企業の悪事を削減することを目指している。)

  2. “We organized a workshop on ethics to ensure there's no room for vice in the workplace.”

    (職場で悪質な行為が起きないよう、倫理に関するワークショップを企画しました。)

  3. “Transparency is key to preventing vice in large organizations.”

    (大規模な組織で悪事を防ぐには、透明性が重要だ。)

学術的・フォーマルな文脈(3つ)


  1. “Philosophers have long debated whether vice originates from societal factors or individual nature.”

    (哲学者たちは、悪徳が社会的要因から生じるのか、個人の本質に由来するのか、長らく議論してきた。)

  2. “Historically, vice was often penalized severely by religious institutions.”

    (歴史的に見て、悪徳はしばしば宗教組織によって厳しく罰せられてきた。)

  3. “The study examines the correlation between poverty and the prevalence of vice in urban areas.”

    (その研究は、都市部の貧困と悪が蔓延する度合いの相関関係を調査している。)


6. 類義語・反意語と比較

類義語(Synonyms)


  1. immorality(不道徳)


    • “vice” より広い意味で「道徳に背く」というニュアンス。


  2. sin(罪、罪悪)


    • 宗教的・道徳的に許されない行為を強調する場合に用いられる。


  3. wrongdoing(悪行)


    • 行為としての「悪いこと」を指す、文脈によってはより軽微なニュアンス。


  4. depravity(堕落)


    • “vice” よりもさらに悪へ傾いている度合いを強く示唆する。


  5. corruption(腐敗)


    • 主に政治・組織における不正行為として用いられる。


反意語(Antonyms)


  1. virtue(美徳)


    • 文字通り “vice” の対極。


  2. morality(道徳)


    • 倫理的に正しい行為、正しい考え方を指す。



7. 発音とアクセントの特徴


  • 発音記号(IPA): /vaɪs/

  • アクセント: 1音節語なので、全体をやや強めに発音します。

  • アメリカ英語とイギリス英語で発音はほとんど変わりません。

  • よくある発音ミス: “vise” と綴る場合も同じ /vaɪs/ ですが、つづり字が違うので混同しないように注意しましょう。


8. 学習上の注意点・よくある間違い


  1. 綴りミス: “vice” と “vise”


    • “vise” はアメリカ英語で「万力(工具)」を指すスペル。意味が全く違うので注意。


  2. “device” や “advice” との混同


    • “vice” は /vaɪs/、 “device” は /dɪˈvaɪs/、 “advice” は /ədˈvaɪs/ のように母音の前の子音やアクセントが異なります。


  3. “vice-” が「副〜」「代理〜」を意味する場合との混同


    • “vice president” (副大統領) は「悪徳」とは関係ありません。


  4. 試験・資格対策


    • TOEIC や英検で出題される場合、文脈上 “vice squad” や “immorality” などと一緒に登場する可能性があります。文意をしっかりと把握しましょう。



9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • “ヴィス”(vice) → “vitium”(ラテン語で欠陥)というルーツを思い出すと、「欠点や悪」を表す単語であると覚えやすいです。

  • 「バイス」(ドイツ語の weiß とは無関係ですが)と音を混同しないように、英語では “ヴァイス”と意識して発音しましょう。

  • 「My only vice is…」のように、ちょっとした“悪い癖”を表現するフレーズで印象を残すと覚えやすいかもしれません。


以上が、名詞 “vice” の詳細解説です。道徳や倫理の話題のみならず、新聞やニュースで犯罪取り締まりの文脈にも登場する重要語ですので、ぜひ覚えて活用してみてください。

意味のイメージ
vice
意味(1)

〈U〉悪徳,不道徳

意味(2)

〈C〉(特定の)悪徳行為;《話》悪習,悪癖

意味(3)

〈C〉《話》欠点,欠陥

意味(4)

〈C〉〈U〉(馬・犬などの)悪癖

基礎英単語(NGSL)/ 例文 / 英訳 / 選択問題

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