元となった辞書の項目
procrastination
解説
1. 基本情報と概要
単語: procrastination
品詞: 名詞 (noun)
英語の意味: The act of delaying or postponing something that needs to be done.
日本語の意味: 「先延ばしにすること」「やるべきことを後回しにすること」
こういう場面で使われる:勉強や仕事など、本来やるべきことがあるにもかかわらず、つい後に回してしまう状況を表すときに用いられます。少しネガティブなニュアンスを持つのが一般的です。
活用形
- 名詞形: procrastination(先延ばし状態そのものを指す)
- 動詞形: procrastinate(先延ばしにする、ぐずぐずする)
- 現在分詞: procrastinating(先延ばしにしている最中を指す)
- 過去分詞: procrastinated(先延ばしにした、先延ばしにされている)
他の品詞になったときの例
- 動詞: to procrastinate (「先延ばしにする」)
- 形容詞: procrastinatory (「先延ばしに関する」 ※やや稀)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- B2:中上級 → 普段の生活や仕事で当たり前に出てくる抽象的なトピックを理解できる段階の学習者向け
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- pro-: 「前に」「先へ」というイメージを与える接頭語
- crastin-: ラテン語の “crastinus(明日の)” に由来
- -ation: 名詞化する接尾語
意味としては「明日へ送ること」→「先送りにすること」というニュアンスを持っています。
関連する派生語や類縁語
- procrastinate (動詞):先延ばしにする
- procrastinator (名詞):つい先延ばしにしてしまう人
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- chronic procrastination(慢性的な先延ばし)
- overcome procrastination(先延ばしを克服する)
- a form of procrastination(先延ばしの一形態)
- procrastination habit(先延ばしの習慣)
- last-minute rush(締め切りギリギリにやること)
- procrastination behavior(先延ばしの行動)
- procrastination tendency(先延ばし傾向)
- procrastination cycle(先延ばしの連鎖)
- procrastination problem(先延ばしの問題)
- break free from procrastination(先延ばしから抜け出す)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語「procrastinare」=「pro(前に)」+「crastinus(明日の)」
- もともと「明日へ伸ばす」という意味から「やるべきことを先へ先へと延ばす」ニュアンスが生まれました。
ニュアンス
- 基本的にはネガティブな文脈で使われ、「やる気の欠如」や「重要性の低さ」と解釈されることが多いです。
- ただし、冗談ぽく「I’m a master of procrastination.(私は先延ばしの達人です)」と言うような、軽い自己ジョークとしてもよく登場します。
- 文語でも口語でも使われますが、比較的フォーマルな文脈でもしばしば登場する語です。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞として使う場合は、通常は不可算名詞(数えられない名詞)として扱います。
例: I need to avoid procrastination. (×a procrastination とは言わない) - 動詞 “procrastinate” は自動詞です。目的語をとらず、動作そのものを表します。
例: People often procrastinate instead of doing tasks immediately.
イディオムや一般的な構文の例
- 「Procrastination is the thief of time」:ことわざとして「先延ばしは時間泥棒」という意味の古い表現。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “My biggest problem is procrastination when it comes to cleaning my room.”
(部屋の掃除となると、先延ばしが一番の問題なんだよね。) - “I always end up watching YouTube videos instead of studying; procrastination is my worst habit.”
(勉強の代わりに結局YouTubeを見ちゃうんだ。先延ばしが私の一番悪い癖。) - “I’m trying to tackle my procrastination by using a to-do list every day.”
(毎日やることリストを使って、先延ばしを克服しようとしているんだ。)
ビジネスでの例文(3つ)
- “Procrastination can seriously affect our productivity levels.”
(先延ばしは生産性に深刻な影響を与えることがある。) - “Let’s set clear deadlines to help avoid procrastination on this project.”
(このプロジェクトでの先延ばしを防ぐため、明確な締め切りを設定しましょう。) - “We need to address the procrastination issue among the team members before the next quarter.”
(来期に入る前に、チームメンバーの先延ばしの問題に対処する必要があります。)
学術的な文脈での例文(3つ)
- “Researchers have examined the causes of procrastination and its relation to mental health.”
(研究者たちは先延ばしの原因とメンタルヘルスとの関連を調べてきた。) - “Procrastination is often linked to poor time management and heightened stress levels.”
(先延ばしはしばしば時間管理の不備や強いストレスレベルと関連づけられる。) - “Academic procrastination can lead to lower academic performance and increased anxiety.”
(学習面での先延ばしは学業成績の低下や不安の増大につながることがある。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- delay(遅らせること)
- 遅れの原因が自分の意図であるか外部要因であるかに関わらず「遅れ」を意味。
- “procrastination” は意図的な先延ばし、 “delay” は外的要因でも使う。
- 遅れの原因が自分の意図であるか外部要因であるかに関わらず「遅れ」を意味。
- postponement(延期)
- 公式に「延期すること」を意味。イベントや締め切りを後にずらす。
- “procrastination” は個人的・心理的に後回しにするニュアンスが強い。
- 公式に「延期すること」を意味。イベントや締め切りを後にずらす。
- hesitation(躊躇)
- 決断や行動をためらうこと。行動に移れない気持ちを指す。
- “procrastination” は「行動を意図的に先延ばししている」感が強い。
- 決断や行動をためらうこと。行動に移れない気持ちを指す。
- stalling(引き延ばす、手間取らせる)
- わざと時間稼ぎをしている状態。
- “procrastination” はやるべきことを後回しにするが、“stalling” は他の意味(エンジンが止まるなど)でも使う。
- わざと時間稼ぎをしている状態。
反意語
- prompt action(即行動)
- diligence(勤勉さ)
7. 発音とアクセントの特徴
IPA
- アメリカ英語: /proʊˌkræs.tɪˈneɪ.ʃn̩/
- イギリス英語: /prəʊˌkræs.tɪˈneɪ.ʃn̩/
アクセント位置
- 「pro-cras-ti-NA-tion」で「NA」の部分に強勢が置かれるイメージ
よくある発音ミス
- “pro-cras-tri-nation” など、子音の入れ替えをしてしまうミスや、ster / stə/ の発音があいまいになるケースがあり、注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “procastination” と “r” が抜けてしまうミス。正しくは “procrasti-” と “r” が2つ入る。
- 同音異義語との混同: とくに “procrastinate” と “postpone” の違いに注意。どちらも「延ばす」意味だが、 “procrastinate” は自分の心理的な先延ばし。
- 試験対策: TOEICや英検などのライティングや長文中で「先延ばしにしてはいけない」「時間をうまく管理すべき」という文脈で出題される可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「明日へ移す (pro + ‘明日’のラテン語 crastinus) → 先延ばし」と覚えると定着しやすいです。
- 「Pro + Crash + T + Nation」のように、適当に区切ってリズムよくスペルを口にして覚えるという方法もおすすめです。
- 「先延ばしにするとまずい!」という自分のイメージと結び付けることで、覚えやすくなります。
上記を参考に、ぜひ “procrastination” を使いこなしてくださいね。
意味のイメージ
意味(1)
遅延,引き延ばし