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matter
解説
以下では、英単語「matter」(名詞)を、学習者の方が理解しやすいように詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
意味
- 英語: “matter”
- 日本語: 「事柄」「問題」「物質」「重要なこと」など
「matter」は、「問題」や「事柄」、「物質」など、状況に応じて広い意味を持つ単語です。「問題となること」「重要な事柄」「話題」などを伝えたいときによく使います。英語学習では「It doesn’t matter.(問題じゃないよ)」などの表現が有名です。
品詞
- 名詞 (countable / uncountable の両方で使われる)
活用形
名詞なので基本的に単数・複数形があります。
- 単数形: matter
- 複数形: matters
他の品詞
- 動詞 “to matter” で「重要である」という意味を持つ使い方があります。(例: “It matters to me.”)
難易度 (CEFR)
- B1 (中級)
日常会話でもビジネスでも幅広く使われる重要単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「matter」の形そのものは短く、明確な接頭辞や接尾辞はありません。
- 語源的にはラテン語の “materia” (材料・物質) に由来します (後述)。
詳細な意味
- 事柄・問題 (countable)
- 例: “a personal matter” (個人的な問題)
- 例: “a personal matter” (個人的な問題)
- 物質 (uncountable)
- 例: “dark matter” (ダークマター)
- 例: “dark matter” (ダークマター)
- (印刷物や研究の) 文章・内容 (uncountable)
- 例: “Reading matter” (読むべき資料)
- 例: “Reading matter” (読むべき資料)
- トピック (countable)
- 例: “the subject matter” (主題・話題)
関連語や派生語
- “material” (名詞/形容詞。「材料」「物質の」など)
- “matters” (複数形、複数の事柄・問題)
よく使われるコロケーション(共起表現)と訳 (10個)
- “It doesn’t matter.” → それは問題にならない / 大丈夫だ
- “As a matter of fact” → 実を言うと / 実際のところ
- “No matter what” → たとえ何があっても
- “a matter of time” → 時間の問題
- “subject matter” → 主題 / 題材
- “a matter of opinion” → 見解の相違 / 人によって違う問題
- “business matters” → ビジネスに関する事柄
- “family matters” → 家庭の問題
- “matter for discussion” → 議論すべき事柄
- “dark matter” → ダークマター(宇宙物理学的用語)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語 “materia” (材料・原料) → 古フランス語 “matere” → 中英語 “mater(e)” → 現在の “matter”
当初は「材木」「物質」といった“原料”や“物体”を指す意味が強かったのが、時間とともに「取り扱うべき事柄」「主題」「問題」という意味にも広がりました。
ニュアンス
- 「問題や事柄」というときは、論点や重要事項としてのニュアンスが強いです。カジュアルな会話から、フォーマルな文章まで幅広く登場します。
- 口語表現「It doesn’t matter!」は砕けた感じになりますが、「As a matter of fact, …」はややフォーマル・丁寧な印象を与えます。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞として使う場合、可算であれば「a matter」「several matters」、不可算で「some matter」「much matter」など柔軟な使われ方をします。
- イディオム「It doesn’t matter.」「No matter what.」などでは、文型として “matter” が動詞かそれに近い形で扱われているように見えますが、原形としては名詞由来です。
よく知られた構文やイディオム
- “It doesn’t matter.” → (口語)「問題ない」「どうでもいい」
- “No matter how/what/where…” → (文法構文)「どんなに〜しても」
- “As a matter of fact,” → 「実のところ」(ややフォーマル)
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文3つ
- “It doesn’t matter what we eat tonight, as long as we have fun.”
(今夜何を食べるかは問題じゃないよ。楽しめればそれでいいよ。) - “What’s the matter with your phone? It keeps turning off.”
(君の携帯、どうしちゃったの? ずっと電源が落ちるね。) - “No matter how late you stay up, make sure to lock the door.”
(どんなに夜遅く起きてても、ドアの鍵はちゃんとかけてね。)
(2) ビジネス文脈での例文3つ
- “Let us move on to the next matter on the agenda.”
