entrepreneur

1. 基本情報と概要

英単語: entrepreneur

品詞: 名詞（countable noun: 可算名詞）

活用形: 単数形「entrepreneur」、複数形「entrepreneurs」

意味（英語・日本語両方で）

• 英語: “An individual who starts, organizes, and operates a business or businesses, often taking on financial risk to do so.”
  


• 日本語: 「起業家、事業家、ビジネスを立ち上げて運営し、しばしば財務的なリスクを負う人のことです。」

→ いわゆる「ビジネスを自ら興して進める人」というニュアンスで使われます。自分で事業を始めるだけでなく、ビジネスチャンスを見出し、主体的に動いてリスクをとって形にしていくようなイメージを伴います。

他の品詞形

• entrepreneurial (形容詞): 「起業家精神のある、起業家的な」
  


• entrepreneurship (名詞): 「起業家精神、起業活動」
  


• entrepreneurially (副詞): 「起業家的に」

CEFRレベルの目安

• B2（中上級）: ビジネスや社会的な話題など、具体的な文脈で使いこなせれば上達度が高いレベルです。

2. 語構成と詳細な意味

語構成

• entre-: フランス語由来で「間に」や「〜の間を」という意味を持つことが多い（ここでは直接的な部分訳というより語源的要素）。
  


• -prendre: フランス語の動詞 “prendre” は「取る(take)」という意味。英語で言う “undertake” にあたる感覚が含まれています。
  


• 全体の由来: フランス語 “entreprendre” (「何かを始める・企てる」という意味) から派生した名詞。

他の単語との関連性（派生語や類縁語など）

• enterprise (名詞): 「企業、事業」
  


• enterprising (形容詞): 「進取の気性に富んだ」・「大胆に物事を進める」

よく使われるコロケーション（共起表現）10個

1. successful entrepreneur – 成功した起業家
   


2. young entrepreneur – 若い起業家
   


3. serial entrepreneur – 連続起業家
   


4. tech entrepreneur – テック系起業家
   


5. aspiring entrepreneur – 起業を目指す人
   


6. entrepreneur mindset – 起業家の考え方（マインドセット）
   


7. entrepreneurial spirit – 起業家精神
   


8. entrepreneurial venture – 起業家による事業、ベンチャー企業
   


9. social entrepreneur – 社会起業家
   


10. entrepreneur ecosystem – 起業家エコシステム

3. 語源とニュアンス

語源

• もともとはフランス語の “entreprendre”（企てる、請け負う）から来ており、「リスクをとって何かを始める人」という意味合いです。英語としては18世紀ごろから「事業を主体的に立ち上げる人」を指す言葉として定着しました。

使用時のニュアンスや注意点

• ニュアンス: 「大きなビジネスを創り上げる人」というイメージだけでなく、小規模ビジネスやスタートアップ、社会起業などにも用いられます。
  


• フォーマル度: 一般的に、ビジネスシーンやフォーマルな文書でもよく使われる単語です。カジュアルシーンでも、起業家コミュニティなどでしばしば登場します。
  


• 感情的な響き: リスクをとって挑戦する積極的なイメージが含まれます。

4. 文法的な特徴と構文

1. 名詞（可算名詞）: a/an を伴ったり、複数形 (entrepreneurs) で使います。
   
   
   
   • 例: “He is an entrepreneur.” / “Many entrepreneurs struggle at first.”
     
   
   


2. 構文上のポイント: 前置詞 “in” を使って “an entrepreneur in (分野)” のように特定の業種や分野を紹介する言い方があります。
   
   
   
   • 例: “She is an entrepreneur in the tech industry.”
   
   

一般的なイディオムやフレーズ

• “entrepreneur at heart”: 「根っからの起業家」
  


• “serial entrepreneur”: 上記にも出た「何度も起業を繰り返す人」

5. 実例と例文

(1) 日常会話での例文

1. “My brother wants to become an entrepreneur and start his own bakery.”
   
   
   
   • 兄は起業家になって、自分のベーカリーを開きたいんだ。
     
   
   


2. “Have you heard of that new entrepreneur in town who opened a vegan café?”
   
