元となった辞書の項目
enemy
解説
1. 基本情報と概要
英語: enemy
日本語: 敵、敵対者
意味の説明
「enemy」は、「誰かや何かに敵対する人・勢力・要素」のことを指す名詞です。たとえば、自分にとって好ましくない存在や、利害の対立する相手を指すときに使われます。日本語の「敵(てき)」とほぼ同じ感覚で、「対立している相手・敵対者」というニュアンスになります。日常会話からビジネス文脈まで幅広く使用されますが、やや強い表現になるため、感情的な場面や戦闘・競争の状況をイメージさせやすい単語です。
品詞・活用形
- 品詞: 名詞 (countable noun: 可算名詞)
- 単数形: enemy
- 複数形: enemies
他の品詞になった時の例
- 対応する形容詞的表現は直接「enemy」から派生していませんが、形容詞的に表すときは “enemy forces” (敵軍) のように名詞を前置して使われることが多いです。
(「名詞 + noun」の形で「敵の〜」という意味を表します。)
CEFRレベルの目安
- B1(中級): 「日常会話でよく登場するが、固有のニュアンスに注意が必要」というレベル。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- enemy は、ラテン語の inimīcus(否定の接頭語 in- + 「友」を意味する amīcus)が起源とされ、古フランス語の enemi を経て英語に入ってきた単語です。
- in- (否定) + amīcus (友) → 「友ではない者」 → 「敵」
派生語・類縁語
- enmity (n.): 敵意、憎しみ
- inimical (adj.): 不利な、反している(フォーマルな文脈で使用)
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- arch enemy – 宿敵
- common enemy – 共通の敵
- public enemy – 社会の敵、公敵
- make an enemy of someone – (人)を敵に回す
- mortal enemy – 不倶戴天の敵、命を狙うような敵
- enemy territory – 敵陣、敵の領域
- enemy lines – 敵の戦線
- enemy fire – 敵からの攻撃
- the enemy within – 内部の敵(組織内や自分自身の中の敵意など)
- friend or foe – 友か敵か
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語 inimīcus(in-「〜でない」と amīcus「友人」)から「友ではない相手」を意味し、古フランス語の enemi を経て英語に入ってきました。
ニュアンス・使用時の注意
- 「enemy」は「敵」という明確な対立や敵意を含むため、会話で使用するときは相手との関係性に注意が必要です。
- 戦闘や競争を連想させる強い言葉なので、ビジネスシーンなどで比喩的に使う際は、やや誇張的な表現や冗談混じりの表現として使われることがあります。
カジュアルかフォーマルか
- カジュアル: 日常会話やドラマ、映画で「嫌いな人」のように単純に「敵対者」として使われることが多いです。
- フォーマル: 公式声明や軍事関係の文章でも一般的に使われます。
4. 文法的な特徴と構文
可算名詞なので、単数・複数形を区別します
- 単数: an enemy / the enemy
- 複数: enemies
- 単数: an enemy / the enemy
比喩的表現として使われる場合
- “Junk food is my enemy.” のように、敵対関係を強調したい対象に対しても使えます。
イディオムとしては “befriend one’s enemy” (敵と友好関係を築く) などがあります。文章ではやや文学的に使われる傾向があります。
5. 実例と例文
日常会話 (3例)
- “I used to think of him as an enemy, but we actually get along now.”
(以前は彼を敵だと思っていたけど、実は今は仲良くしているよ。) - “Stop treating me like an enemy; I’m just trying to help.”
(私を敵のように扱わないでよ。手伝おうとしているだけなんだから。) - “It’s important to know your enemy before you confront them.”
(対決する前に相手のことを知るのは大切だよ。)
ビジネス (3例)
- “We identified a common enemy in the market and decided to collaborate.”
(市場で共通の敵を見つけたので協力することにしました。) - “In negotiations, pride can be your worst enemy.”
(交渉においては、プライドが最大の敵になり得ます。) - “Their company has become our biggest enemy in this sector.”
(あの会社はこの業界で、私たちにとって最大の敵になりました。)
学術的/フォーマル (3例)
- “Historically, nations often unite against a common enemy.”
(歴史的に、国々はしばしば共通の敵に対抗するために団結します。) - “In social psychology, bias can be viewed as an internal enemy that distorts perception.”
(社会心理学において、偏見は認知を歪める内部の敵として捉えることができます。) - “The researcher argued that misinformation is the real enemy of public health.”
(研究者は、誤情報こそが公衆衛生の真の敵だと主張しました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- foe (敵、古風または文語で使われる)
- opponent (対戦相手、よりスポーツや議論での相手を示唆)
- adversary (対抗者、主にフォーマルな文脈)
- rival (同じ目標を争う相手、競争関係にある)
- これらはいずれも「敵対する相手」を意味しますが、用途や文体に若干の違いがあります。たとえば “opponent” はスポーツや討論会などの「やや中立的な対立相手」を表しやすく、”foe” は「文語・文学的な響き」、”adversary” はフォーマルまたは学術的な印象があります。
反意語(Antonyms)
- friend (友達)
- ally (同盟国、協力者)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA):
- 米: /ˈen.ə.mi/
- 英: /ˈen.ɪ.mi/
- 米: /ˈen.ə.mi/
- アクセント: 第1音節に強勢(en・e・my)
- アメリカ英語とイギリス英語の違い: 大きな違いはありませんが、イギリス英語は第2音節を短く「イ(ɪ)」と発音することが多いです。
- よくある発音ミス: “enemy” の語末を「me」ではなく「my」と伸ばしすぎるミスに注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス: “enamy”, “enime” といったミスがありがちです。
- 同音異義語との混同:
any me
という言葉は存在しないので、音が似ているように聞こえても区別が必要です。 - 試験対策: TOEICや英検などで、文章の中の対比表現として “friend or enemy” が出題されることがあります。文脈から推測して答える問題で見かけることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語源から覚える: 「in + amicus(友人)」が否定されているので「友じゃない → 敵」と理解すると覚えやすいです。
- イメージ&ストーリー: スーパーヒーローものやファンタジー作品で「enemy」が頻繁に登場します。実際の会話でもドラマや映画の紛争シーンを思い出すと記憶に定着しやすいでしょう。
- スペリングのコツ: “en-e-my” と語尾の “my” を意識すると書き間違いを減らせます。
以上が「enemy」の詳細な解説です。対立や競争の場面で活用頻度が高く、日常会話でも比喩として使える便利な単語なので、ぜひ使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
敵
意味(2)
(…を)害するもの,(…の)敵《+to(of)+名》
意味(3)
《the~》《集合的に;《米》では単数扱い,《英》では単数・複数扱い》敵兵,敵軍;敵国