元となった辞書の項目
demonstrate
解説
以下では、英単語「demonstrate」について、できるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: “to show clearly” / “to prove something by giving evidence or examples” / “to take part in a public protest for or against something”
- 日本語: 「(はっきりと)示す、明らかにする」「証拠や例を用いて証明する」「(デモなどの形で)意思表示をする」
「相手に何かを実際に見せたり具体例を提示したりして、わかりやすく示す」というニュアンスがあります。プレゼンテーションや実験などでよく使われる単語です。また、「デモをする」という意味では、政治的な集会などに参加するというニュアンスも表します。
品詞
- 動詞(他動詞・自動詞の両方で使われる場合がありますが、多くは他動詞として「何かを示す」という文脈で使われます)
活用形
- 原形: demonstrate
- 三人称単数現在形: demonstrates
- 現在分詞・動名詞: demonstrating
- 過去形: demonstrated
- 過去分詞: demonstrated
他の品詞になった時の例
- 名詞: demonstration(例:「プレゼンテーションやデモ活動」などを指す)
- 形容詞: demonstrative(例:「感情表現がはっきりしている」「実証的な」など)
CEFRレベル
- B2(中上級)
- 「説明」「証明」「デモ活動」など、抽象的な事柄も扱う語であり、中上級くらいのレベルから自然に使いこなせると考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語: de-(下に、取り去る、などを表すことが多い)
- 語幹: monstr(ラテン語の“monstrare”=「示す」から)
- 接尾語: -ate(動詞を作る語尾)
派生語・類縁語
- demonstrate → demonstration(「実演、証明、デモ」)
- demonstrative(形容詞: 「はっきり表す、論証する」〈人が感情を露わにするという意味でも〉)
よく使われるコロケーション(共起表現)10個
- demonstrate a point → (論点を示す)
- demonstrate skills → (スキルを実証する)
- demonstrate the process → (手順を実演する)
- clearly demonstrate → (はっきりと証明する)
- demonstrate competence → (能力を証明する)
- demonstrate support → (支持を示す)
- fail to demonstrate → (示すことに失敗する)
- demonstrate against (something) → (~に反対してデモをする)
- demonstrate in favor of (something) → (~を支持するためにデモをする)
- demonstrate one’s understanding → (理解を示す)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の“dēmonstrāre”から来ており、dē (強調や「完全に」を意味する接頭語) + monstrāre(「示す」)の組み合わせです。
- 元々は「はっきり示す」「証拠立てる」という意味が中心でした。
ニュアンス・使用時の注意点
- 「実際にやって見せる」という具体的な示し方を強調する用法が多いです。
- 「デモ活動をする」という意味では、政治的・社会的問題に対して集会・行進をするという少しフォーマルかつ状況的な意味合いを持ちます。
- フォーマル/カジュアルな場面いずれでも用いられますが、公的な文章・ビジネス英語などでも頻出し、説得力を高める表現として使われます。
4. 文法的な特徴と構文
1) 他動詞用法:
- “demonstrate something” → 何かを示す・証明する。
- 例: “He demonstrated his ideas with colorful charts.”
2) 自動詞用法:
- “demonstrate for/against~” → ~に賛成/反対のデモをする。
- 例: “They demonstrated against the new policy.”
3) 典型的な構文:
- “demonstrate that + 文章” → 「~であることを証明する」
- “demonstrate how + 文章” → 「~の仕方を示す」
可算/不可算といった区別は、動詞としては関係ありませんが、名詞形の“demonstration”は可算名詞として扱われます (“a demonstration” “demonstrations”).
5. 実例と例文
日常会話での例文 (3文)
- “Could you demonstrate how to use this coffee machine?”
(このコーヒーマシンの使い方を見せてくれる?) - “I can’t figure out this magic trick. Can you demonstrate it again?”
(この手品のやり方がわからないんだ。もう一度やってみせてくれる?) - “He demonstrated his cooking skills during last night’s dinner.”