   
   
   • 街に新しくヴィーガン・カフェを開いた起業家のこと、聞いた？
     
   
   


3. “I admire entrepreneurs who take risks and follow their dreams.”
   
   
   
   • リスクを取って夢を追いかける起業家ってすごいと思うよ。
   
   

(2) ビジネスシーンでの例文

1. “Our company is looking for innovative entrepreneurs to collaborate with.”
   
   
   
   • 当社では革新的な起業家と協力したいと考えています。
     
   
   


2. “She has proven herself as a successful entrepreneur in various tech ventures.”
   
   
   
   • 彼女はさまざまなテック系事業で成功した起業家として評価されています。
     
   
   


3. “The panel discussion will feature three prominent entrepreneurs from the finance sector.”
   
   
   
   • パネルディスカッションでは、金融業界を代表する3名の著名な起業家が登壇します。
   
   

(3) 学術的・専門的な文章での例文

1. “Studies indicate that an entrepreneur’s emotional intelligence significantly influences venture success.”
   
   
   
   • ある研究によると、起業家の感情的知能はベンチャーの成功に大きく影響する。
     
   
   


2. “Entrepreneurs often exhibit higher levels of risk tolerance, which can correlate with firm growth.”
   
   
   
   • 起業家はリスク耐性が高いことが多く、これは企業成長と相関関係にあります。
     
   
   


3. “Government policies play a crucial role in supporting aspiring entrepreneurs entering the market.”
   
   
   
   • 政府の政策は、新たに市場に参入する起業家を支援する上で極めて重要な役割を果たします。
   
   

6. 類義語・反意語と比較

類義語

1. founder（創業者）
   
   
   
   • 「会社や組織を立ち上げた人」。entrepreneur とほぼ重なるが、「創設者」である点を強調する。
     
   
   


2. business owner（事業主）
   
   
   
   • 会社や小規模ビジネスの「所有者」。主に事業を所有する立場を示す言い方。
     
   
   


3. innovator（革新者）
   
   
   
   • 新しいアイデアを考案し実行する人。必ずしもビジネスの起業という意味を伴うわけではない。
   
   

反意語

• employee（従業員）
  
  
  
  • 会社に雇用されている視点を強調した言葉で、対照的状態を表す。
  
  

7. 発音とアクセントの特徴

• 発音記号 (IPA)
  
  
  
  • イギリス英語 (BrE): /ˌɒn.trə.prəˈnɜːr/
    
  
  
  • アメリカ英語 (AmE): /ˌɑːn.trə.prəˈnɝː/
    
  
  


• 強勢 (アクセント) は後ろ寄りの “-neur” の部分に置かれます。
  


• よくある間違い: “entre-pren-eur” の3つのパーツに分けて発音すると比較的わかりやすいです。母音を曖昧にしすぎると聞き取りにくくなるので注意が必要です。

8. 学習上の注意点・よくある間違い

1. スペルミス: entrepreneurを “entrepeneur” と綴ってしまったり、eの位置がずれるミスが多いです。
   


2. 発音の混同: 前後の “r” と曖昧母音の扱いが難しく、早口で言うと通じづらい可能性があります。
   


3. 同音異義語: とくに同音異義語はありませんが、“enterprise” と混同して使われがちです。
   


4. 試験対策: TOEICや英検などで出題される際は「ビジネス関連の文章・長文中の語い」として登場する場合があります。

9. 記憶に残るヒントやイメージ

• フランス語が由来という点を意識しながら「entre (間) + prendre (取る) = 何かを“請け負う”」と想像すると覚えやすいです。
  


• スペルは “entre + pre + neur” と3つにブロック分けして憶えるのがおすすめです。
  


• 「エントレ・プレ・ナー」のようにリズムで記憶するのも有効です。
  


• 企業の“enterprise”と語幹が重なるので、関連づけて覚えるとスペルミスを防ぎやすくなります。

以上が entrepreneur の詳細解説です。リスクをとって新しいプロジェクトにチャレンジするイメージで、ビジネス関連の記事や会話でも頻出の単語です。ビジネススタートアップの文脈だけでなく、社会企業家（social entrepreneur）などの文脈でも頻繁に使われるのでぜひ覚えてみてください。