(次の議題に移りましょう。) - “I’d like to discuss a confidential matter with you privately.”
(内密な件について個別にお話ししたいのですが。) - “Fiscal matters should be handled by the finance department.”
(財務に関する事項は財務部に処理してもらうべきです。)
(3) 学術的文脈での例文3つ
- “The study of dark matter is crucial in cosmology.”
(ダークマターの研究は宇宙論において極めて重要です。) - “This course focuses on the subject matter of environmental policy.”
(このコースでは環境政策のテーマに焦点を当てています。) - “Please review the reading matter before our next seminar.”
(次のセミナーまでに読んでおく資料を確認してください。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- “issue” (問題)
- “issue” は「課題」「争点」というニュアンスが強い。フォーマルな文書でよく用いられる。
- 例: “We have an issue to resolve.” (解決すべき問題がある。)
- “issue” は「課題」「争点」というニュアンスが強い。フォーマルな文書でよく用いられる。
- “topic” (話題)
- 「会話や議論のトピック」。範囲が話題に限定される。
- 例: “Let’s stay on topic.” (話題を逸れないようにしよう。)
- 「会話や議論のトピック」。範囲が話題に限定される。
- “subject” (主題)
- 「授業科目」「主題」という意味で、academicな雰囲気がある。
- 例: “The subject of today’s lecture is global warming.” (今日の講義の主題は地球温暖化だ。)
- 「授業科目」「主題」という意味で、academicな雰囲気がある。
- “material” (材料 / 資料)
- 「物質的な材料」「学習素材」など物理的・抽象的にも使われる。
- 例: “Study material” (学習用資料)
- 「物質的な材料」「学習素材」など物理的・抽象的にも使われる。
反意語 (Antonyms)
- はっきりとした反意語は存在しませんが、側面から見れば “nothingness” (無) や “void” (空虚) が「物質・事柄が存在しない状態」を表す言葉です。
- 話題や問題が「存在しない」場合を表す場合は “no issue” などと言うことが多いです。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- アメリカ英語: /ˈmæt̬.ɚ/
- イギリス英語: /ˈmæt.ə/
アクセント
- 最初の “ma” の部分に強勢があります (MÁ-tter)。
よくある発音の間違い
- “a” の部分を ɑː にしすぎるケース。正しくは短い [æ] に近い音 “マ” です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “matter” は “t” が2回続くので、1つしか書かないミスに注意。
- 同音異義語: “mutter” (ぶつぶつ言う) と混同しないように。
- 試験での出題傾向: 「It doesn’t matter」「No matter how〜」「a matter of time」などのイディオム的表現の正確な使い方を問われることが多い。TOEICや英検でもよく使用される基本表現。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語源 “materia” → “材料・原料” から派生したと覚えると、「問題」「事柄」は「話の材料」「論点」と関連づけやすいです。
- 「It doesn’t matter.」は「マター(問題)ではない」→「問題じゃない」と直訳で覚えるのも便利。
- “No matter what” は「どんなことが起きても変わらないがゆえに “問題にならない” → 絶対に〜する」というイメージで理解すると覚えやすいです。
以上が名詞「matter」の詳細解説になります。「matter」は多義的な単語ですが、日常表現「What’s the matter? (どうしたの?)」などでも頻繁に使う重要単語です。ぜひ、例文やフレーズを繰り返し声に出して覚えてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉《修飾語を伴って》…体,…質,…素
意味(2)
〈U〉《the~》(漠然と)(…にとって)困った事,やっかいな事,事故,支障《+with+名》
意味(3)
〈U〉重大事,重要性(importance),関心法
意味(4)
〈U〉《修飾語を伴って》…郵便物,…印刷物
意味(5)
〈U〉(傷口から出る)うみ(pus)
意味(6)
〈U〉物質,物体(個体・液体のいづれの状態も含む)
意味(7)
〈C〉(論議・関心の的となる)事柄,問題;(…に関わる)事,(…で決まる)問題《+of(まれfor)+名》
意味(8)
〈U〉(演説・論文などの)内容《+of++名》;(演説などの)題材《+for+名》