(彼は昨晩の夕食で料理の腕前を披露した。)
ビジネスの場面 (3文)
- “This report demonstrates our company’s progress over the past quarter.”
(このレポートは、わが社が過去四半期でどのくらい進捗したかを示しています。) - “We need to demonstrate our product’s benefits in a clear and compelling way.”
(製品のメリットを、わかりやすく説得力のある方法で示す必要があります。) - “The CEO demonstrated her commitment to innovation by investing in new technologies.”
(CEOは新技術への投資によってイノベーションへの取り組みを明確に示しました。)
学術・フォーマルな文脈 (3文)
- “The experiment successfully demonstrated the validity of the hypothesis.”
(その実験は仮説の正しさを見事に証明しました。) - “Several studies have demonstrated a strong correlation between sleep and cognitive function.”
(いくつかの研究は、睡眠と認知機能に強い相関関係があることを示しています。) - “In this paper, we demonstrate a new method for data analysis.”
(この論文では、新しいデータ分析手法を提示します。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- show(示す)
- 比較的カジュアルで幅広い意味を持つ。「見せる」という単純な意味。
- 比較的カジュアルで幅広い意味を持つ。「見せる」という単純な意味。
- prove(証明する)
- 「論理的・科学的手法などで証明する」というニュアンスが強い。
- 「論理的・科学的手法などで証明する」というニュアンスが強い。
- illustrate(例示する)
- 「図や具体例で説明する」感覚が強い。
- 「図や具体例で説明する」感覚が強い。
- exhibit(展示する/示す)
- 美術館で展示する、あるいは性質などを示すという文脈で使う。
- 美術館で展示する、あるいは性質などを示すという文脈で使う。
反意語(Antonyms)
- conceal(隠す)
- 「見えないようにする」という意味。
- 「見えないようにする」という意味。
- obscure(あいまいにする/見えにくくする)
- 「はっきり示さない」という点で反意表現。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ˈdɛm.ən.streɪt/
- アクセント(強勢)は「dem」にあります: DEM-on-strate
- アメリカ英語とイギリス英語で大きな違いはほとんどありませんが、アメリカ英語は[t]がややはっきり発音され、イギリス英語では[ə]がやや長めに感じられる傾向があります。
- よくある間違いとしては、「demons-trate(デモンズトレイト)」のように「デーモン」部分を強く読みすぎることがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “demonstrate” の “n” と “s” の順番を間違えたり、「demonstate」として “s” を抜いてしまう例があるので注意。
- 同音異義語との混同は特に多くありませんが、“demonstrate” を “demonstration” に変換してしまうミスはありがちです。
- 資格試験や英検・TOEICでも「証明する」「実演する」という語意で出題されることが多いです。比喩的に「示す、裏付ける」なども含め、文脈によって訳し方が変わるので注意しましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “demonstrate” は “monstr(示す)” が中心。ラテン語で「指し示す」というイメージを持つと覚えやすいです。
- 「デモをする (de-mon-strate) → 実際にやってみせる/意見を示す」という具合に、語頭“demo-”と「デモ活動」を紐づけてイメージするのも良いかもしれません。
- 実際に動きを伴ってやって見せる、証拠や例を出す――という場面を映像的にイメージすると記憶に残りやすいでしょう。
以上が「demonstrate」の詳細な解説です。プレゼンや論文など説得力を要求される場面で使いやすい重要単語なので、ぜひ積極的に使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈真理・学説など〉‘を'論証する,証明する(prove)
意味(2)
〈物事が〉…‘の'証拠となる,‘を'明らかに示す
意味(3)
〈感情など〉‘を'表に出す,あらわに示す
意味(4)
(観察する人々の前で)実験授業をする
意味(5)
(実例・実験・標本などによって)…‘を'説明して見せる,明示する
意味(6)
(…に反対して,…を要求して)示威運動をする,デモをする《+against(for)+名》