above
1. 基本情報と概要
単語: above
品詞: 形容詞 (同形で副詞・前置詞などとしても使われる)
意味
- 英語:
above
as an adjective means “mentioned earlier” or “placed higher than something else.” - 日本語: 形容詞としての「above」は、「前述の」「(位置や地位などが)上の」「上位の」という意味があります。たとえば文書内で「the above information」と書くと、「上記の情報」という意味になります。
「above」は、「前の文や上の部分で述べたもの」「位置的・序列的に高い」を指し示すときに使われます。カジュアルな文脈からビジネス文書まで、比較的幅広い場面で用いられます。
活用形
- 形容詞は一般的に活用形がありませんが、
above
は同形で副詞や前置詞、さらには名詞(古い用法や文語的用法限定)として使われることもあります。
他の品詞での例
- 副詞:
He lives above.
(彼は上の階に住んでいる) - 前置詞:
The plane flew above the clouds.
(飛行機は雲の上を飛んだ) - 名詞的用法(ごく稀):
Please refer to the above.
(上記をご参照ください)
難易度(CEFRレベル)
- A2(初級)〜B1(中級)程度
- 「above」は基本単語ですが、前置詞・副詞・形容詞など多面性があり、細かい用法を覚えるには少し慣れが必要です。
2. 語構成と詳細な意味
「above」は特定の接頭語・接尾語を伴う構成というより、もともとの古英語 abufan
(on + bufan)に起源を持つ語です。
よく使われるコロケーション(共起表現)
- above average ⇒ 平均以上
- above normal ⇒ 通常より上
- above the rest ⇒ 他より上
- above and beyond ⇒ 期待以上に(特に仕事・役割などに)
- the above statement ⇒ 上記の発言
- the above example ⇒ 上記の例
- above-mentioned ⇒ 前述の
- above all ⇒ 何よりもまず/とりわけ
- above one’s head ⇒ 難しすぎる(理解を超えている)
- the above information ⇒ 上記の情報
上記のように、「前述の〜」「〜よりも上位の」「水準を上回る」というニュアンスで使われます。
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語
onbufan
=on
(〜の上に) +bufan
(上に)が変化して、abufan
→above
となりました。
ニュアンスや使用時の注意
- 「above」には、位置的に「上にいる」だけでなく、「序列が上」「数量や程度が上」などの抽象的な上位を表すニュアンスがあります。
- 文書やフォーマルなシーンでは、「the above information」「the above details」として「上記の…」を示す場合によく使われます。
- カジュアルな口語では「above and beyond」や「above one’s head」といったフレーズにも登場しますが、形容詞として使う場合はやや堅めで文章向きです。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞として使う場合
- 必ず修飾する名詞がきます。例:
the above plan
(上記の計画) - 可算・不可算の名詞どちらにも使えます。例:
the above suggestions
(上記の提案) /the above information
(上記の情報)
- 必ず修飾する名詞がきます。例:
- 副詞として使う場合
- 「場所的に上に」「順位が上に」などを表します。例:
See below for details, but the summary is stated above.
- 「場所的に上に」「順位が上に」などを表します。例:
- 前置詞として使う場合
above + 名詞
で「〜より上に」という意味。例:He hung the picture above the fireplace.
- 使用シーン
- フォーマル: 文書、メール、論文などで形容詞的に「the above 〜」と書く
- カジュアル: 「above」の副詞的用法やイディオム(
above and beyond
など)を口語でも使用
- フォーマル: 文書、メール、論文などで形容詞的に「the above 〜」と書く
5. 実例と例文
日常会話での例文
I’ve got your message above; sorry I didn’t reply earlier.
- (上の方にある君のメッセージを見たんだけど、返信が遅れてごめん。)
Didn’t you read the instructions above? They explain everything pretty clearly.
- (上の方の指示を読まなかった?全部わかりやすく説明してあるよ。)
The temperature is above freezing point today, so the roads shouldn’t be icy.
- (今日は気温が氷点下より上だから、道路は凍っていないはずだよ。)
ビジネスシーンでの例文
Please refer to the above chart for last quarter’s sales figures.
- (上記のグラフを参照してください。前四半期の売上高が載っています。)
Based on the above considerations, we propose a new marketing strategy.
- (上記の検討事項に基づき、新しいマーケティング戦略を提案します。)
Kindly review the above points and let us know your feedback.
- (上記の要点をご確認いただき、ご意見をお知らせください。)
学術的な文脈での例文
The above theory contradicts earlier research in this field.
- (上記の理論は、この分野の先行研究と矛盾している。)
From the above data, we can infer multiple outcomes.
- (上記のデータから、いくつかの結果を推測できます。)
The above findings support our initial hypothesis significantly.
- (上記の知見は、私たちの当初の仮説を大いに裏付けるものです。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
over(〜の上に)
- 「物理的に上に乗っている」や「覆っている」イメージが強い。「above」は、より抽象的に「上方にある」という意味を表すことが多い。
- 例:
A painting is hanging over the sofa.
(ソファの上に絵がかかっている)
- 「物理的に上に乗っている」や「覆っている」イメージが強い。「above」は、より抽象的に「上方にある」という意味を表すことが多い。
higher than(〜より高い)
- 数や高さを比較するときに使う。「above」は物理的・抽象的いずれもOKだが、「higher than」は主に高さや順位を直接比較。
- 例:
Mount Fuji is much higher than most mountains in Japan.
(富士山は日本のほとんどの山よりかなり高い)
- 数や高さを比較するときに使う。「above」は物理的・抽象的いずれもOKだが、「higher than」は主に高さや順位を直接比較。
反意語
- below(〜の下に/上記に対して下記)
- 「above」の対義語。位置・序列・数値が「下」にある意味。
- 例:
Please see the below details for the schedule.
(スケジュールは以下の詳細をご覧ください。)
- 「above」の対義語。位置・序列・数値が「下」にある意味。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /əˈbʌv/
- アクセントは第二音節の
bove
にあります(a-BOVE)。 - アメリカ英語とイギリス英語で大きな違いはほとんどありませんが、母音の発音が若干異なることがあります。
- よくある間違い: 「アボーブ」と長く発音しすぎることがありますが、実際には「アバヴ」のように発音します。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス: ときどき
abobe
やabov
と間違える学習者がいます。 above
とover
の混同: 物理的に覆うイメージがある場合はover
を使うことが多い。- 前置詞として使うか、形容詞として使うか:
the above information
(形容詞)とabove the clouds
(前置詞)の違いに注意。 - 試験対策(TOEIC・英検など)では、前置詞か形容詞かを見分ける問題や、
above
とover
の違いを問う問題が出ることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「a-」で始まる多くの英単語(alive, aboard, abroadなど)は、もともと「状態」を表すことが多い。
above
は「上の状態」をイメージすると覚えやすいです。 - 「前述の」「先ほど書かれた内容」を指し示すときは「the above + 名詞」が決まった形としてよく出てくるので、セットフレーズとして覚えると便利です。
- スペリングの際には「o」と「u」が順番になっている点 (
ab-ov-e
) を何度か書いて確認するとミスを防止できます。
以上が、形容詞「above」の詳細な解説です。文章や会話で「上記の」「上方の」という意味を伝えたいときには、ぜひ意識してみてください。